TBS火曜ドラマ『ファイトソング』の中で、クセがあるのになぜか憎めないキャラクター・烏丸薫役を好演中の東啓介(ひがし・けいすけ )さん。 
家族や交友関係、そして今後の展望についてお話しをうかがいました。
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(衣装)ブルゾン¥143000・ニット¥46200・パンツ¥71500/セメント(ピーター・ウー) シューズ¥77000/パラブーツ青山店(パラブーツ) ●セメント 電話番号:03・6915・3282 ●パラブーツ青山店 電話番号:03・5766・6688  住所:東京都港区南青山6-12-3

母への贈り物。花束の代わりに弾き語りの生演奏を

――ご家族との仲もとてもよろしいそうですね。 
 
東啓介:ええ、コロナ禍の前には、実家にもちょくちょく帰っていましたし、家族旅行もよくしていました。2020年以降は、新型コロナウイルスの影響で実家に帰れなくなってしまって、母の日や父の誕生日にも会いに行けなかったので、“弾き語りの生演奏”をビデオ通話でプレゼントしました。2020年のステイホーム期間中は時間があったので、オリジナルの曲を作るとか、誰かの曲をカバーして演奏することにハマっていたんです。せっかくだから、母に送ろうかなと。吉田山田さんの『日々』(2013年)っていう曲があるんですけど、母に、というか両親に向けて歌いました。え、珍しいですか? 音楽活動をしている友達と話していると、身近な人に“曲のプレゼント”をするって話はよく聞くので、特別なことではないと思いますよ。 
 
――いつもは何をあげていたのですか? 
 
東啓介:ずっと手渡しでお花を贈っていたんです。でも、こういう状況になってしまって、宅配便での生花の送り方も、届くタイミングもよく分からなくて。音楽ならLINEですぐ送れるし、動画も残るので、いいかなって。でも、喜んではくれたけど、「ありがとう」っていうのはなかったかな(笑)。 
 
――音楽が身近な東さんが落ち込んだ時に聴く“ファイトソング”は? 
 
東啓介:時期によって変わるんですけど……、ずっと変わらず聴いているのは、RADWIMPSさんの曲が多いです。『25コ目の染色体』(2005年)という曲があるんですけど、それを聴くと、初めてこの曲を聴いた時のことを思い出して、「頑張ろう!」っていう感じになります。がむしゃらに頑張っていた当時のことを思い出して、目の前の憂うつなことを忘れる。上書きというほどじゃないけど、過去のことで、ちょっとうつうつとした部分をリセットできるような。歌を歌って発散することと同じですね。 
 
――音楽は生活に密接な存在なんですね。 
 
東啓介:友達の家へ遊びに行った時に、使っていないギターがあったんです。友達が「お前最近、曲を作ってるんだよね? じゃ、歌詞に入れる2つのワードを俺が言うから、それを使って即興で5曲作って」って無茶ぶりされまして(笑)。「マジかよ……」と思いながらもやり始めたんですが、結局、1曲しか作れなかったんです。友達は、その様子をずっと動画で撮ってました(笑)。指定されたワードにとらわれ過ぎてちゃって、ほかの言葉が全然出てこないんですよ。 
言い訳じゃないですけど、頭と指と口を動かしながら即興で弾き語るのはハードルが……。ピアノなら何とかなったと思うんですけど、ギターはまだ押さえられるコードがそんなになくて、指にばっかり意識が……(笑)。野田洋次郎(RADWIMPS)さんのインスタライブを観ていたら、視聴者から送られたコメントをもとに、すぐに曲を作っていて、やっぱプロはすげえなと思いました。音楽で生きている人の物語を感じましたから。自分でもやってみて、即興で曲を作って弾き語ることの難しさを知っているからこそ、余計にそう思いましたね。願わくば、尊敬している好きなアーティストさんと、1回でいいので共演を……いや、MVに出していただけたらそれで本望です!
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尾上右近さんのラジオ番組がきっかけで、書道熱が再燃

――音楽に精通している一方で、書道もお得意だとか。 
 
東啓介:最近はそんなに筆を持っていないですけど、書きたくなる周期があるというか、急にハマる時があるんです。(今秋上演予定の)『ジャージー・ボーイズ』で共演する、けんけん(尾上右近)のラジオ(NHK-FM『KABUKI TUNE』)に出させていただいた時(2021年2月)に、ゲストにはいつもサインを書いてもらっているからと、筆を渡されたんです。ならばといつも色紙に僕が書いてるサインじゃなく、自分の本名を縦文字で繋げて書いてみたら、そこから久しぶりにハマッちゃって。それを機に、新しいサインを勝手に考えることに(笑)。「どうやってカッコよくしようかな~」と、家でめっちゃ書いてました(笑)。 
 
――ちなみに、新年の書初めは? 
 
東啓介:もちろん書きますよ! 漢字で一文字、とかですけど。「今年の漢字」ってほどでもないですが、その時に思いついたものをスッと。ただ、字を書くか、絵を描くかで迷います。 
 
――文字ではなく絵を? 水墨画ですか? 
 
東啓介:はい。適当ですけどね。墨汁を薄めて、松とか梅とか龍とか、あと虎も。ちょっと長めの書道用紙を用意して、「こんなん描いてみようかな」という感じで。たまに写真を撮ることはありますが、描いたら満足するので絵はぐしゃぐしゃにして捨てます(笑)。 
 
――もったいない……。 
 
東啓介:いやいやいや、水墨画もちゃんと習ってみたいんですよね。どういう筆があって、どういう濃さで描くのがよい、というふうなことをきちんと知りたいんです。油絵にも興味があります。僕の祖父は色鉛筆画や水彩画の画家だったので、濃淡のある絵を見て育ってきたんです。なので、絵にせよ、曲にせよ、メソッドというか、基礎から学んでみたいって欲は常に持っていて。ただ、どうやったら、その“道”に出合えるんだろう、どこから始めたらいいんだろうってところで、今は止まっちゃってますが!

プロフィール 

ひがし・けいすけ ●1995年7月14日生まれ。東京都出身。2013年、『テニスの王子様』(2ndシーズン)で俳優デビュー。その後は様々なミュージカル作品に出演し、ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』(2019年)では帝国劇場の舞台にも立ち、近年ではミュージカル『イン・ザ・ハイツ』やミュージカル『マタ・ハリ』などにも出演。2021年からは映像作品にも活躍の幅を広げる。火曜ドラマ『ファイトソング』(TBS系毎週火曜よる10時放送)に烏丸薫役で出演。また、今秋、日生劇場で上演されるミュージカル『ジャージー・ボーイズ』への出演が決定している。

東啓介 公式サイト&公式SNS

■公式ホームページ https://www.watanabepro.co.jp/mypage/10000062/ 
■公式Twitter @keisuke_higashi 
■公式Instagram @keisuke_higashi_official

番組公式サイト

■火曜ドラマ『ファイトソング』 
https://www.tbs.co.jp/fight_song_tbs2022/
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撮影/齊藤晴香 ヘア&メイク/yuto スタイリスト/青木紀一郎 取材・文/中川 薫