選手のがんばる姿からパワーをもらったり、襷(たすき)の重みに涙したり。多くのドラマが生まれる「箱根駅伝」。2019年1月2日(往路)、3日(復路)に行われる第95回箱根駅伝の見どころをチェックして、新しい年をスタートしよう。
箱根駅伝 
箱根駅伝とは?
1920年に「世界に通用する長距離ランナーを育成したい」との思いから誕生した、学生長距離界最長の駅伝競走。東京・大手町の読売新聞社前から箱根・芦ノ湖間を往路5 区間(107.5km)、復路5 区間(109.6km)の合計10区間(217.1km)で競う。

知っておくべき注目区間とルール

スポーツ観戦でいちばん悲しいのは決定的な瞬間を見逃すこと。だから勝負が動きやすい区間を覚えておくのが◎。特に各校のエースが集う“花の2 区”や、箱根の山を走る5 区・6 区は要チェック。新しい“山の神”が誕生するなど、予想を超えるドラマが観られるかも!? 

トップ走者から一定時間引き離された場合、前区間の走者を待たずにスタートする「繰り上げスタート」も重要。なんと、今大会から往路の平塚・小田原中継所でその時間が20分から15分に短縮されることに。さらに通年より2チーム多い23チームが出走する記念大会のため、大切な襷をつなごうとする選手たちの覚悟の走りが観られそう。ゴール直前まで気が抜けないシード権争いにも注目を。

必ず押さえておきたい有力校&注目選手!

箱根駅伝 青山学院大学 東洋大学 早稲田大学 
注目するべき大学や選手を事前に知っておくことで、ぐっとおもしろさが増す箱根駅伝。まずは、前回大会の上位校をチェックするのがおすすめ。

4連覇を成し遂げた青山学院大学は、今大会でも優勝を狙える戦力を備えている最有力校。これまで駅伝でミスをしたことがない主将でエースの森田歩希選手をはじめ、前回大会の優勝メンバーが7人残っていることも強み。特に竹石尚人選手(3年)と小野田勇次選手(4年)という、箱根駅伝の中でも特殊な5区・6区の経験者がいることは、他大学にとって大きなプレッシャーになるはず。史上3校目の5連覇を達成できるかに注目を!

打倒・青山学院大学に燃えるのが、前回2 位の東洋大学。学生長距離界でトップレベルの山本修二選手(4年)、相澤晃選手(3年)、西山和弥選手(2年)が三本柱に。前回3位の早稲田大学は強い世代の選手が多数卒業したものの、永山博基選手(4年)、太田智樹選手(3年)、清水歓太選手(4年)らがキーマンになりそう。
箱根駅伝 東海大学 城西大学 山梨学院大学 順天堂大学
そしてトップ3に割り込む可能性があるのが、館澤亨次選手、關颯人選手、鬼塚翔太選手、阪口竜平選手という強い3年生を抱える東海大学。短い距離で圧倒的な強さを誇る彼らが、距離の長い箱根駅伝に対応できるかがポイントに。坂東悠汰選手(4年)を擁する法政大学や、西嶋雄伸選手(3年)を擁する城西大学など、前回大会で5〜10位に入った大学も、戦力が拮抗しているため次回のシード権争いが熾烈になる可能性大。こちらもぜひ注目を。

3000m障害でリオ五輪に出場した今大会唯一のオリンピアンである順天堂大学の塩尻和也選手(4年)や、駒澤大学エースの片西景選手(4年)、山梨学院大学の留学生ランナーで2区の区間新記録を狙うドミニク・ニャイロ選手(4年)など、予選会突破組もタレント揃いです。もちろん、出身地や出身校が同じ選手を見つけるのもアリ。自分だけのお気に入りの大学や選手を見つけてみて!
日本テレビ箱根駅伝番組公式サイト

テレビ観戦がもっと楽しく! 「箱根駅伝」全10区、見どころタイムテーブル

2日間で約11時間にもおよぶ選手たちの白熱のドラマを見逃さないよう、全区間のポイントと通過予想時間をチェックしよう!
  • 【往路】1月2日(水)8:00 大手町・読売新聞社前からSTART! 1区(21.3㎞)
    レースの流れを大きく左右する
    その後のレースの流れを左右する重要な区間のため、1区の出遅れは致命的。比較的平坦なコースが続き、序盤から各校の緊張感溢れる駆け引きが展開される。前半の八ツ山橋の上り坂や、17km過ぎの六郷橋を渡り終えた下り坂あたりでスパート合戦が繰り広げられるので、要チェック。
  • 【往路】9:02頃 鶴見中継所
    2区(23.1㎞)
    “花の2区”をスター選手たちが激走!
    各校のエースが集結する“花の2区”。距離が長いうえに高低差が40mもある13km付近の権太坂、ラスト3kmの連続するアップダウンが勝負のポイントに。駅伝の醍醐味“ごぼう抜き”が観られる可能性があるのもこの区間。第85回大会には、日本大学のダニエル選手が20人抜きを達成した。
  • 【往路】10:09頃 戸塚中継所
    3区(21.4㎞)
    10区間の中で抜群のロケーション
    前半は遊行寺坂など下り坂が続く。海岸沿いの平坦な道に出ると、正面に富士山、左側に相模湾を望む箱根駅伝随一の絶景コースに突入。ただし疲れが出てくる湘南大橋付近で海からの強い向かい風の影響を受けやすい。かつてはつなぎ区間ともいわれたが現在は実力のあるランナーが集う。
  • 【往路】11:11頃 平塚中継所
    4区(20.9㎞)
    5区への流れをつくれるかが鍵に
    第93回大会から距離が18.5kmから20.9kmに延長された。比較的平坦なコースで、後半に入ると細かなアップダウンが続く。15km過ぎには勝負のポイントとなる酒匂橋が待ち受ける。山上りの5区に向け、流れをつくれるかがポイントに。箱根の山に近づくにつれて急激に気温が下がることも。
  • 【往路】12:13頃 小田原中継所
    5区(20.8㎞)
    新たな“山の神”の誕生が観られるかも
    4区が延長された分、こちらは第93回大会に23.2kmから20.8kmに距離が短縮された。とはいえ過酷な特殊区間であることは変わりなく、高低差約864mを一気に駆け上がることができる山上りに特化した選手が投入される。残り4kmからの山下りで、うまく走りを切り替えられるかも重要に。

