東 啓介連載「tone0714」vol.15

俳優・東啓介と“香り”、その関係について。

「匂いフェチなんですよ。特に甘い系統の香りが好き」と、香りについてのこだわりがありそうな東啓介さん。実は以前から「自分に似合う新しい香りを見つけてみたい」とおっしゃっていました。そこで東さんの香りにまつわるエトセトラをお届けします。
今回は、香りにまつわる原体験や、思い出の香りなどについてお話ししていただきました。

東啓介
「tone0714」の意味:東さんの愛称「とん」と、“音色”や“濃淡”を意味する「tone」を掛け、そこに誕生日7月14日の数字を組み合わせたタイトル。

香りの思い出は“おばあちゃんの部屋の匂い”から

:ちっちゃい時から匂いフェチっていうのはあると思うんです。「なんだかこの柔軟剤の香りが好き」とか。昔から匂いには敏感なほうでした。好きな匂いってたくさんあるけれど、はじまりは“おばあちゃんの部屋の匂い”。お香のいい匂いがして。
香りは、ふわ~っと、ほんのり漂うくらいが好きです。「お、何かをつけてますね〜」というのがわかるくらい。ガツンと香りすぎるのはちょっと苦手かな。ざっくりしたトークですみません(笑)。香りって言葉で表現するのが難しいですね。すれ違った時に、好きな香りがふわっと匂ってくると思わず振り返っちゃう。

――香りのアイテムはどのくらい持っているんですか?。

:いただいたものもあるし、買ってまだ開封してないものもいくつかあります。今よく使ってるのは3つ。1つめは、遊びに行く時用。2つめは稽古用。仕事中にリフレッシュしたくなる時ってありません? そういう時にワンプッシュします。3つめは、単純に気分を変えたい時用です。眠る時はつけないです。基本、香水は外出時につけることが多いです。香水で「出かける」スイッチが入るみたい。

俳優・東啓介、忘れられない香り、思い出をの画像_2
東 啓介

――「香りを纏う」ことで、「OFF」から「ON」に切り替わるんですね。

:めちゃめちゃ甘いというほどでもないですけど、それとなく甘い感じの香りが好きなんですよ。そもそも香りって、好みが大きく分かれますよね。自分はピンとこなかったものでも、別の人がつけていたら「いいな、よく似合うな」って思ったり。香り選びは直感が試されますし。

――「初めての香水」はハードルが高くありませんでしたか?

:ですね。学生時代って自意識過剰になりがちじゃないですか。香水をつけて遊びに行こうものなら、「お前、カッコつけてんなー」みたいな感じになる(笑)。そういう意味で僕が初めてカッコつけたのは、高1か高2の時。当時、兄は流行の最先端を行っていたので、ファッション雑誌の「このフレグランスがオシャレ!」みたいなランキングで1位の香水を持っていたんですよ(笑)。ブランド名は忘れちゃいましたけど、これをつけておけば女のコにウケがいいぞ、みたいな。その兄の香水をこっそり拝借しました。

――(笑)。その時のこと、覚えてますか? (瑛人の楽曲)『香水』のような切ない思い出は……?  

:そういうのはゼロです! 出来心で香水をつけてみようとプッシュした途端、その香りと“香水をつけちゃった”ことへの恥ずかしさがどんどん広がっていって、いたたまれなくなってシャワーを浴びた記憶しかないです(笑)。「やっぱ、ボディソープがいちばんだわ」とか言いながら。あの時の僕、めっちゃダサかった……。

東 啓介

忘れられない香り、思い出を呼び覚ます香り

――そんな思春期を経て、今や3つの香水を使い分けるにまで至ったわけですから、経験は大切ですね。そういえば、お香も好きだとおっしゃっていましたが、お香デビューはいつだったんですか?

