『愛の不時着』にオマージュを捧げる短編ストーリーなど、注目本3冊!
最近発売された本の中から、おすすめを厳選して紹介!
最近発売された話題の本から、3冊のおすすめをご紹介します。
『がらんどう』大谷朝子
コロナ禍で始まったアラフォー女性ふたりの共同生活を描いた、すばる文学賞受賞の話題作。恋愛感情を抱けないが、出産をあきらめきれずマッチングアプリに頼る平井。愛犬を亡くした人のために3Dプリンターで“死んだ犬”をつくる菅沼。出産のリミットや、愛するものの「死」と向きあわざるを得なくなる——若くないからこそ、支えあい寄り添える相手の存在とは。(集英社 ¥1595)
『僕の女を探しているんだ』井上荒野
「人を探しているんだ。彼女は僕の運命の人だ」。黒いコートを着た背の高い美しい顔をした“リさん”は、海辺に、列車に、病院に、バーに現れる。愛する人を探して。その人を想い幸せを願う尊い心が、彼の奏でるピアノからあふれ、私たちにそっと力を与えてくれる。大ヒットドラマ『愛の不時着』にオマージュを捧げる、9つの胸が締めつけられる美しい短編ストーリー。(新潮社 ¥1870)
『好きになってしまいました。』三浦しをん
日常の中の美、旅、読書沼、日々のあれこれをテーマにした、人気作家の3年半ぶりのエッセイ集。「結婚をあきらめないで!」とゴミ出し中のおばさんから突然かけられた謎の励ましや、やたらテンション高めの宿の亭主、おしゃれな部屋への叶わぬ憧れなど、どこを読んでもあふれ出す軽妙な“しをん節”は、“クスリ”どころか抱腹絶倒で、ページをめくる手が止まらない。(大和書房 ¥1650)
原文/千吉良美樹 本間香奈 ※MORE2023年5月号掲載