【ヒロアカインタビュー前編】山下大輝×岡本信彦×佐倉綾音 それぞれが演じたキャラの、心境の変化は?
劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』インタビュー前編
コミックスシリーズ世界累計発行部数が1億部を突破した「週刊少年ジャンプ」の大人気コミック『僕のヒーローアカデミア』。最新作となる劇場版・第4弾『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』が、8月2日(金)に全国公開予定! 映画が待ちきれないあなたのために、主演声優の山下大輝さん、岡本信彦さん、佐倉綾音さんにインタビュー。収録秘話をこっそり教えてもらいました。劇場版を観る前に、ぜひチェックしておいて。
さくら・あやね●1994年1月29日生まれ、東京都出身。主なアニメ出演作品は、『僕のヒーローアカデミア』麗日お茶子役、『五等分の花嫁』中野四葉役、、『【推しの子】』鮫島アビ子役
久しぶりにやってほしい……! 声優陣の思いが通じた待望の劇場版
ーーまず劇場版第4弾が決定した時の感想を教えてください!
山下さん:そろそろ来るだろうなって思ってましたね。コロナ禍もあってちょっと間が開いてしまいましたが、『僕のヒーローアカデミア』といえば夏に映画をやる……っていう流れができていたように思うんです。なので「久しぶりにやるんじゃないか、やってほしいな」と思っていたので、決定した時はすごくうれしかったです。でも1つだけ気になったのは、いつも本編と劇場版の話が時系列でつながっていたのに今回はどうなるんだろう……ということ。今本編がすごいことになっているだけに(※インタビューは6月上旬実施)、どことつながるのかが気になりました。
岡本さん:僕も同じような感想を持ちました。うれしいけれど、正直どんな話が描かれるのかがまるでわからずで。映画化決定!という発表の時に、キービジュアルだけ先に出たんです。オールマイトとデク(※山下さん演じる緑谷出久の愛称)がいるんですが、ほかは何も分からない状態。オールマイトが敵になるのでは⁉ なんていろいろ想像しながらずっと考えてました。ほかの声優陣と大喜利が始まっちゃうくらい謎だったな。
佐倉さん:私としては『やっときたか!』という感じでしたね。ようやく久しぶりにスクリーンでデクたちが見られる、とうれしく思いました。最初はお茶子の出番があるかどうかもわからなかったのでうれしい反面ドキドキでもありました。2人(緑谷・爆豪)は基本出番ある組ですが、お茶子やほかの1年A組メンバーは回によって出番の量が変わるので(笑)。
岡本さん:確かにそうだよね。今回はA組みんなで出られてすごくうれしかった!
佐倉さん:私もです!
キャラの成長が盛りだくさん! 隅々までチェックしてほしい作品
――では劇場版第4弾を演じてみていかがでしたか? 今までと心境の変化はありましたか?
佐倉さん:状況的にはデクがいちばん変化しているよね。
山下さん:今回はアニメ版の6期と7期の間のところのお話なんです。デクが戻ってきて、1人で戦うのではなく“みんなで戦うこと”の心強さをあらためて実感している時だったからこそ、仲間の大事を再確認できた劇場版だったと思います。背中を預けて、安心しながらのびのびと戦える。託せるからこそのびのび戦えるんだなってすごく感じました。ただ、最初は“対ダークマイト”という部分で躊躇する部分があったんです。でもキャラが全然違うので思い切りぶん殴れるなと(笑)。逆に「オールマイトを利用するな!」という気持ちで本気になれました。怒りはすごく乗ってた気がするな。でも一番は、仲間と一緒に戦う部分にデクの変化が見えると思うので、ぜひ注目してほしいですね。
岡本さん:僕が演じる爆豪的にはみっつくらい変化がありました。
まずひとつめはハウザーインパクトがかっこよくなっていました。威力がすごかったです!
ふたつめは、デクのことを気遣うシーンがあるところ。今まではそういうシーンはあまりなかったんです。なので『ここで気遣うんだ……!』と感じました。もちろん2作目でも手を組むシーンがあったりはするんですが、声かけのコミュニケーションが発生してたりして、今までの呼びかけとちょっと違う感じがするんです。そこに成長が感じられました。
みっつつめは全体のバランスです。今回ツッコむシーンが多くて、前半戦はずっとツッコミしていて、往年のかっちゃん(※岡本さん演じる爆豪勝己の愛称)の雰囲気があると思います。
今までずっとこの作品を見てきた方には『爆豪ってこういう面もあったよね』って思っていただきつつ、ちょっと箸休め的なツッコミも随所にあって楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。
佐倉さん:お茶子は今回、ゲストキャラクターとちょっと絡むシーンがあるんです。そのシーンが持つ意味を深読みした時、『これをお茶子がするってすごく素敵だな』と思いました。お茶子の成長を考えると意味合いが深くなっていくシーンなので、ぜひみなさんにも考察していただきたいです!
