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【SixTONES 松村北斗】時空を超えたラブストーリーの撮影秘話! 映画『ファーストキス 1ST KISS』イベントレポ
松村北斗さんが29歳と45歳を演じ分けた熱演に注目!
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(左から)左から松村北斗さん、松たか子さん、塚原あゆ子監督。夫婦役のおふたり、目くばせをして演技の息のピッタリさを感じさせます
2月7日(金)に公開される映画『ファーストキス 1ST KISS』の公開直前イベントが、1月28日、東京都内で行われ、主演の松村北斗(SixTONES)さんと松たか子さん、塚原あゆ子監督が出席しました。この日、全国の映画館95劇場に舞台挨拶の様子を生中継。さらに、完成披露試写会を観た方たちの想いがつづられた“付箋コメント”を集めたバックパネルを背にしながら、3人は作品への思いを熱く語りました!
映画『ファーストキス 1ST KISS』
今作は、映画『怪物』(2023年)の坂元裕二のオリジナル脚本を、『ラストマイル』(2024年)、『グランメゾン・パリ』(公開中)などを手がけた塚原あゆ子監督が映画化。
結婚して15年目に事故で夫を失い、ひとり残された妻。第二の人生を歩もうとしていた矢先、タイムトラベルをするスキルを手に入れ未来を変えるべく奮闘するという、時空を越えた壮大なラブストーリー。主人公・硯(すずり)カンナ役を松たか子さん、カンナの夫・駈(かける)役を松村北斗さんが演じています。なお、松村さんは29歳と45歳の役を熱演しています!
公開直前イベントの模様をレポート
今回、夫婦役の松村さんと松さん。そして、監督の塚原さん。息ピッタリな3人のトークをお届けします♪
松村北斗「北海道の大地を食べた!」。各地での思い出
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作品を観た観客の思いがつづられた付箋を見てご満悦の松村さん
――本日は全国95の劇場、つまり1万6000人の方々が見ていらっしゃいますが、全国で思い出が残っている場所や好きな場所はありますか?
松村:私の地元の静岡、元気ですかー⁉
松:舞台で行くことが多いのは大阪と福岡。散歩したり、お城に登ったり、あまり人目を気にせず、人並みの生活をしています。
松村:ツアーで全国に行きますが、夜、みんなでごはんに行ったりしますね。印象に残っているのは北海道。北海道の農業番組(『あぐり王国北海道NEXT』)に出させてもらったことがあって。皆さん、知ってます? アスパラって、北海道の大地から直接生えてるんですよ。
塚原&松&会場:……(ざわつく)。
松村:北海道の大地から(アスパラガスを)“直食い”したことがあって(地面から生えているアスパラガスをお口で迎えに行く動作つき)。「北海道の大地を食べた!」みたいな気持ちがすごかったです。美味しかった……! アスパラを噛んだところから水が「プシャー!」と。
松:そんなことないでしょ(笑)。
松村:他ではしない体験をしたので好きな場所が増えました。
――監督はいかがですか?
塚原:本作のロケでは、山梨や静岡に行かせていただいて。富士山が見えて、素敵な世界ですよね。より思い出深い場所になりました。
――今回のロケ中のエピソードについて教えてください。
松:静岡で松村さんがドーン!とすごいものを差し入れてくださって。
松村:すごいもの? フルーツサンドでしたよね?
松:みんなでおいしくいただきました。綺麗だった!
松村:静岡出身のメイクさんが「近くにおいしいフルーツサンドのお店があるよ」と教えてくれたので、ちょっとでも静岡がよく思われたい……というか、静岡を元気にしたいんです。だから“ドーン!”と(笑)。
「本番スタート!」の前から演技は始まっていた
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松さんは、「やりたい放題やってました!」とにっこり
――本作は時と時空を超えた感動のラブストーリーですが、演じる際、大変だったことは?
松:私は監督やスタッフの方にイメージを作ってもらって、現在と過去のカンナそれぞれにハマっただけなので。私自身はもう“やりたい放題”(笑)。思うままにやっただけです。
松村:“やりたい放題”っていう雑な言葉ではないですけど、松さんが躍動的にシーンを演じられるから、魅力だと思っていました。だから、すごくわかるなと思って。
松:それぐらいのパワーがないと、なかなか受け止めづらい。「現実あるある」も出てきますが、ありえないことも出てくるので、それらを混ぜて皆さんにポイッと投げるには、ある種のエネルギーがないと。寄り添いすぎてもなんだかなぁと思って、そこらへんは“やりたい放題”暴れさせてもらいました(笑)。
塚原:まさにそういうことだと思っていました(笑)。
――松村さんは、そういう松さんに演技の面で引っ張られた部分は?
松村:部分というか、すべてですよね。それは、お芝居以外の時間もそうです。だって、僕が松さんと夫婦をやるって、年齢とキャリアを考えたらすごく難しいことで、その壁を超えるのは、自分の力だけではできなかったです。松さんが普段、僕にどう接してくれたかがすごく大きかった。(空き時間中の近い距離感)そのままでシーンに入るシームレスさのおかげで、まんま(駈とカンナの世界に)連れていってくれたシーンは本当にたくさんありました。スタート前から演技が始まっているというか。だから、ちょいちょい、失礼な物言いをしてしまう(汗)。
松:全然ですよ。
松村:楽しくなっちゃうんですよね。松さんとしゃべってると。それにいろいろと気づいてくれるから、夫婦役をやれたと思います。
松:それはよかったです。昔共演した先輩方も、こぼさないように、見逃さないようにと、後輩の自分にいっぱい気つかってくださっていたのを感じていて、私もとても助かっていましたから。あと……松村さんがこんなにおしゃべりする方だとは。
松村:そんなにしゃべってました?
