今月のオススメ★BOOK 『キッチン・ブルー』『まんしゅう家の憂鬱』『愛のようだ』
『キッチン・ブルー』遠藤彩見
人前で食事ができなくて人づきあいを諦めている女、謎の女の手料理に心をからめとられていく男……。食をモチーフに、現代を生きる男女の戸惑いを描いた短編集。人物たちの内面、登場する料理の描写がリアル。あっと思わせる展開とともに、感動を与えてくれる。(新潮社 ¥1400)
『まんしゅう家の憂鬱』まんしゅうきつこ
実話をもとにした作品が人気の漫画家による、最新コミックエッセイ。著者をはじめとするまんしゅう家の人々、元彼、バイト先の友人、弟の仲間……。真剣なのに何かがズレている人たちのエピソードに爆笑しつつも、ホロッとする瞬間も。お疲れの夜におすすめ!(集英社 ¥1100)
『愛のようだ』長嶋 有
40歳で車の免許を取得したライターの戸倉。友人の須崎と彼の恋人・琴美とドライブへ出かける。若い時間を過ぎてしまった大人の、明るさと悲しさが入り混じった中途半端な気持ちが、痛く響いてくる。1980~90年代の音楽やマンガの小ネタも楽しめる長編小説。(リトルモア ¥1200)
-------------------- MORE2016年3月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック! 文/石井絵里 ---------------------