『となりのトトロ』ガチ勢集まれー!
11月1日(火)から待望のオープンを果たす
『ジブリパーク』。第1期エリアとして開園する「ジブリの大倉庫」・「青春の丘」・「どんどこ森」のうち、本記事では、
『となりのトトロ』をメインモチーフにした「どんどこ森」をクローズアップ!
「どんどこ森」は、主人公姉妹ファミリーが住む一軒家と昭和の田園風景を驚くほど緻密に再現した「サツキとメイの家」と、大トトロの巨大な木製遊具が鎮座する「どんどこ堂」の2スポットを中心に構成されたエリア。ちなみに“どんどこ”とは、劇中でサツキ・メイ・トトロたちが、まいた種が芽吹くことを祈りながらにぎやかに踊りまくる“どんどこ踊り”にちなんで名づけられたそう。
「どんどこ森」へのアクセス方法:いざ“大さんぽ”へ!
「どんどこ森」は、愛・地球博記念公園内にある『ジブリパーク』第1期3エリアのなかでもいちばん奥にあります。
チケットは日時指定の予約制(購入方法など詳しくは別記事参照)です。
園内を周回するシャトルバスもありますが、せっかくなので、公園内を“大さんぽ”(by 宮崎吾朗『ジブリパーク』監督)しながら歩いて行くのがおすすめ! 愛・地球博記念公園エントランスからの所要時間は約20〜25分です。右手に広大な日本庭園を眺めつつ、緑のいい匂いをかぎながらてくてく歩くだけでリフレッシュできますよ。
「サツキとメイの家」と「どんどこ堂」、どちらから見てもかまいません。なお、どちらにもお手洗いがありませんので、「どんどこ森」に入る前のふもと(「どんどこ森」の入口に位置する瓦屋根が目印の休憩所「どんどこ処」近辺)で必ずお手洗いを済ませておきましょう。途中退場すると再入場できないのでご注意を!
「サツキとメイの家」の歩き方
「サツキとメイの家」は、『となりのトトロ』の主人公・草壁サツキ&メイ姉妹が暮らす民家を再現した展示。2005年に開催された愛・地球博(愛知万博)のパビリオンとして建てられたものをリニューアルして公開します。ランドスケープアーキテクトとしても活動する宮崎吾朗『ジブリパーク』監督が自ら制作総指揮を取り、『となりのトトロ』の設定に合わせ、昭和10年代や昭和30年代の建築様式を取り入れ、約1年半をかけて“本物の家”を造ったそう。
「ジブリの大倉庫」内で開催中の企画展「食べるを描く。」増補改訂版内でも、草壁家の台所が再現されています。劇中のシーンや、パネル展示されていた草壁家の間取り図を思い出しながら探検すると、より楽しめるかも! ©️1988 Studio Ghibli
表玄関からお邪魔します。
「サツキとメイの家」は、瓦屋根の平家に、赤い屋根とステンドグラスがおしゃれな洋風の木造2階建ての家を増築したような独特のスタイルです。表玄関は正面から見て左手にあります。靴を脱いで「お邪魔しまーす!」
お父さんの書斎をのぞきます。
廊下を右に曲がってすぐ、右手(洋風建築部分)に、サツキとメイのお父さん・草壁タツオの書斎である洋室があります。タツオは考古学者で大学の講師をしているので、本棚も床も資料や関連書籍でビッチビチに埋め尽くされています。積み上げられた本の上には、貝殻の標本や、本物と思しき化石(?)のような石ころが無造作に転がっていたり。やや古びた木製のデスクにかじりついて論文執筆や翻訳作業に勤しむタツオの姿が目に浮かぶようです。きっと疲れたら、籐椅子にグッと背を預けてひと息つくんでしょうね。お部屋の中に入ることはできませんが、最低限の生活導線は確保されているもよう。
居間でサツキの宿題を手伝います。
手前に居間、奥に床の間があり、二間続いています。居間の隅っこには、サツキの勉強机があり、やりかけの宿題ノートと教科書が開きっぱなしになっています。サツキはちゃんと宿題を終えてから遊びに行くタイプでしたっけ……!? 目の前の縁側からは日本庭園を一望することができます。風通しがよく、夏はエアコンがなくても涼しく過ごせそうですが、冬はちょっと寒いかもしれません。これからの季節、「どんどこ森」を探索する時は暖かい服装でお出かけするのが正解かも。
床の間の押し入れや引き出しやたんすを捜索します。
「サツキとメイの家」最大のお楽しみは、押入れやたんす、引き出しなどを自由に開け閉めして中をのぞけることです。床の間の押入れには、ふとんがきれいにたたんで収納されていました。夜ふとんを敷く係、朝たたんでしまう係、天気がよい日は干す係など、日々の家事を手分けして生活する草壁家のメンバー……川の字になって眠るんでしょうか。
圧巻は洋服だんす。扉を開けると、昭和の時代に衣類の防虫剤としてメジャーだった樟脳の匂いがツンと鼻腔を刺激します。姉から妹へ大切に読み継がれるであろう絵本や童話の紙の匂いやおしろいの匂いなど、視覚だけでなく、嗅覚や触覚まで懐かしい感覚で満たそうとしてくる宮崎吾朗『ジブリパーク』監督の情熱的なアプローチに、思わず感服してしまいます。
茶の間に呼ばれます。
居間から奥に進むと茶の間があり、古くて小さいながらピカピカに磨かれたちゃぶ台が鎮座しています。こちらの縁側からは、井戸や物干し竿がある中庭を臨めます。