松:私もおしゃべりは得意じゃないんですが、すごく気をつかってしゃべってくれたのかなと。ありがとうございました(笑)。
――監督から見て、この2人の空気感はどうでした?
塚原:2人とも、二世代分を演じわけているんですけど、かけ合いの時は、声も少し太かったり、高かったりしていたんです。撮影が終わった後に、手紙の部分だけ「声撮り」という、声だけを録音するシーンをしたんですけど、その時には、以前の声には戻らなかった。声の質が違うんです。
松村:撮影が終わって、数か月くらいあとでしたよね?
塚原:そうそう。声撮りのあと、現場の声に近づける作業もしたから、やっぱり、あのかけ合いの声は、二人の中の空気感で成立して、自然にできあがっていった二世代の世界観があるから、すごいなと。距離感を詰めることも、こんなふうにいいことあるんだなって思いながら見ていました。
「やりなおしたい」「戻りたい」という猛省エピソードとは?
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2023年の日本アカデミー賞で受賞した際の“謝罪”スピーチを振り返り、「あのとき、なんで謝っちゃったんだろう……」と真顔で猛省する松村さん
――ここで映画から派生した質問を。「やりなおしたい」「戻りたい」という過去のエピソードを教えてください。
塚原:亡くなった母親ともうちょっと会話したかったかな。この映画自体はラブストーリーではあるんですけども、「今、なんて言うのかな」と、映画を見終わった後に母親を思ったりしたので。
松村:いい話のあとにふざけた話でごめんなさい。「あのひとことがなければ」と後悔したことがあります。(2023年の)日本アカデミー賞で新人賞と話題賞を同時にいただいたんですけど……。
塚原:有名な、あのエピソードですね(笑)。
松村:とても光栄なことですけど、僕は俳優ではないから、ちょっと申し訳ないというか、場違いな気持ちが強くて。でも、やっぱりうれしいじゃないですか。まず、新人賞でステージに上がり、お礼と受賞のよろこびを伝え、その直後に話題賞で呼ばれ、“誰だよ”“アイドルが上がってきたよ”と思われていると思っていたから、「僕なんかが、何度も出てきて場違いだと思っています」「でも、受賞できてうれしいです」「僕を話題にしてくれてありがとうございました」で、締めればよかったのに、最後に「すみませんでした」と言ってステージから降りたら、会場がザワザワ……と(笑)。あの「すみませんでした」さえなければ、もうちょっと収まりよく締められたのに。
松:(最後の謝罪には)びっくりしたよね(笑)。
松村:やり直したいですね。「僕なんか」なんて話はいらないんだから(笑)、もっと感謝をたくさん伝えればよかった。「ありがとうございます」をたくさんの人に伝えたかったなと。
松:私は、小学5年生の時に体育の授業でハードルをやりまして。「お手本をやれ」と先生に言われたんですよ。多分、あの時の私が一番輝いていたと思います(笑)。当時、普通の50メートル走より、ハードル走の50メートルの方が、タイムが早かったんです。
塚原&松村:ええっ!
松:(動力は)跳べるよろこび?みたいな。あの時、クラスのお手本になった時の私が、多分1番輝いていたと思う。(そしてその自分は)もう二度と戻らない(笑)。
松村:当時の松さんにとっては、「その50メートルが世界の全て」ってことですもんね。すごいです。
松:世界征服っていうの?
松村:響きだけでしゃべってますよね?(笑)
全員:(笑)
切ないけれど、幸せな物語
――これから映画をご覧になる皆様へのメッセージをお願いします。
塚原:優しい映画になっていると思います。映画をこれから見てくださる皆さんで受け取っていただいてから、また育っていくものだと思いますので、ぜひ一緒に楽しんでいただけたらと。
松村:この物語は夫婦の物語ではありますけど、それは親友であったり、家族であったり、仕事の仲間だったり。いろんなものに転換できると思うので、見終わった後、「自分にとっては何かな?」というふうに思い出してもらえるよう、楽しんでいただけたらと思います。
松:切ないお話に感じるかもしれませんが、私はどこか、幸せな話だと思うんですよね。それをひとかけでも、皆さんにも感じていただければ幸いです。
松村さんと松さんが絶妙な距離感でかけ合う様子が、とても心地いイベントでした。相手を思う気持ちが交差する素敵な物語を、ぜひ劇場で確かめてみてください。
映画『ファーストキス 1ST KISS』作品概要
2025年2月7日(金)全国東宝系にて公開
【あらすじ】カンナは結婚15年目に夫の駈を交通事故で亡くす。長い倦怠期で不仲なまま残された彼女は、第二の人生を歩もうとした矢先、タイムトラベルする方法を手に入れる。過去に戻ったカンナは、出会う前の夫と再会して恋に落ちるのだが、彼に訪れる未来が頭をよぎって……。
出演:松たか子 松村北斗
吉岡里帆 森 七菜
YOU 竹原ピストル 松田大輔 和田雅成 鈴木慶一 神野三鈴
リリー・フランキー
脚本:坂元裕二 監督:塚原あゆ子
🄫2025「1ST KISS」製作委員会
公式サイト・SNS情報
公式X(@1STKISSmovie): https://x.com/1STKISSmovie
公式Instagram(1STKISSmovie):https://www.instagram.com/1stkissmovie/
硯カンナの備忘録Instagram(kaki_to_peanut):
https://www.instagram.com/kaki_to_peanut/
公式TikTok(@1stKISSmovie):https://www.tiktok.com/@1stKISSmovie
「#映画ファーストキスに会いにいこう」キャンペーン特設サイト:
撮影/新谷真衣 文/中川薫