誰よりも声が大きい⁉ 声優MVPは〇〇さんに決定
ーー収録はどんな感じでしたか? エピソードがあったら教えてください!
岡本さん:実はこの3人、今回一緒に録っていないんです。でも、時々会って食事をしたりはしていました。
山下さん:アフレコ現場にはいなくても、収録していると自然とみんなの声が聞こえてくるんですよ、脳内で。
佐倉さん:確かにそうかも!
山下さん:だからそんなに単独とか少人数で録ってるって感じはないですね。
岡本さん:俺は梶くん(轟焦凍役・梶裕貴さん)と一緒に録ったんですが『山下くんのデクはもっともっとこう来るのかな』とか想像しながらやってました。
山下さん:僕は三宅さん(オールマイト&ダークマイト役・三宅健太さん)と録ったんですよ。ダークマイトであり、オールマイトを演じるので、どんな風になるのかな……と思っていたら、同じ声なのに別人ってわかるんです。三宅さんのスキルの高さっていうのをものすごく肌で感じられました。
岡本さん: やっぱすごいね。役者だな。
山下さん:役者さんとして素晴らしくかっこいい方だなと同時に、ダークマイトがすごく鼻につくなと(笑)。上手いからこそ際立って鼻につくんです。同じ声なのに、どうしてこんなに腹が立つんだろうと思いました(笑)。
岡本さん:僕は三宅さんのヤラレ方が好き! 誰よりも声を出しているんです。
山下さん:最高だったよね。よすぎて笑っちゃうくらい!
佐倉さん:三宅さんのアフレコシーン、想像できるな(笑)。
岡本さん:愛を持ってやってたんだろうな。
山下さん:そんな感じ! めちゃくちゃ汗だくで一緒にやってました。なのですごく楽しかったし、やり甲斐がありました。一緒に戦って、思いっきりぶつかっていけました。
岡本さん:MVPは三宅さんだよね。
佐倉さん:私はA組とみんなで録ったんです。コロナ後、ようやくみんなで収録ができるようになったばっかりの頃だったので、以前の雰囲気が戻ってきた感じがしましたし、劇場版ということでみんなちょっとウキウキしていた気がして、お祭り感みたいなものがありました。出番が多くない人たちはちょっとでも爪痕を残そうと頑張る……みたいな。で、やりすぎたり(笑)。
山下さん:気持ちわかるな。やりたくなるよね
佐倉さん:入れなくていいところに息入れちゃったりして(笑)。「これ(本番では音を)カットされるんだろうな」なんて言って、ワイワイ楽しい現場だった思い出です。
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』 2024年8月2日(金)公開!
ストーリー
次は、君だ――。
超常能力“個性”を持つ人間が当たり前になった世界で、“平和の象徴”と呼ばれたかつてのNo.1ヒーロー・オールマイトが“悪の帝王”との死闘を制した直後に発した言葉。
オールマイトがNo,1ヒーローの座を退いた後も、彼のヒーローの意志は、出久たち雄英高校ヒーロー科に受け継がれた。
出久たちが雄英2年目の春に勃発した、ヒーローvs敵<ヴィラン>の全面戦争。出久は恐るべき力を手に入れた死柄木弔と対峙、激しくぶつかり合う。ヒーローと敵<ヴィラン>の双方が大きなダメージを受け、死柄木の撤退により戦いは一旦の終結を見るが、再び相まみえる決戦の時は刻一刻と近づいていた。
そんな全面戦争の影響で荒廃した社会に現れた謎の男。出久たちに対して、自らを【オールマイトに代わる新たな象徴】と称し、「次は俺だ!」と高らかに宣言するその男の名は、ダークマイト。姿形はオールマイトそっくりだが、その思想は全く違い、ある野望のために自身が作り出した巨大な要塞に人々を次々と取り込んでいく。そしてダークマイトの傍らには、アンナと呼ばれる一人の少女が立っていた。そしてアンナを「お嬢様」と呼びながらも命を狙う男・ジュリオ。この2人とダークマイトの関係とは――!?
出久や爆豪、轟たち雄英高校1年A組は、ダークマイトと、彼が率いる謎の犯罪組織“ゴリーニ・ファミリー”に果敢に立ち向かっていく。果たして、【新たな象徴】ダークマイトを打ち倒すことができるのか。
「次は、僕たちだ――!」
スタッフ
原作・総監修・キャラクター原案:堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:岡村天斎
脚本:黒田洋介
メインキャラクターデザイン:馬越嘉彦
音楽:林ゆうき
アニメーションアドバイザー:長崎健司
アニメーション制作:ボンズ
主題歌:Vaundy『ホムンクルス』(SDR/Sony Music Labels Inc.)
Ⓒ2024「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会
キャスト
撮影/アキタカオリ 取材・文/衛藤理絵