kemioさんに聞く、ハッピーに生き抜くためのセルフケアのハナシ。

kemioさん
唯一無二のワードセンスで放たれる、深くておもしろいトークで元気と救いを与えてくれるkemioさん。この世界でハッピーに生きるためのメンタルの保ち方についてシェアしてくれました!

2022年MORE8月号掲載企画から、インタビュー記事をお届けします。
シャツ¥30000/ヴィヴィアン・ウエストウッド インフォメーション(Vivienne Westwood MAN) パンツ¥28600・靴¥44000/ヒステリックグラマー その他/スタイリスト私物

Profile

けみお●1995年10月16日生まれ。高校時代に動画アプリ『Vine』での投稿動画をきっかけに支持を集め、現在はYouTube、Instagram、Twitterなどで発信するクリエーター。2016年に拠点をアメリカへ移し、現在はニューヨーク在住

誰も友達がいなかったアメリカで“ひとり時間”の大事さを知った

kemioさん
アメリカに住んでみて、生き方のちょうどいいバランスをつかんだ
私だけの経験が、私だけのヘルシーな生き方をつくってくれる

みなさま、こんにちはkemioでーす。私はただ今26歳。20代前半の頃は“私にはむかってくるヤツは全員スワイプして消す”とか“自分貫いて頑張るしかない”みたいに、とにかく勢い最優先で突っ走ってたんです。でも数年たって、その間にコロナ禍っていうもう自分の努力ではどうすることもできない事態も迎えて、自分自身をいろんな角度から見つめるようになった。その結果、前より少しおおらかになって、“心地よく人生スローダウンして生きてければいいじゃん”っていう“メンタルがヘルシー”なNEW kemioになれた気がします。とはいえ“メンタルがヘルシーな状態ってどない?”と聞かれても、定義は正直よくわからない。私自身のことでいうと、ボーッとしてる時間とせかせか忙しくしてる時間がいい具合にバランスをとれてるのがヘルシーなのかなって思っています。おうちでひとりでぼんやり過ごす時間が私には絶対に必要で、そういう時はYouTubeで誰かが40分間散歩してるだけの動画とかを流しながらボーッとしてる。この時間の大切さに気づいたのは、アメリカに引っ越してから。家族も友達もいない場所で、結果的にひとりの時間が増えたんですけど。今までの人生であんなにひとりきりで過ごすのは初めてだったので、じっくり考えごとをして自分にたくさん“知恵袋”して、自分のことを知れるいい機会になった。その時に“あ、この時間って超大切”って気づいたんです。

人間誰しも、“悩まないで生きていく”って絶対ムリ。私もいろんなことで悩んでます。でも自分の場合、モヤモヤしてもあんまり引きずらないんです。10代後半ぐらいの時、その日の出来事や悩みをノートに全部書いてたことがあって。でも、数カ月後に見返したら“こんなことで悩んでたんだw”とか“今は全然違うことで悩んでる”ってことが発覚。それ以来、だいたいのことは“どうにかなる”って思えるように。「あいつ許さん!」って思っててもジム行ってスッキリした途端「OK許す!」ってハッピーになっちゃう、そんな自分の性格に気づくのも、ヘルシーメンタルでいるためのセルフケアとして大事だったのかも。ちなみに今はノートは一切書いてない。理由は……面倒くさくなったから、それだけ。人生一生三日坊主で反省空間です(笑)。

究極、ウチらのメンタルをヘルシーにしてくれるのは、“経験”かもしれない。私も10代、20代前半といろんなことを経験して、悩んで。壁にぶつかりながらも、自分の目標を達成してきたからこそ、“まぁ大丈夫でしょ”って思える力がついた気がする。みなさまもそうじゃないですか? だから、これからたくさんの出来事や感情を味わって、30代を迎えるウチらは立ち直る力がどんどん強くなっていくはず。ちな、この立ち直る力のこと“レジリエンス”って言うんだって。私は今日、初知りだったんですけど、読者のみなさまはご存じでした?(笑)。

