寒い冬に観たくなる! 切なくて温かい片思いを描く、ハン・ソヒ×パク・ヒョンシクの恋愛ドラマ『サウンドトラック #1』【韓ドラオタクおすすめの1本】
19年来の親友の男女が紡ぐミュージックロマンスドラマ
韓国ドラマ大好き! なライターが、ぜひおすすめしたい作品を紹介する不定期連載コラムです。今回は、『夫婦の世界』『わかっていても』のハン・ソヒと、『力の強い女 ト・ボンスン』『ドクタースランプ』のパク・ヒョンシクが19年来の親友同士を演じるロマンスドラマ『サウンドトラック #1』のあらすじや見どころを紹介します。
『サウンドトラック #1』
全4話
出演:ハン・ソヒ、パク・ヒョンシクほか
ディズニープラス スターにて全話独占配信中
© 2024 Disney and its related entities
あらすじ
写真家のソヌ(パク・ヒョンシク)と作詞家のウンス(ハン・ソヒ)は19年来の親友。ある日、ウンスは有名な作曲家から作詞の依頼を受けるが、歌詞から切ない片思いの感情が感じられないとダメ出しされる。ソヌが誰かに片思いをしていることを知ったウンスは、「片思いの歌詞を書く手伝いをしてほしい」とソヌに2週間限定の共同生活を持ち掛ける。
ここが見どころ!
各地で街を彩るイルミネーションが始まり、いよいよ冬がやって来る! 季節によってファッションが変化するように、寒い季節だから聴きたくなる音楽、見たくなるドラマ・映画ってありますよね。『サウンドトラック #1』は、冬の感性がたっぷり詰まったラブストーリー。全4話の短編ドラマですが、センチメンタルな気分に浸ったり、心がじんわり温まったりと、まるで劇場で1本の映画を観たかのような満足感と余韻が残るドラマです。
演出を手掛けたのは、『ヴィンチェンツォ』(2021)のキム・ヒウォン監督。韓国ドラマはシーンを彩るOST(挿入曲)もストーリーと同じくらいの大役を担っていますが、本作はその“音楽”の部分によりフィーチャー。“ミュージックロマンス”という新たなジャンルに挑戦し、SUPER JUNIORのキュヒョン、NCTのドヨン、イ・ハイといった人気アーティストたちがOSTに参加しています。そのどれもが世界観とマッチしているのはもちろんのこと、歌詞が字幕で表示されるところもポイント。ソヌの心情を表したようなOSTに感情を揺さぶられます。
活発な性格のウンスは「なんで片思いなんてするの?好きになったら思いを伝えればいいし、告白して断られたことがないもの!」と片思い経験ゼロ。いつものようになじみの店にソヌを呼び出し、歌詞に真実味がないとダメ出しされたことを愚痴っていましたが、どうやらソヌには好きな人がいるみたい。しかも、長い間片思いをしている模様。2週間で歌詞を書き直す条件でもう一度チャンスをもらったウンスは、ソヌに「うちに泊まり込みで作詞作業の手伝いをして!」とごり押しします。(すんごい酔っ払いながら(笑))
ソヌは「嫌だ。家汚いじゃん」と、今日も今日とて自由奔放なウンスをあしらっていましたが、翌朝、荷物をまとめてウンスの前に現れます。そう、ソヌの片思いの相手はウンスでした。片思い中であることを勘づかれたことに焦って、相手は留学先で出会ったジェニファーだと嘘をついてしまいますが(そもそもジェニファーはウンスが当てずっぽうで言った名前)、海外でも活動するソヌは、2週間後の出国までにウンスに告白しようと決意して助手を引き受けたのでした。
こうして共同生活がスタート。作詞の参考にしようとウンスが片思いの心情についていろいろと尋ねるのですが、ソヌの答えが秀逸で……。
「片思いには恥ずかしさもあるけど、胸が痛む時もある。自分にできることは相手と指先が触れ合うことだけだから」
「好きな相手と何もできないことよりも、その人が望むことを何もしてあげられないことのほうが切ない」
表現が美しいがゆえに切ない……。しかも、ソヌにとって片思いは人生の一部のようなものだから、自分の気持ちをアピールすることもなく淡々と答えるところがもっと切ない! それに対してウンスは、「手を握っちゃえばいいじゃない」とソヌの手を握るし、「私も望みがあるんだけど……チョコレートが食べたい」と、無自覚な小悪魔っぷりでソヌの心を揺さぶりまくり。時折ラブコメチックなシーンもあり、喜怒哀楽で言ったら“哀”の演技が魅力的なハン・ソヒのイメージとは少し違う、“喜”と“楽”が多めの軽やかな演技も新鮮で似合っています。
ウンスとの友情を失いたくなくて想いを隠してきたソヌ。その気持ちが痛いほどわかるくらい、お互いを信じて夢を応援し合う2人の関係性が丁寧に描かれていて、全4話という短さでもどっぷり感情移入してしまいました。
作業に集中しているウンスの横顔を見つめ、「薄着すぎるぞ」と小言を言いながら自分のマフラーをウンスに巻いてあげて、マッコリが好きでワインは頭が痛くなってしまうウンスの好みを把握しているソヌ。なのに、ウンスがほかの男とワインを美味しそうに飲んでいたと知った時の表情といったら……。一方的に相手を思い慕う「片思い」を表現するパク・ヒョンシクの繊細な演技が冴えわたっています。
-
「私たちは離れちゃダメ。そのためには一生友達でいないと」
-
「ウンスにとって心が安らぐ存在でいられればそれでよかった」
出国前に告白すると決めていたソヌですが、その前にウンスがソヌの気持ちに気づいてしまいます。19年来の仲でお互いを知り尽くしているけれど、唯一知らなかったソヌの思い。2人の関係に変化は訪れるのか、それとも……。後半から片思いの景色がガラリと変化する吸引力のある展開が、静かで優しい物語に心地よいドキドキをもたらしてくれます。
そして、韓国ドラマの隠れた見どころであるエピローグも、これまたいい仕上がりになっています。作品の世界観に合わせて“ボーナストラック”と呼んでいるところもおしゃれで、かゆい所に手が届くような内容に「そうそう!それが見たかった!」と心を掴まれっぱなし。
また、有名プロデューサー役に『今、別れの途中です』『無人島のディーバ』などの話題作で活躍する名バイプレイヤーのキム・ジュホン、ウンスの母親役に映画『パラサイト 半地下の家族』で家政婦役を演じたイ・ジョンウン、大物歌手ジェイジュン役にソ・イングクが登場するので、そちらもお楽しみに。
鑑賞のお供はマッコリがおすすめです。
配信サイト
『サウンドトラック #1』
全4話
ディズニープラス スターにて全話独占配信中
© 2024 Disney and its related entities