公開中&近日公開予定の話題作の中から、キーワードに沿った2本のイチ押し映画と、その他のおすすめ映画をご紹介します。

【今月のキーワード】男に反撃した、女たちの実話

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もし自分がセクハラに直面した時、迷うことなく堂々と声を上げることができるだろうか。「あなたならどうする?」と問われるような本作の舞台は、#MeToo運動が起こる直前の2016年。FOXニュースのキャスターがCEOをセクハラで訴えた実話を映画化した。勇気ある告発をしたベテランのグレッチェンとは対照的に、自身もセクハラされたことがあるにもかかわらず、周囲からの反発やキャリアに不利益になることを恐れ、一歩踏み出せずにいるトップキャスターのメーガンと、出世を目論む若手のケイラという、年齢もキャリアも違うふたりに光を当てているのがポイント。劇中ではとにかく男たちの無神経な言動や女性を含めた同僚たちの同調圧力にイライラ、ムカムカするし、決してスカッと爽快な結末が待ち受けているわけではないけれど、“声を上げるのが遅すぎた後悔”だけはしたくないと思えるのは大きな収穫。働く女性を取り巻く環境や社会のムードが変化している今。私たちが不当な扱いに「NO」を突きつけることは、後輩たちの働きやすい未来に確実につながるはず!

【今月のイチ押し★シネマ1】『スキャンダル』

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FOXニュースのグレッチェン(ニコール・キッドマン)は、CEOのロジャーをセクハラで提訴。人気キャスターのメーガン(シャーリーズ・セロン)と駆け出しのケイラ(マーゴット・ロビー)は、自分にも身に覚えがある過去に落ち着かない日々を送っていた。●2/21〜全国公開
©Lions Gate Entertainment Inc.

【今月のイチ押しシネマ2】『ハスラーズ』

ジェニファー・ロペス主演の『ハスラーズ』も、不遇な環境から抜け出そうと男たちに反撃した女性たちの実話がベース。リーマン・ショック後に急激に景気が悪化し、稼げなくなったストリップダンサーたちが、経済危機を引き起こしながらも変わらず裕福な暮らしをしているウォール街の金融マンをターゲットに、大金を巻き上げる大胆な計画を決行。その方法は絶対に許されない犯罪行為だけど、守るべき者がいるハングリーな女たちの強さは圧巻。
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ストリップで働くデスティニーは、トップダンサーのラモーナからダンスの基礎を教わり、しだいに姉妹のような絆をはぐくんでいく。●公開中 TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
©2019 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【まだまだあります、おすすめシネマ!】『Red』と『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』

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『Red』
島本理生の原作を三島有紀子監督が映画化。何不自由ない結婚生活を送りながら、かつて愛した男と再会したことで身も心も解き放たれていく主人公の変化を夏帆が繊細に体現。彼女を取り巻く魅力的な男性陣を妻夫木聡、柄本佑、間宮祥太朗ら実力派俳優たちが熱演する。●2/21〜全国公開
©2020『Red』製作委員会
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『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』
プロレスラーの夢を叶えるために施設から脱走したダウン症の青年ザックは、漁師のタイラーと奇妙な逃亡生活を送ることに。ザックを特別扱いしないタイラーと、そんなタイラーを慕うザックの男の友情にキュン。●公開中 ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
©2019 PBF Movie, LLC. All Rights Reserved.
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原文/松山 梢