遠藤憲一さん「結婚すれば幸せになれるなんて思わないほうがいい」【Mr.ダンディお悩み相談室『俺の人生論』】
恋に結婚、仕事に人間関係……働く女子のお悩みに、酸いも甘いもかみ分けた父親世代のカッコいい男たちが回答! 俳優・遠藤憲一さんの第1回目です!
【今回のお悩み】つきあって1カ月でプロポーズ。こんなに早くていいの?
出会って約3カ月、つきあってまだ1カ月の彼(33歳)にプロポーズされました。30歳までに結婚したいという願望があるので、婚活系のアプリで出会ったんですが、この短期間でのつきあいで結婚を決めるのは少し不安で……。(28歳・事務)
【遠藤憲一さんの回答】根っこの部分の信用があれば期間は関係ないよ!
彼のほうはピンと来たんだろうね。でもあなたにはまだ、迷いがある。だったら自分の心の奥底をちゃんと探って、それからでも遅くはない。もう少し時間をかけるべきかもしれないね。
結婚すれば幸せになれるなんて思わないほうがいい
いちばんマズいのは、見栄で結婚する人だと思うんです。友達が結婚しているから、自分もしなきゃって。そういう世間体や見栄で結婚しようとすると、冷静に判断できなくなる。後悔する前に、結婚の大もとをよく考えたほうがいい。僕が思うのは〈結婚=幸せ〉じゃない、ということ。結婚したらそのまま幸せになれるなんて、思わないほうがいい。結婚してから一緒に積み重ねた苦労や喜びが、いつか、幸せになる。結婚はゴールじゃなくて、相手と一緒に幸せ探しのスタートラインに立つってことなんだ。この人とずっと一緒に生きて、幸せを探す覚悟があるのか。そこから考えたほうがいいよね。
5年間、積み重なった思いが爆発して、プロポーズ
僕はそんな、正論を語れるような人間じゃないんです。だから自分の経験で話すしかない。女房とは、ひと目惚れから始まって、5年つきあった。もちろん好きだったけど、経済面とかいろいろ不安もあって、途中から結婚は考えないようにしていた。だけどある日、ふたりで渋谷で映画を観て、その後一緒に食事していたら、急に〝結婚しよう!〟と思いついたんです。突如、降ってわいたようにね。その足で女房を連れて、知りあいの家、一軒ずつドアを叩いて、「結婚します!」って宣言しました。どうしてそんなことしたのか、今では忘れちゃったけど、したかったんだろうね(笑)。 その時まで心の中に何かがずーっと積み重なっていて、突然それがバンッと発火したんだと思う。でも、寝かせておいてよかったと思うんだ、5年間。迷いながら結婚したわけじゃないから。「この人だ!」ってみんなに大声で言いたいくらい、気持ちが固まってからの結婚だから。
女房が僕と結婚したのは、「悪い人じゃなかったから」
女房は今、僕のマネージャーをやっています。仕事に関して厳しいことを言われることもあって、多少ムカつく時もありますけど(笑)、よく考えると彼女の言うとおりだと思うことが多い。女房には素直に従います。前に所属していた事務所をやめる時、僕から頼んだんです、マネージャーになってくれ、と。いちばん信用できるのは女房なので、誰よりも信用できる人なので、頼んだんです。 明るいし純粋だし、前向きなんです、彼女は。僕はこう見えてウジウジ悩むほうだし、傷つきやすい。どう演じればいいんだろうって、いつも壁にぶつかっているので、彼女が明るく元気だと、すごく助かるんです。女房も、以前取材で「なんでこの人をだんなさんに?」っていう質問に「悪い人じゃなかったから」って答えていました。 結局、大事なのはそこじゃないかな。『いちばん信用できる』、『ダメなところがあっても悪い人じゃない』って、そういう根っこの部分の信用ですよね。その取っかかりさえあるのなら、交際期間が短かろうが長かろうが、大丈夫。僕はそう思います。
(プロフィール) えんどう・けんいち●1961年6 月28日生まれ、東京都出身。俳優、声優、ナレーター、脚本家。高校1 年で中退し演劇の道へ。22歳でドラマデビュー。2017年にはタレントCM起用社数ランキングで男性部門の1 位になるなど多方面で活躍中