【埼玉】草加せんべいが有名になったのはなぜ?【ご当地グルメ探偵M】
ライター
堀越 美香子
誰もが知っている有名なグルメでも、実は知らない雑学がいっぱいある。そんな“明日誰かに話したくなる”グルメのナゾを、独自に調査するのがこちらの連載【ご当地グルメ探偵M】!
今回は「草加せんべい」について。埼玉県の名物のひとつですが、“ご当地おせんべいといえば?”と聞かれたら、埼玉県民でなくとも草加せんべいを挙げる人が多い気がします。全国各地におせんべいはあるのに、なぜ草加せんべいは圧倒的な知名度を誇っているのか? 調査結果を報告します!
草加という土地が深く関係していた!
Q.「草加せんべい」が有名になったのはなぜ?
A.宿場町であったこと、天皇陛下に献上したことが大きなきっかけだと思われます。
草加せんべいが誕生した江戸時代、草加は日光街道沿いの日本橋から数えて2つ目の宿場町でした。当時の草加宿には旅籠や茶店が点在し、その茶店で余ったおだんごを捨てるのがもったいないと、潰して、干して、焼き上げた塩せんべいが始まりだそう。同時期に、東日本で最初の醤油が千葉県・野田で誕生しました。草加にいち早くその醤油が入ってきたため、従来の塩せんべいに醤油を塗ってみたところ、非常においしいと評判に。街道を行きかう旅人の口コミで、全国的に知られるようになりました。
大正時代になると、草加せんべいが天皇に献上されました。当時は天皇が現在のような“象徴”ではなく、神格化され崇められていた時代。神様が召し上がった庶民的で安価なおいしい食べ物として、全国に爆発的に広まったと思われます。
草加せんべいの他のせんべいとの違いは、圧倒的な表面のきれいさです。一般的には手焼きせんべいというとごつごつした印象がありますが、草加せんべいは表面がまっ平らなほどよいとされています。焼き上げる工程で生地から水分が出ていくときに生じる“ブク”と呼ばれる膨らみを、押し瓦という道具でしっかりと押さえ込んで堅焼きに仕上げていくというのが、草加せんべいの最大の特徴です。
あきたこまちで製造したせんべい生地を、一枚一枚コテで丁寧に抑えながら堅焼きに仕上げた逸品です。
教えてくれたのは……いけだ屋
『いけだ屋』の職人の間では「このせんべいは、肌(表面)がまっ平らできれいないいせんべいだ」という表現をするほど、せんべい表面の美しさを意識しながら製造しています。生地づくりから焼き上げまでの一貫製造をすべて自社で行い、品質とおいしさにとことんこだわっています。
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