12星座全体の運勢
「淀みや停滞を吹き流せ!」
すなわち、すでに時代遅れで何の支えにもなっていない空っぽの言説や価値観に絡まったままもがき続けるのか、それともまやかしやごまかしを切り捨てたところに今後の活動の土台や、大切にすべき礎(いしずえ)を見出していけるか。いずれかに分かれていくことになりそうです。
かつて7月は、涼しい風が吹くのを待つことから「風待月」とも言われたそうですが、今回の満月前後にかけては、自分の内部や周囲に漂うよどみや停滞、行き詰まり感をどれだけ爽やかに吹き流していけるかが問われていくでしょう。
蟹座(かに座)
今期のかに座のキーワードは、「夜の川」。

「ね、分かるでしょう、夜の川。なんて云うのかな、黒々と、静かに流れて、そばにいると、引き込まれそうになる」
彼女はこの説を本人に向かっても「夜の川よ。暗いかと思うと、明るく灯がうつってる。じっとしているのかと思うと、流れてるそばへ行くと、引っ込まれそうな気になる」と説明され、畳みかけるかのように「あなたはそうなのよ」と決めつけます。
話の最後で、この川並陽子という人物は自分の隠し通してきた罪の告白をするのですが、もしかしたらヒロインに対し、自分の罪の意識をあぶりだし、増幅してしまうような何かを感じ、あるいは罪悪感そのものを投影し、逃れられない気持ちを強めていったのかも知れません。
言葉の通り、夜の川のごときヒロインの存在感に飲まれていった訳ですが、それは無視できない人物にひき寄せられそこに自分の身を寄せていくこととなるであろう今期のかに座にとって、どこか他人事とは思えないはず。
相手に自分は何を投影しているのか、改めて思い当る節を探っていくといいでしょう。
出典:永井龍男『風ふたたび』(角川文庫)
慶大哲学科卒。学生時代にユング心理学、新プラトン主義思想に出会い、2009年より占星術家として活動。現在はサビアンなど詩的占星術に関心がある。