舞台『Endless SHOCK』が今年で終演へ!? 堂本光一、上田竜也、佐藤勝利、中山優馬ほか出演者インタビュー
初演から23年半、多くの人に愛された『Endless SHOCK』が終幕
堂本光一「実は今日、(会場にいる関係者の)皆さんに配った資料にもまだ載せていないんですけど。今年で『SHOCK』は幕を閉めようと思っております」
2000年の初演から約23年半、今年は遂に公演回数が2000回の大台に突入。森光子主演の舞台『放浪記』が記録した“2017回”を越えることが大きな話題に。KinKi Kidsの堂本光一が作・構成・演出から主演も務め、多くの人に愛されてきた舞台『SHOCK』シリーズ。21歳から毎年上演し続け、45歳を迎えた今年も上演を発表。しかし、その会見で堂本さんが語ったのは冒頭の驚きの言葉でした。
堂本光一「自分の中にロードマップと言いますか、数年前からそういう考えはありました。(『S H O C K』シリーズの中でも)『Endless SHOCK』は自分が26歳の頃に作った作品で、僕が演じる役の年齢設定もそれくらいなんですよね。そんな僕も45歳になりまして、まあ、いいときかなと。また、『S H O C K』は帝国劇場と共に歩んできた作品であり、帝劇のサイズに合わせて作ってきたので、他にやれる劇場がないというのもひとつの理由なんですよ。そんな帝劇が休館(建て替えによる)するということになり、自分が出演する『S H O C K』は一度幕を閉じてもいいのかなと」
佐藤勝利、上田竜也、中山優馬が最後のライバル役に
最後の公演には今まで『S H O C K』シリーズに参加してきた縁のあるキャストが集結。ライバル役は写真左から佐藤勝利(2022、23年参加)、上田竜也(2020年、21年参加)、中山優馬(2018、19年参加)がトリプルキャストで務めることに。
佐藤勝利「光一君から今年が最後だというお話を聞いた時は本当に驚きました。ずっとあるものだと思っていたし、ずっと階段落ちをしてくださると思っていたので……」
堂本光一「ずっとするか!(笑)」
中山優馬「本当に衝撃ですし寂しく思います。でも、参加させていただいたからわかることなのですが、『S H O C K』って本当に過酷なんですよね。そんな舞台に挑む光一君の姿を何十回と隣で見させていただいて“こんなにも過酷な作品を、なぜ、こんな回数できるんだろう”って、本当に何度も思いましたので」
上田竜也「直接、本人からお聞きした時は“なんでよ!”とは言いました。シンプルに、お客さん、ファンの方々と同じ気持ちで。それくらいこの作品が好きなので。でも、本人もおっしゃっている通り、いろんな話を聞くうえで“そういうことなんだな”と。本人が決めたことならば、そこに向かってしっかり自分たちはクオリティを高めて、光一くんが完全燃焼して終われるように、しっかり取り組んでいきたいなという気持ちに変わりましたね」
「ステージ上では嘘をつかず、命を燃やしてきた」(堂本)
ライバル役の3人はもちろん、オーナー役を務める前田美波里さんと島田歌穂さん、リカ役の綺咲愛里さんと中村麗乃さん、キャストの皆さんが語った“終わってしまう寂しさ”。同時に全員が口にしたのがこの作品の“過酷さ”。なぜこれだけ多くの人に愛される作品になったのか、『Endless SHOCK』の魅力を尋ねられたときに堂本さん本人から飛び出したのもこんな言葉でした。
堂本光一「あの、残念なことに、僕は一度も外から見たことがないので(笑)。この作品を完全に客観的な目で見た感想は、僕からは言えないんです。だから、逆にご覧いただいた皆さんに感想を聞きたいくらいなのですが……。ステージに立っている自分から言えることは、とにかく、命をずっと燃やしてきたなと。素晴らしい役者さんが世の中に沢山いるなか、たいした技術があるわけでもなく、そんな自分にできることと言ったらそれくらいで。とにかく命を燃やしていこうと、ステージ上で嘘をつくようなことをしないようにしようと、そういう気持ちでステージに立ってきました。それを、お客様に受け取っていただけたのかなと」
後輩キャストを次々と襲う⁉︎ 過酷な“SHOCK病”
そんな堂本さんの姿を近くで見てきたライバル役の3人からはさらにこんな言葉が。
上田竜也「これは舞台参加者のあるあるだと思うんですけど。『SHOCK』のエンターテインメントが凄すぎて、どの仕事でも追い込まないと不安になるっていう。“これで大丈夫なのかな”って。そういうことはめちゃくちゃありますね、良くも悪くも“SHOCK病”というか」
佐藤勝利「僕は初めて触れたエンターテインメントが『Endless SHOCK』だったので。“エンタメとはこういうものなのか!”って、すごく衝撃を受けて。“こうなりたいな”とも思いましたし。これもまた“SHOCK病”のひとつかもしれないんですけど、光一君くらいできないと、そこが辿りつかないといけない場所なんだって、目標がまず高すぎるほど高くなると言いますか」
