【小松菜奈さんインタビュー】「本当のお気に入りはこっそりためているんです」

怒鳴られるのも幸せ。可能性にかけてくれてるって思えるから。

小松菜奈
質問を投げかけられるたび、目を伏せて少し考え込んでから、まっすぐにこちらを見て答える。インタビューを始めてすぐに、礼儀正しくて真面目な人柄が伝わってきた。それは、中島哲也監督がメガホンをとった最新映画『来る』で演じた〝霊媒師の血をひくキャバ嬢〟という難役との向きあい方にも表れている。

「中島監督とのお仕事は映画『渇き。』以来4年ぶり。現場に入るまでは正直、監督に〝成長したな〟って思ってもらいたい自分がいたんです。でも、いざ撮影が始まってからは、ただただ比嘉真琴という女の子に集中していました。監督から求められることも多くて〝そんな芝居、ここではすんな!〟って常に怒鳴られてましたけどね(笑)。だけど、私はそうやって言ってもらえることがすごく幸せで。まだできるっていう可能性にかけてくれているんだなって感じて、うれしかったです」

一見幸せそうな夫婦が実はそうではなかったり、周囲との関係が良好だと思っていたのは自分だけだったり。「最恐エンターテインメント」と銘打たれた本作では、お化けよりも恐ろしい人間の心の闇が描き出される。撮影現場にもさぞかし緊張感が漂っていたのではと思いきや、共演の岡田准一さんや松たか子さんとの時間を「作品の雰囲気とは全然違いました」と振り返ってくれた。

「岡田さんは武士とかしんのある男性の役を演じられることが多いので、寡黙な方なのかなって思っていたんです。でもお会いしたら、お話好きで、しゃべり方がやわらかくて、現場での佇まいもすごく素敵な方でした。健康に関する知識が豊富な方で、私がお昼ごはんを食べていると〝サラダから食べたほうがいいよ〟って教えてくれたり、松さんとふたりで〝いい人とつきあいなよ〜〟ってアドバイスをくれたり(笑)。本当のお兄ちゃんとお姉ちゃんみたいにいろんな話をさせていただきました」

女優として飛躍するばかりでなく、新世代のファッションアイコンとしても注目を集めている小松さん。この取材の少し前にも、『シャネル』のブランドアンバサダーとしてパリを訪れたという。

「パリでは古着を見にいったり、セーヌ川沿いを散歩したり、カフェのテラス席でお茶したり。フィルムカメラは必需品で、風景や光の陰影を撮るのが好き。撮った写真をインスタにアップすることもあるけれど、実は本当のお気に入りはこっそりためているんです。〝これ!〟っていう奇跡的な一枚は、自分だけのものにしておきたいみたい(笑)」


こまつ・なな●1996年2月16日生まれ、東京都出身。2014年、今作を手がけた中島哲也監督の映画『渇き。』で女優デビュー。以降、映画『溺れるナイフ』、『坂道のアポロン』、『恋は雨上がりのように』など、数々の話題作に出演。映画『さよならくちびる』が2019年初夏公開

『来る』

小松菜奈,来る
オカルトライター・野崎(岡田准一)とキャバ嬢の真琴(小松)のもとを、身の回りで相次ぐ怪奇現象に悩む田原(妻夫木聡)が訪れる。霊媒師である真琴の姉(松たか子)とともに謎に迫るが……。●12/7~全国公開 ©2018「来る」製作委員会

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