2022年MORE10月号掲載企画から、インタビュー記事をお届けします。
森七菜 MORE10月号掲載企画インタビュー
もり・なな●2001年8月31日生まれ、大分県出身。2017年に女優デビュー。2019年、映画『天気の子』でヒロインの声を務め注目を集める。2020年、映画『ラストレター』に出演。同作の主題歌で歌手デビュー。Netflixドラマ『舞妓さんちのまかないさん』(2022年)が配信予定
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自分の歌声が世の中に広まるのを実感した時、今までなかった欲が生まれた

2020年に岩井俊二監督と音楽プロデューサー・小林武史氏が手がけた、『カエルノウタ』で歌手デビューした、森七菜さん。この約2年半の活動の集大成となる1stフルアルバム『アルバム』を、21歳の誕生日である8月31日に発売。

森 七菜さん「これまでに発表した個性豊かな楽曲を、いろんな想い出が詰まったフォトアルバムをめくるように聴いてほしいという想いから、『アルバム』と名づけました。いちばん記憶に残っている楽曲は、やっぱり岩井さんと小林さんにつくっていただいたデビュー曲『カエルノウタ』。実は私、幼い時から人前で歌うことが苦手だったんです……。だから最初に歌手デビューのお話をいただいた時は、とても不安でした。でも、おふたりが楽曲提供してくださるという願ってもない機会に背中を押されて、歌うことを決心したんです。この曲のレコーディングの時に、小林さんが、『少年のような声でもあり、ガラスがコロコロと鳴っているような声だね』と、私の声をほめてくださって。その言葉は、歌手活動への自信につながったので、忘れられないです」

思いがけず始まった歌手活動。転機となったのは、ホフディランの名曲『スマイル』のカバーだという。

森 七菜さん「年代を問わず多くの方に聴いていただけたことがうれしくて、音楽活動を続けていきたいと強く思うようになりました。この頃から、『こんな曲を歌いたい』、『この方に曲をつくってもらいたい』と、自分の意見も積極的に言うようになって。たとえば、Ayaseさんにつくっていただいた『深海』は、私の胸の内をお伝えして形にしていただきました。ちなみに、この曲はリズムを取るのがすごく難しくて、歌うのに苦戦した想い出が。あらためて、ikuraさんのすごさを実感した瞬間でもありました」
ポップな曲からスローナンバーまで。あらゆる音楽に向きあった、約2年半の音楽活動を振り返り、森さんは自身に起きた変化を明かす。

森 七菜さん「歌うようになってから、声が大きくなったんです(笑)。発声が大事な俳優業にもいい影響を与えてくれている気がします。あと、音楽の聴き方もガラッと変化して、歌い方を勉強しながら聴くようになりました」

最後に、読者におすすめの曲は?

森 七菜さん「恋をしている時は、『君の彼女』と『Lovlog』を。悩んでいる時は、『bye‐bye myself』や『かたつむり』がおすすめ。『かたつむり』には、“あなたの心のありかはどこ?”と問う歌詞があるのですが、モヤモヤした時にそのフレーズを聴くと視界が開けるかもしれないです!」

『アルバム』

森七菜のアルバム『アルバム』初回生産限定盤 ジャケ写
2020年の歌手デビュー後、初となるアルバムをリリース。岩井俊二、小林武史、Ayase、新海誠、森山直太朗、佐藤千亜妃、kiki vivi lily、オカモトコウキなど、豪華アーティスト陣が手がけた、バラエティに富む全10曲。●8/31発売 通常盤¥3300(ソニー・ミュージックレーベルズ)
※写真は初回生産限定盤
撮影/山根悠太郎(TRON) ヘア&メイク/足立真利子 スタイリスト/甲斐修平 取材・原文/海渡理恵