中山優馬「僕もファンとして劇場の客席から見させていただき“出たい出たい”と何度も言っていたのに、いざその願いが叶い実際に参加してみると“観客席で見た時はあんなに楽しかったのに”と思ってしまうくらい過酷で。光一さんが言う“命を燃やす”とはこういうことなんだって、実感する日々だったので。『SHOCK』は本当に僕のエンタメの基準というか、ひとつの作品を作る大変さを教えてくれた作品だと思います」
森光子さんの誕生日に新記録を達成。 舞台の神様が招いた不思議なめぐり合わせ
森光子さん主演の舞台『放浪記』の公演最多記録2017回、『Endless SHOCK』がそれを塗り替えるのは5月9日。奇しくも、それは森光子さんのお誕生日。「あれは計算なのか?」と質問されると、堂本さんからはこんな言葉が返ってきた。
堂本光一「いや、これが本当にビックリなんですけど、こんなことってあるんだと思うくらいの偶然で。振り返れば、コロナ禍で中止した公演もありましたし、こんな計算できるものではないんですよ。さらに、今作には当初、公演スケジュールを決めるときに日にちと曜日を間違えてカウントしていて、大慌てで修正したという裏バナシも。で、ヨイショと修正したら、ピタリと森さんの誕生日に重なるという。とても不思議なことが起きたんですよ」
森光子さん自身、『SHOCK』のファンで、楽屋にはよく森さんからの差し入れが届いたそう。「それを養分にして舞台に立っていた」と笑った堂本さん。
堂本光一「人生の約半分、立ち続けてきた帝国劇場の舞台は自分にとってやっぱり特別な場所で。あまりスピリチュアルなことを信用するタイプではないんですけど、なんかこう演劇の神様と言いますか、そういう何かが宿っている場所だなと思いますね」
関西人特有のズルさを持つ中山優馬。 素直さが魅力の佐藤勝利。とにかく熱い上田竜也。
錦戸亮、今井翼、生田斗真、屋良朝幸、内博貴……。今まで何人もの後輩が演じてきたライバル役。それをずっと隣で見てきた堂本さんは、最後となる今作の3人のライバル役にどんな魅力を感じているのか、それもまた気になるところ。
堂本光一「優馬は関西人特有の、話すとちょっと飄々として聞こえる感じがあるじゃないですか。だけど、いざ本番になってみると“ここまで熱を持っているんだ!”と、“急に空気感変わったな”っていう、そういうズルいところがある。これ、関西人特有のズルさです(笑)。錦戸とか内なんかも同じタイプ。イヤだわぁ(※そう言う堂本さんも関西出身です。笑)」
中山優馬「今年もズルくやらせていただきます!(笑)」
堂本光一「勝利はすごく素直なんですよね。その素直さがそのまま役に反映していて。とにかくガムシャラに若さゆえに走ってしまうという。素直さが逆に物悲しさを生むようなところも、勝利のいいところだなって思っています。竜也に関しては、これも何度も常々言っているんですけど、こういうヤツなんで本当に勘違いされやすいタイプでもあるじゃないですか。でも、実際に触れてみると、こんなにも熱いのかと。自分が正しいと思った方向に本当に突き進んでいくタイプなので、それがすごく役とマッチしているところなんですよね。だから、彼と一緒にステージに立っていると、その想いに自分も任せられる。そこはすごく信頼しています」
「誰かに自分の役をやってもらいたという想いだけは、今、強くあります」(堂本)
会見の冒頭では「自分が出演する『S H O C K』は一度幕を閉める」と発言。それだけに、「後輩の誰かに主演を譲って今作を後世へと残す、そんな選択肢もあるのでは?」と質問が飛んでくる場面も。もしかしたら、今作のライバル役の誰かが主演を務める未来があるのかもしれない⁉︎
堂本光一「どうなんでしょうね。自分の思いとしては、誰かにやってもらいたいなって思います。ただ、同じ言葉を繰り返してしまいますが、『S H O C K』は帝国劇場で、帝国劇場のサイズに合わせて作ってきた作品なので。他でやれる劇場といえば、梅田芸術劇場か博多座くらいしかないんですよね。ならば、感謝祭みたいなカタチで何かイベントができるかもしれないと思っていたりするのですが……。今、適当なことを言うと“勝手なことを言うな”と怒られちゃうかもしれないんで(笑)。今後どうなるかは全くわからないけれど、誰かに自分の役をやってもらいたという想いだけは、今、強くあります」
他の女性キャストはこちら
オーナー役を演じる前田美波里さん。
同じくオーナー役を演じる島田歌穂さん。
オーナー役を演じる綺咲愛里さん。
同じくリカ役を演じる、乃木坂46メンバー・中村麗乃さん。
『Endless SHOCK』2024年公演概要
4月11日~5月31日(本編・Eternal同時上演)@帝国劇場
7月~8月(本編上演)@梅田芸術劇場メインホール
9月(本編上演)@博多座
11月(本編上演)@帝国劇場
S席¥13500、A席¥9000。一般発売開始は3月9日(土)10:00~
撮影/新谷真衣 取材・文/石井美輪