話題のアーティストや音楽から、キーワードに沿った2つのイチ押し作品をご紹介します。

【今月のキーワード】「シティポップの心地よさを味方に、新しい一歩を」

フレッシュな空気が街を包んで、自然と背すじが伸びるような心地のする4 月。新生活を前に胸が高鳴りつつも、心はどこか張りつめていて……ときに、キラキラとした雰囲気に押しつぶされてしまいそうになること、ありませんか? 新世代のシティポップの看板を背負うYogee New Waves。メジャーデビュー作となる6 曲入りのEP『SPRING CAVE e.p.』は、そんな4 月の緊張をそっとほぐすような、ノスタルジックで脱力感のあるサウンドが魅力。リード曲の『Bluemin' Days』にこめられたのは、“前へ向かって頑張っている女性へ、普段言えないエールを送る”というコンセプト。歌詞の中でいく度となく繰り返される“花束”というフレーズを耳にするたび、なんでもない毎日が祝福されているような温かさを感じる。どんな時も気負わず自然体でいていいのだという、心の余裕が生まれてくる。ヴォーカルの角舘氏の優しい歌声と楽器隊のカラフルな音色が、春の穏やかな気温と混ざりあう……。その絶妙にゆるんだムードが、頑張りすぎず自分らしい新生活の第一歩を後押ししてくれる。

【イチ押しミュージック1】Yogee New Waves『SPRING CAVE e.p.』

キーワードは「シティポップの心地よさを味の画像_1

2013年活動開始。人気と実力を備え、満を持して今作でメジャーデビュー。2017年に経験したメンバーの再編成など、彼らの軌跡や心境に迫った特典のドキュメンタリー映像も話題(初回限定盤のみ)。●発売中 通常盤¥1500(ビクターエンタテインメント)

近年のシティポップブームを語るうえでハズせないAwesome City Club。リリースしたばかりの5 曲入りEP『TORSO』もまた、前に進む人へのエールという趣の作品。“胴体”を表すタイトルが伝えるのは、“不完全でも軸を失わずにもがいて”という泥くささすら感じる直球のメッセージ。その力強さと、都会的で洗練された曲調とのギャップが、なんとも新鮮で心地いい。不器用な自分も肯定するパワーを、新たな環境へ飛び込む武器にして。

【イチ押しミュージック 2】Awesome City Club『TORSO』

キーワードは「シティポップの心地よさを味の画像_2

昨年のベスト盤リリースを経て新章幕開けとなる今作。徹底したセルフプロデュースが魅力。●発売中 通常盤¥1800(ビクターエンタテインメント)

--------------------- MORE2018年5月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック! 文/杉浦麻子 ---------------------