恋に仕事……、女子の悩みは酸いも甘いもかみ分けた男に聞け! 横山剣さんの2回目は、女子特有(?)こんなお悩み。

▶▶▶【Mr.ダンディお悩み相談室『俺の人生論』】 横山剣さん、第1回目はこちらから。

【今回のお悩み】月に1度の女子会。リア充自慢の会話についていけません

月1で女子会をしていますが、彼が高価なプレゼントをくれた、海外旅行に行った、芸人さんと合コンしたなどなど、自慢ばかり。「うらやましい」と口では言いつつ、正直、くだらないと思ってしまいます。ほかに友達がいないので、うまくつきあっていきたいのですが……。(28歳・メーカー)
横山剣さん、「幸せになるコツは、人のせいの画像_1

幸せになるコツは、人のせいにしないこと

最近、加山雄三さんにお目にかかって、幸せになる方法を教えてもらいました。それは「人のせいにしない」っていうこと。加山さんは人生でいろんなことが次々起こって、それを全部乗り越えて今もカッコいい人ですから、言葉に重みがあります。81歳の今もポジティブでいられるのは、他人のせいにしないで、自分で全部引き受けて生きているからなのでしょう。

ピンチになるとどうでもよくなる

この人は「友達がくだらないこと言うからイライラする」って言うけど、本当にそうなのかな? 人間、うまくいかない時、他人のせいにするのは楽だし簡単でしょ。でもそれだと、いつまでたっても根本的に解決しない。その状況は自分のせいかもしれないと考えて、まず自分を変えてみたらどうだろう。

たとえば僕なら、何かイヤなことがあると、ひとりで旅に出ようって思います。日常から離れるとそれだけで、悩みなんてどうでもよくなる。飛行機に乗って上空から横浜港あたりを見下ろすと、悩んでいた自分なんて豆粒なんだなって、よくわかるから。

韓国の知らない小さな街に行った時には、言葉は通じないし誰も助けてくれないし。そうなると逆におもしろくなっちゃって、大胆になれました。日本だとひとりでレストランに入れないのに、向こうでは平気でおひとりさまをやっていた。いつもと違う自分になっていたね。

そういう緊急事態、ピンチになると、悩んでるどころじゃないし、人をうらやんでいるどころじゃない。他人のことなんか、どうでもよくなりますよ。

旅に出られない時はバイクで飛ばすとか車で走るとか本を読むとか。みんなも視野を広くして、リアルにいろいろ体験してみたらいいと思う。自分を異次元に飛ばすような、価値観を変えてくれるような、夢中になれることがひとつあれば、いいよね。それに没頭してしまえば、忙しくなって“無”になれるから。友達が何を言おうが、ちまちま可愛いこと言ってるなって、許せるようになるから。

自分に厳しく、他人に優しくなれたら、いいね!

それにこの人だって、気がつかないうちに自慢してるのかもしれない。本人にそんなつもりはなくても、相手にはそれが自慢話に聞こえてしまう可能性もある。だからいつも、自分に厳しく、他人に優しくいられたらいいな、と思います。

男だと自分のダメなところを並べるダメ自慢もある。そうすると意外とうまくいくもんです。僕も道を間違えて羽田に行くはずが川崎に行っちゃったとか、高い買物をして失敗したとか、そういうネタが人生にいっぱいあります。そうやってバランスとるのもいいんじゃないかな。

でもまあ若いうちは、なかなか自分の弱みを見せることができないのかもしれない。そういうトゲトゲした自分を、何かのタイミングで自覚して、だんだん大人になっていけばいい。

そして最後に、大事なことをひとつ。自分を好きになること、です。自分が大好きな人は、見ていて痛くないし、他人に何か言ってもイヤミな圧がない。自分を好きになれるようにいっぱい失敗して、傷ついて、そうするうちに、いい女になれるから。僕だって、加山さんと比べたらまだまだチンピラ。カッコいい80代目指して、頑張ります!


よこやま・けん●1960年生まれ、神奈川県出身。1997年に「クレイジーケンバンド」を発足。リーダーとして数々の名曲を生み出し、幅広い年代のファンを持つ。今年デビュー20周年を記念して発売されたアルバム最新作も話題に

---------------------
MORE2018年11月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック!
取材・原文/岡本麻佑 撮影/三浦太輔(go relax E more)
---------------------

▶▶▶ 関連記事/「俺の人生論」のまとめ、はこちらから!