こんにちは。モア世代ライターの愛ちあんです。
2019年は「AI元年」とのことで、最近とにかく「AI」が気になってしかたないんです。“もしかして「AI」に仕事を取られたりする?”、“日常生活にどう関わってくるの?”など、なんだかもやっとした疑問や不安が……。それはきっと皆さんも同じですよね?
「AI」と、どうつき合っていくのが正解なの!? 疑問や不安のアンサーを確認してみましょう!

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「AI」について教えてくださった方々

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Q:私たちの日常生活に関係あるの?

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スマホやスマートスピーカー、ロボット掃除機など、使っていませんか?
「『iPhone』の“Siri”やスマートスピーカーの“アレクサ”といったわかりやすいAIもあれば、気づかない部分にも活用されてどんどん生活が便利になっています。たとえば、ネットで商品を売るために画像をアップロードしたら、画像を認識して自動でカテゴライズするのもAIの機能のひとつ」(藤野さん)。「予測変換、カメラの顔認識機能、ネットショッピングのおすすめ機能など、さまざまな分野に浸透していますが、その人にとって便利かどうかはまた別の話ですね」(大西さん)

Q:AIにできないことはあるの?

0から1を生み出すことはできません
「AIは人間が与えたデータや情報から学習していくものなので、0から1を生み出したり、知らないことを判断することができません。また、大量のデータから可能な限り正解に近い答えを予測することはできますが、正解かどうかは人が判断する必要があります。たとえば人事査定のリストをつくることはできても、それを最終判断・決定するのは人間にしかできません」(大西さん)。「AIが苦手なのは、“問いを立てること”と“身体性を用いること”。疲れる体を持ち、飽きるという感情を持つ人間には、創意工夫するという強みがあります。そのため、創造的に考えることが必要な領域や身体性や感情が求められる領域においては、まだまだ人間のほうが優位といえますね」(藤野さん)

Q:AIが得意な仕事って?

大量のデータからルールやパターンを見つけて分類すること
「AIは、膨大なデータの中からルールやパターンを見つけ、それぞれに分類する仕事が得意。一定のルールに基づいてデータをチェックするのも得意分野です」(大西さん)。「“大量”の情報を“高速”で分析したり、同じことを何度も“繰り返す”作業を得意としますが、それは人間と違ってまったく疲れず、飽きないから。人間よりも正確に大量のデータを扱えるため、この領域の仕事をAIに代替することで、人間は違う部分に時間をかけられるようになります」(藤野さん)

Q:私たちの仕事がなくなるって本当?

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「なくなる」のではなく、「変化」します
「テクノロジーは、人間のためにあるんです。つまり、AIが進化するなら、同時に人間はどう進化すべきかを考えなきゃいけない。テクノロジーによる変化を予測し、仕事の中身やスタイルを変えていくことが、AI時代を幸せに働くためのコツです。人工知能はあくまで“ツール”。むやみに怖がるのではなく、うまく使う側に回ったほうがハッピーになれます。『ラッキー、じゃあ使ってみよう!』というポジティブな思考がとても重要です」(藤野さん)。「AIにも得意、不得意があるので、仕事のすべてがAIに置き換わることはありませんし、これからは『AIをつくる』、『開発したAIを育てる』、『AIの仕事の最終チェックをする』といった新たな仕事も必要とされます」(大西さん)

Q:AIを使うと何かトクするの?

仕事が楽になる可能性があります
「AIは疲れたり飽きたりしないので、議事録作成や書類チェック、データ確認などのルーティンワークを任せることで仕事が楽になります。その結果、違うことに時間を使えて、より豊かな人生に」(藤野さん)

Q:人間がAIに負ける可能性もあるの?

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何をもって“勝ち負け”とするかが問題です
「“りんごとみかんを見分けるだけ”といったAIの機能に勝ちたいと思いますか? それよりも、どんな分野がAIに替わっていくかを考えることで、これから何が必要かを考えたほうが有益ですよね」(大西さん)。「人工知能が人間を超えると予測する“シンギュラリティ”という考え方がありますが、それが実際に起きるかどうかはAI研究者でも意見が分かれます。明確ではない未来に対して、漠然とした不安を持つことはあまり意味がないように感じます」(藤野さん)

Q:AIって、なんだか怖い……

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AIはただの“道具”です
「AIは天使でも悪魔でもありません。ただの道具であることをきちんと理解しましょう」(藤野さん)。「AIの実態はプログラムなので、暴走が起きることはありません。暴走しているように見えたとしたら、それはAIを使う人間側に原因があります」(大西さん)

Q:よく聞く「ディープラーニング」って何?

AI自体に「機械学習」させる手法
「AIに与えたデータやルールをもとに、より判断の精度が高まるようAI自体に学習させる『機械学習』という手法のひとつ。人間が用意した膨大なデータを基に、さまざまな検証を何種類、何段階にも分けて行い、その結果から総合的に判断を下していく方法です」(大西さん)。「ディープラーニングは、ひと言で表すなら『機械が目を持った』ということ。画像認識で物体を判別できるようになると、たとえば“食事の写真を撮るとカロリーがわかる”といったことに使えます」(藤野さん)

Q:これからAIとどうつきあうのが正解?

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まずは知って、理解することから始めて
「AIが人間に近づきつつあるなかで、どう働き、どう生きていくことがハッピーなのかが問われる時代。どんな仕事も、ハッピーは誰かが与えてくれるものではありません。そこで、私たちがすべきことは『知る』、『使う』、『創る』の3ステップ。実際に使ってみると、AIにできること、できないことが体感できるので、AIに対する漠然とした不安や恐怖が消えます。それがAIと共生するためのスタートラインになると思います」(藤野さん)。「まずはAIを理解することで、人間にしかできない仕事や、AIとのつきあい方が見えてきます。また、AIは状況の変化に合わせて育てていく必要があるので、これまでの業務知識や経験もAI育成に必要なデータとして活用できます」(大西さん)
取材・原文/国分美由紀 イラスト/二階堂ちはる