    13:31頃【往路 GOAL!】箱根・芦ノ湖駐車場入口
  • 【復路】1月3日(木)8:00 箱根・芦ノ湖駐車場入口からSTART! 6区(20.8㎞)
    猛スピードで山を下る特殊区間
    復路のスタート区間。芦ノ湖を出発して最初の4kmを上ると、あとは一気に山下り。朝8時にスタートするため、道路が凍結していて転倒のリスクも。時速約25kmの速さで走るスピードは見応えがあるけれど、下りが終わってからの約3kmは、平坦な道なのに上り坂のように苦しく感じる選手も。
  • 【復路】8:58頃 小田原中継所
    7区(21.3㎞)
    激しい気温の変化に対応できるか
    前半はほぼ平坦で、10区間の中では比較的走りやすいコース。スタート地点の小田原は山に囲まれていて冷え込むものの、平塚へ到着する頃には太陽が高くなり気温が急激に上昇する。前回大会では箱根駅伝デビューとなった青山学院大学の林奎介選手(4年)が、区間新記録の快走を見せた。
  • 【復路】10:00頃 平塚中継所
    8区(21.4㎞)
    強い日差しや追い風がスタミナを奪う
    レースも終盤にさしかかり、優勝やシード権争いがしだいに熱を帯びてくる区間。スタートから平坦なコースが続くものの、後方からの強い日差しや追い風が選手のスタミナをじわじわと奪う。残り6km付近にある遊行寺の急な上り坂が最大の難所。力のあるランナーを投入する大学が多い。
  • 【復路】11:04頃 戸塚中継所
    9区(23.1㎞)
    繰り上げスタートによるドラマも生まれる
    復路のエース区間といわれ、スタート直後の下り坂と、7km過ぎの権太坂が勝負を決めるターニングポイントに。ペース配分をして力を温存するか、勝負を仕掛けてハイペースでいくか、選手の冷静な判断が必要とされる。襷がつなげられず、無念の繰り上げスタートになる大学も出てくる。
  • 【復路】12:14頃 鶴見中継所
    10区(23.0㎞)
    沿道からの大声援が選手のパワーに
    全体的にフラットなコースではあるものの、選手は上昇する気温や突然吹くビル風に苦しめられる。優勝争いやシード権争いも最終局面に入り、アンカーの重圧などから思わぬアクシデントや逆転劇が起きることも。沿道からの声援を受けながら日本橋を抜け、仲間が待つフィニッシュへ。

    13:25頃【復路GOAL!】大手町・読売新聞社前

「箱根駅伝」は、テレビ観戦で盛り上がろう!

サッポロビール新春スポーツスペシャル『第95回 東京箱根間往復大学駅伝競走』日本テレビ)
■往路 1月2日(水)7:00~14:05(7:50~全国ネット)
■復路 1月3日(木)7:00~14:18(7:50~全国ネット)

『箱根駅伝 絆の物語』12月22日(土)16:00~16:55(日本テレビ)
4夜連続事前番組『夜な夜な箱根駅伝』12月24日(月)~27日(木)24:54~25:04(日本テレビ)
『箱根駅伝 区間エントリー徹底分析SP』12月30日(日)24:25~24:55(日本テレビ)
『箱根駅伝 絆の物語&スタート直前生情報』1月2日(水) 5:50~ 6:45(日本テレビ)
『箱根駅伝 往路ダイジェスト&復路直前生情報』1月3日(木) 5:50~ 6:45(日本テレビ)
『続報!箱根駅伝』1月3日(木)14:18~15:00(日本テレビ)
『もうひとつの箱根駅伝』1月6日(日)16:00~17:00(日本テレビ)
※番組名、放送時間は予定です
※番組は地域によって、放送日、放送時間が異なる場合、または放送していない地域がございます

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※デザインは一部変更になる場合があります。
日本テレビ箱根駅伝番組公式サイト
取材・文/松山 梢 イラスト/進藤やす子 写真提供/月刊陸上競技