芥川賞受賞作家・金原ひとみ最新作ほか、“幸せ”について考えたくなる本3冊
最近発売された本の中から、おすすめを厳選して紹介!
最近発売された話題の本から、3冊のおすすめをご紹介します。
『人を幸せにする写真 幸せになれるかもしれないと思ったあの日のこと』ハービー・山口
本書は人生を写真に救われてカメラマンになった著者が、自分のスタイルに自信と誇りを持って写真を撮り続けていくことへの思いをつづったフォトエッセイ。「この分野なら一滴でも多くの汗を流せると思えるものが見つかったら、それを決して捨てずに自分のペースで続けること」の大切さ、尊さを、著者が諭してくれる。(トゥーヴァージンズ ¥1760)
『子宮内膜症で痛すぎてセックスも満足にできない女子が、毎日闘いながら生きていく話 愛と欲望とヴァギナ・プロブレム』〈著〉ララ・パーカー 〈訳〉森 優里
「子宮内膜症」。その病名を知ってはいても、どんな症状を伴う病気なのか、具体的に想像できる人は多くはないだろう。なぜなら、その痛みについて、声を上げる人たちが少ないから。本書には、その痛みを抱えながら苦しみ、乗り越えてきた女性の生の叫びが詰まっている。他人ごとではない、“私たち”の体のことを知るきっかけにしてほしい。(DU BOOKS ¥2420)
『ミーツ・ザ・ワールド』金原ひとみ
「幸せ」ってひと言で片づけてしまうけれど、いったいどんなものだろう? そのカタチはさまざまで、正解も不正解もない。恋愛に限らず、人との関係の築き方も、距離の取り方だってそれぞれでいい。「腐女子」と「キャバ嬢」という、一見すると正反対のふたりの出会いが、物語を通して私たちを「こういなければならない」の呪縛から解放してくれる。(集英社 ¥1650)
原文/千吉良美樹