kemioくん、ウチらの悩み聞いて! 迷える20代女子の相談にアンサー。

悩み①「親友が先日結婚しました。もちろんうれしいのですが、夫一筋になってしまい、遊びの誘いもたびたび断られて……。今後も仲よくできますか?」(えり・27歳)

kemioさん
わかるの。私も最近、友達の結婚については考えてます。ライフステージが変わると優先順位も変わるし、もし子供が生まれたらさらに遊ぶ時間は限られちゃうだろうし……。そういうことを想像すると、やっぱり寂しくなる。でもね、ドライな人って思われるかもだけど、“それが人生”なんだと思います! 相手の人生は相手のもの。だからこそ、限られた中でも会えるタイミングを大事にしていくしかない。そうやって流れに任せてるうちに、また友情が深まる瞬間がくるかもって私は信じてる!

悩み②「イヤミや悪口を言ってくる職場の先輩とうまくつきあえず、落ち込んでしまいます……」(れい・27歳)

kemioさん
自分だったらどうするかを考えてみたんだけど。私、基本的にそういう人の話を聞き流します! 自分の直感をめっちゃ信じてるから、何か不愉快な言葉を投げられても「へぇ〜そうなんですねぇ」って言いながら、全然聞いてない。ってか、「へぇ〜そうなんですねぇ」って超便利です! 勇気があったら「ネガティブな話はやめてください」って返すのも素敵だけど、そこにウチらの時間とエネルギーを使うの、もったいなくね? 意地悪な人は勝手に去ってくから、安心して聞き流していきましょ! そういうネガティブな空気を吸い込んではダメよ! 今すぐ! 走って! 急いで! 逃げましょう。どうか落ち込まないでね……。

悩み③「30歳が近づくにつれ、好きだったハデな服が着られなくなり寂しいです(涙)」(とと・26歳)

kemioさん
えぇ〜そんな(涙)! なんかウチらって生き急ぎすぎてません? って感じる時があります。20代後半になった途端に「老けた」って言われたり、会社でも急に先輩扱いされたり。それで30歳になったら「もう30なんだから」とか言われて……人生って秒すぎ。マジで昨日生まれたのに。でもよくよく考えると、80歳まで生きるとしたら30歳ってまだ人生の半分にもきてないの。20代で人生の全盛期迎えるわけなくない? って私は思っているので、ハデな服も着たいなら着ちゃいましょ! そもそも年齢で着るべき服が決まっているような風潮自体が間違ってる気がするの。自分が着たいか、着たくないか。そのシンプルな二択で考えればOK! 文句言ってくる人がいたらスワイプして消してね!

悩み④「ダイエットを頑張りたいけど、食事制限はストレスがたまって続きません!」(Chihiro・29歳)

kemioさん

わかるの……長期戦の食事制限は、私も余裕でムリ。絶対続かない〜。だから食生活を変えるダイエットは短期戦と決めてます。1週間、2週間とか本当に短期間。自分で決めたその期間だけはきちんとストイックにやって乗りきる。あとね、運動をすると代謝が上がって、食べても太りづらくなるって誰かが言ってて信じてみたの。だからこそ運動って一生続けなくちゃいけないらしいんだけど……まじ先長すぎ。運動も食事制限も、長期戦で考えてくと気が遠くなってモチベ下がるから、“今だけに短期集中”がおすすめです!
Tシャツ¥12100/マーク ジェイコブス カスタマーセンター(HEAVEN) パンツ¥93500/ディーゼル ジャパン (DIESEL) 靴¥22000/ヒステリックグラマー アクセサリー/本人私物

『ウチらメンタル衛生きちんと守ってかないと普通に土還りそう』

『ウチらメンタル衛生きちんと守ってかないと普通に土還りそう』
2019年に発売されて15万部のベストセラーとなった初の著書『ウチら棺桶まで永遠のランウェイ』から丸3年を経ての完全新作エッセイ。現代社会でうまく呼吸していくためのkemioさんならではの“セルフケア”哲学にしびれる! 
(KADOKAWA ¥1430)
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撮影/坂田帆海(TRON) ヘア&メイク/いたつ スタイリスト/西村哲也 取材・原文/上村祐子 構成・企画/西脇素子(MORE)