【ウラMORE】おめでとう30歳! モアだけが知っているウラ麻里子のこと。
麻里子がモアの専属モデルになったのは2008年。まだAKB48はブレイク前で、編集部にも「なんでアキバをモデルにするんだ、もっと可愛い子はたくさんいるだろう」なんて電話がかかってきたり、今で言う“ゴリ押し”じゃないかと言われたりもしました。そのことを、今回のインタビューで初めて麻里子に話したら「自分でもドッキリかと思ったもん」と。 実は最初の2年くらいはファッションテーマにもほとんど出ていなくて。そこから専属モデルとしては史上初の表紙を飾るほどの圧倒的な人気を獲得したのは、誰のゴリ押しでもなく、後押しすらなく、彼女自身の力。麻里子は「自分は運がいい」と笑うけど、本当にすごいなぁと思います。 今では、アイドルグループに属しながら女性誌の専属モデルをすることがポピュラーになって、普通に受け入れられていて。 その道のパイオニアは麻里子、そう思っています。 本人は「モアでそれをできたことがうれしい。感謝しかない」と言ってくれましたが、それはこっちのセリフだよ(笑)
初めて会ったのが22歳、そして今29歳。いわゆる“売れない”時代から、トップアイドルになり、卒業して新しい自分を模索して。そんな8年間を、ありがたいことにかなり近い場所で見てきたけれど、私の目にうつる篠田麻里子という女性はずっと変わらない気がします。 それは、「自分が自分にいちばん厳しくて、だからこそ周りには寛大な人」であることと「気を遣われないように気遣う人」であること。 たとえば真夏に冬服を着て撮影をするとき、ちょっとした待ち時間にスタイリストさんやヘアメイクさんがモデルさんをうちわで扇いだり日傘をさしかけることがあります。それは女性誌の現場ではごく当たり前のことなのですが、麻里子はいつも「大御所みたいに見えるからやめて(笑)」と言います。暑いとか寒いとか眠いとか衣装の靴が小さくて足が痛いとか、そういえば一度も聞いたことないなぁ。 撮影終わりにみんなでご飯を食べるときはモデルさんに「何食べたい?」と聞くことが多いのですが、「なんでもいいよ」と答える人がほとんどの中、麻里子は「トンカツ!」とか「あそこのラーメン!」とか、まあ好みがハッキリしてる(笑)。でもそれも、自分が決めないと譲り合いになってなかなか決まらないだろうという、彼女なりの気遣い。 優しくて、周りが自分に気を遣わないように先に自分が気を遣う。しかも、ポップに冗談めかして。 あー、もううらやましい、私のほうが年上なのにこういう人になりたい。 本誌のインタビューで本人は“人間力、コミュニケーション力がもっと欲しい”と言っていますが、じゅうぶんあると思うよ?(笑)
約1年前、本誌の連載「モデルのデジレポ」で2015年の抱負を聞いたら、麻里子は「芝居の一年にする」と書きました。それを見たとき、実は意外で、でもすごくうれしくてうれしくて。 なぜなら、ドラマや映画に出て、それを観た人から芝居がヘタだとか劣化したとか言われても、いちいち傷ついたり恥ずかしく思ったりするフェーズは過ぎたんだなぁと思ったから。お芝居は苦手、苦手なことはしたくないと言っていた彼女が、腹を決めたんだと思ったからです。 それからの一年、映画『リアル鬼ごっこ』では園子温監督と、そして4月末公開の映画『テラフォーマーズ』では三池崇史監督と。日本を代表する監督たちの作品にがむしゃらに取り組む姿は、まさに有言実行。 本誌には収録しきれなかったのですが、『テラフォーマーズ』については「火星に行ってゴキブリと戦うなんてまったく想像できないから、すっっっごく難しかった!」と言っていたけど、語る顔は楽しそう。いつか“女優・篠田麻里子”にもじっくりインタビューしてみたいなぁ。 今、思うのは、本気で新しい挑戦を始めた彼女を心底応援したいということ。そして、そんな彼女にとって、モアが安心できるひとつの“ホーム”であればと願います。 長くなりましたが、きっと付き合いの長いモアだから語ってくれた麻里子の言葉、ぜひ本誌で読んでみてください。それが、ひとりでもいいから誰かの活力になれば――とも願っています。 麻里子おめでとう! そして、ありがとう! これからもよろしくね!