:20歳を超えてからお香を知ったので、香水と比べたら遅いですね。先輩だったか友達だったかのお家に遊びに行ったら、お香が焚かれていたんですよ。それまでお香は仏壇に供えるお線香しかないと思ってたので、「なんだこれは……? 線香と似ているけど何かが違う。しかも、めっちゃいい匂いじゃん!」と。
そこからお香にハマりました。仕事をし始めて歳を重ねて、「気持ちを切り替えたい」「落ち着かせたい」と思う瞬間が増えたのかな。
単純に人から「めっちゃいい匂いだね」って言われるのも好きなので、お香のある生活が日常になりました。家以外でも求めちゃいます。舞台の地方公演に行った時も、ホテルの部屋で気分転換をしようと持っていったこともあります。


――東さんの“香りのマイルール”はありますか?

:「香水は、つけすぎない。手首だけにつける」強い香りはほかの方にも影響を与えちゃうから。逆にお香は、自分の部屋でのことなので焚けるだけ焚きます。お香は、僕の「OFF」のスイッチなのかも。

――香りは人の記憶と強く結びつく、という話もありますが、東さんは、忘れられない香りや、思い出を呼び覚ます香りはありますか?

:夏の日の雨上がりの香りかな。学生時代に頑張っていたバスケ部の練習の時のことや、子供の頃、僕の誕生日に海へキャンプに行った思い出を、ふいに思い出したりします。
あと、実家やおばあちゃ……祖母の匂いも。どんな香りなのかを言葉にはしにくいけれど、僕ら家族だけにはわかる特別な香りだから。落ち着くし、帰ってきたなって思える。
逆に、自分がミスって落ち込んでいたり、しんどかったりした時、その場にいる誰かがつけていた香水の香りと感情がセットになって記憶されちゃう、なんてこともあります。たまたまその香りと出合って、ネガティブな感情を思い出してしょんぼりしたり……。ほかにも「これ、親友と同じ香水の匂いだ」と気がついて、ニヤニヤすることも(笑)。振り返ってみると、香りって、僕の人生にけっこう影響を与えているみたいです。

東 啓介

ニット¥46200/HEMT PR(サイドスロープ)・パンツ¥57200/08ブック(08サーカス)・ネックレス¥8580/ジョワイユ(オイル) リング(大)¥88000・リング(小)¥16500/IVXLCDM 六本木ヒルズ(IVXLCDM) その他/スタイリスト私物

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次回の連載では、香りを扱うセレクトショップを訪問し、東さんが新しいフレグランスに出合う模様をお届けします。乞うご期待!

 

プロフィール

ひがし・けいすけ ●1995年7月14日生まれ。東京都出身。2013年、『テニスの王子様』(2ndシーズン)で俳優デビュー。その後はミュージカル作品を中心に活躍し、『ダンス オブ ヴァンパイア』(2019年)では帝国劇場の舞台にも立ち、近年では『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』や『マタ・ハリ』(ともに2021年)などに出演。2022年は、TBSドラマ『ファイトソング』、フジテレビドラマ『ナンバMG5』、テレビ東京ドラマ『チェイサーゲーム』など、映像作品にも多数出演。
3月19日にLINE CUBE SHIBUYAで開催されるライブイベント『加藤和樹のミュージックバー「エンタス」』にゲスト出演予定。4月10日に休館するシアターコクーンのグランドフィナーレを飾るイベント“大人の歌謡祭”『COCOON PRODUCTION 2023 「シブヤデマタアイマショウ」』に日替わりゲストとして出演予定。また、4月14日からは、舞台『二次会のひとたち』に中内啓介役で出演予定。

■ライブイベント『加藤和樹のミュージックバー「エンタス」』公式ホームページ
https://entasu-onstage.com/
■松尾スズキ総合演出『COCOON PRODUCTION 2023 「シブヤデマタアイマショウ」』公式ホームページ
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/23_shibuyade2023.html
出演予定日時:4月2日(日)16:00
■舞台『二次会のひとたち』公式ホームページ
https://nijikai-stage.com/

東 啓介:公式サイト&公式SNS

■公式サイト https://www.watanabepro.co.jp/mypage/10000062/
■公式Twitter @keisuke_higashi
■公式Instagram @keisuke_higashi_official

取材・文/中川  薫 撮影/岩澤高雄(ザ・ボイス マネージメント) ヘア&メイク/甲斐美穂(ROI) スタイリスト/青木紀一郎

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