和だんすの引き出しには、サツキとメイの浴衣や下着が収納されています。向かいの食器棚の引き出しには、薬や生活用品の数々が。壁にかかったラックには、タツオ宛の絵はがきや手紙が入っています。
台所を手伝います。
手伝えることがないか、台所をのぞきます。タイル張りの流し台やかまど、木製の作業台などが並んでいます。サツキが薪をくべながらいつも上手に火を起こしているかまどのふたが、煤で真っ黒になっていて、ススワタリ(まっくろくろすけ)がコロコロ出てきそうです。引っかけてあるふきんのこけし柄まで愛おしくなってきました。
流し台についているレバーを上げ下げすると、漉しふきんを取りつけた蛇口から本当に水が出てきます! 背面の戸棚には、おみそや梅干し・らっきょう漬けなどの保存食や調味料が瓶に入ってきれいに収められています。
お風呂をのぞかせてもらいます。
台所がある土間と並んでお風呂があります。引っ越してきたばかりで強風に見舞われ、ガタガタ震える新居に怯えるサツキとメイを元気づけようと、タツオがお風呂を沸かして3人でザッパーンと入浴する名シーンを思い起こさせる五右衛門風呂。右の大きな釜は入浴用、左の小さな釜はかけ湯用で、大きな釜の下で火をたいてお湯を温めるのだそうな。水色と白のタイル張りが可愛らしいですよね。台所との仕切り壁の上にちょこんと置かれた牛乳石鹸(ロゴが昭和仕様!)は、台所とお風呂兼用で大切に使うのでしょうか。
2階への階段が隠された扉を探してみます。
ちなみに家の中には、2階へ上る階段へと続く隠し扉もありますので探してみて。まっくろくろすけたちがコロコロ落っこちてくるかもしれません。
家の周辺をぐるっと回ってみます。
表玄関からおいとまして、洋室の前をぐるりと周回しながら奥に回ると、井戸・物干し竿・自転車がある中庭が現れます。茶の間から垣間見えたスペースです。タライを設置した井戸からも水が出せます。洗濯板もありますので、今すぐ昭和式ゴシゴシ洗濯大会が始められますよ。なぜか、底の抜けたブリキのバケツまで大切にキープしてあります。
茶の間からせり出した縁側の上がり石には、サツキとメイが愛用している赤い鼻緒の下駄が仲よく並んでいます。縁の下にはジョウロやバケツ、ままごと用(?)の茶器セットが収納されています。作り込みの気合がすさまじすぎて震えます。ぜひ多くの人に隅々まで観察していただきたいです。
外観をバックに記念撮影します。
「サツキとメイの家」の全景をバックに記念撮影がしたい方は、手前にある池に浮かぶ小さな島まで下りると、上手に撮影できると思います。公園の豊かな緑と、赤い屋根とのコントラストが美しいですね。これから晩秋〜冬〜早春と、移ろう季節の中でどんなふうに表情を変えていくのでしょうか。
「どんどこ堂」の歩き方
「サツキとメイの家」を出てすぐ右手に、家の裏山の頂上へと続く階段があるので登ってみましょう。いたるところにどんぐりやくぬぎの実が積み上げられているのは、中トトロや小トトロたちの仕業でしょうか?
“ど・ん・ど・こ・森”と書かれた木製のアーチをくぐった先に、笠をかぶってにんまり笑いながら今にも飛び立とうとするポーズをとっている大トトロが見えてきました!
大トトロにお参りします。
「どんどこ堂」にデーーーンと鎮座する高さ約5mもの巨大トトロは、実は木製遊具。12歳(小学校6年生)以下の子どもたちだけが、下のはしごを登って中に入り、遊ぶことができます。
愛知県産の杉やひのきを使って組み立て、漆喰で固めて造ってあるそう。エディター沖島も内覧会で特別に中だけのぞかせてもらいましたが、トトロのおなかの中はひのきのいい香りとぬくもりで満ちた素敵な空間でした♡。ぜひたくさんのお子さまにトトロと一緒に遊んでいただきたいです。
「どんどこ売店」を物色します。
大トトロのオブジェを見守るように横にたたずむ「どんどこ売店」では、コンパクトながらさまざまな
オリジナルグッズを販売(詳しくは別記事で解説)しています。ぜひお参りの記念にどうぞ。
スロープカーに乗って山を下ります。
「どんどこ森」の山頂とふもとをつなぐスロープカー「どんどこ号」に乗って下山します。ベビーカーや車椅子の方、体の不自由な方が優先なので、譲り合って利用しましょう(遊ぶための乗り物ではありません)。
宮崎吾朗『ジブリパーク』監督直筆“大さんぽのしおり”を活用して!
以上、「どんどこ森」を大さんぽしてみました。「どんどこ森」周辺は散策路が整備されており、入園チケットを持っていなくても公園の豊かな自然を満喫できる絶好のお散歩ルートになっています。
また、開園に先立ち、宮崎吾朗『ジブリパーク』監督による『ジブリパーク』ガイド“大さんぽのしおり”も公開されています。園内マップ、おすすめの服装、園内の移動の仕方、アクセス方法などが分かりやすく明記されています。くみとなまえを明記できるほか、A4サイズでプリントアウトして4つ折りにして持ち歩けるしおりです。ぜひ活用してみてくださいね。
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写真協力/©️Studio Ghibli 取材・文/沖島麻美 ※掲載されている情報は2022年10月26日時点でのもので、個人の見解も含まれます。最新の情報は公式サイトにてご確認ください。