クラシックもコンテンポラリーも! 美しきシンデレラ・ガールが圧巻の踊りを披露するダンス映画『ポリーナ、私を踊る』
意思の強そうな大きな瞳をまっすぐにこちらに向ける、透明感のある少女の美しさにハッとさせられる本作のビジュアル。バレリーナを目指すロシア人少女・ポリーナの成長を描いた青春映画で、原作はフランス漫画界期待の新星バスティアン・ヴィヴェスのグラフィックノベル。ロシアをはじめヨーロッパから集まった優秀なダンサー約600人の中から、バレエダンサーとして活躍するアナスタシア・シェフツォアがヒロインのポリーナに抜擢され、本作で映画デビューを果たしました。 この作品がおもしろいのは、ライバルとの熾烈な競争に翻弄されながらトップを目指していくような、よくあるバレエ映画ではないこと。クラシックバレエという型にはまった世界にとらわれることなく、自分の内面にある情熱を自由に体で表現することの喜びを追求していく物語。そもそもポリーナは将来を嘱望されていた天才少女だったにもかかわらず、名門ボリショイ・バレエ団の入団直前にコンテンポラリーダンスに感銘を受け、あっさり方向転換。さらに新天地ではケガに泣き、パートナーだった恋人との関係にも葛藤するなど、その運命は波瀾万丈! 決して王道とは言えないキャリアを辿るポリーナが何度も挫折を経験しながら、自分の足で未来を切り開いて居場所を確立していく姿は、夢を持つあらゆる人の背中を押してくれるはず。ちなみにコンテンポラリーダンスカンパニーのカリスマ的な振付家を演じたのは名女優ジュリエット・ビノシュ。さらにポリーナと息の合ったデュオで圧巻のダンスシーンを生み出したのは、元パリ・オペラ座エトワールのジェレミー・ベランガール。またグザヴィエ・ドラン監督の『マイ・マザー』や『胸騒ぎの恋人』などに出演する美しきフランス人俳優ニールス・シュナイダーが、ポリーナの恋人のアドリアンを熱演。未経験にも関わらず、4か月にわたるトレーニングでプロ顔負けのダンスを披露しています。脇を固める才能豊かな出演陣もぜひチェックを。 (文/松山梢) ●10/28〜ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開 ©2016 Everybody on Deck - TF1 Droits Audiovisuels - UCG Images - France 2 Cinema