12星座全体の運勢

「いい風吹かそう」 

4月4日に二十四節気も「清明」に移り、すべてのいのちがいきいきと輝きだす季節となっていきますが、そんな中4月12日にはおひつじ座22度(数え度数で23度)で新月を迎えていきます。 

今回のテーマは「風になる」。つまり、もはや東から吹いて草花や木々を芽吹かせていく春の風を感じ取るだけでなく、自分自身が「創造的な風のエネルギー」そのものとなって何かを始めたり、新しい動きをしていくなかで、見てくれている人々を感化していくこと。 

ちょうど、はるか南の国で冬を越したツバメが、故郷である日本へ戻ってくる時期でもありますが、昔から人びとは「ツバメが巣をつくった家は栄える」として、その帰還を歓迎してきました。 

すばやく空中を横切り、背をひるがえして方向転換する独特の動きや、大きな口をあけてエサを待つヒナたちにつがいで協力し合いながら子育てをする姿に、日本人は「清浄明潔」な精神を見出し、積極的にその風を呼び込もうとしてきたのかも知れません。 

その意味で、今期はここにこそ“いい風=創造的なエネルギー”を吹かせていきたいと願うような相手や人びと、場所、業界などをどれだけ具体的にイメージしていけるかが大事になってくるように思います。 

魚座(うお座)

今期のうお座のキーワードは、「第三の直観」。

魚座のイラスト
人間の内面に吹きわたる風というと、直観のはたらきと深い関係にあるように思われますが、世界的な数学者である岡潔は『春宵夜話』という随筆で、直観には三種類あると述べていました。 
 
「第一種は人に実在感や肯定感を与えるもの」で、「信じるという働きがここから出てくるもの」でもあり、「精神集中から精神統一へという昔の剣術家の努力もこの働きを十分に出させるのを目指していた」のだといいます。 
 
また「第二種の直観は、たとえば俳句や歌の良いしらべを良いと断定する直観」で、「これがあるゆえに真善美が存在し得る」のであり、「学問や芸術もここに基礎をおいている」のだと述べます。 
 
そして第三種の直観は、例えば「立ち上がろう」と思ったその発端の気持ちそのものであったり、「無意識に言ったり行動したりした後からそれに気づく、そんな直観」で、「この種の直観は自然界には実に多く」、ここまで行くと「一つの生涯を一つの行為にあてることができる」のだと言います。 
 
人間がこれらを経験していこうとすれば、順序として、まず第一種、第二種の直観を養って、それから第三種に入れるかどうかということになり、最後の直観を指して岡は次のように結んでいます。 
 
この直観があれば生涯は瞬間的現象にすぎないものとなり、また一つの行為を実践する一つの機会としか感じられない。そしてその底には宇宙の本体が悠久なものだという確信が伴っているのである。」 
 
今期のうお座もまた、そうしたある種の運命的瞬間としての「第三の直観」ということを、おそらく岡自身もそうしたように、中長期的なスパンにおいて自分の身に起きうることとしてイメージしてみるといいでしょう。 


参考:岡潔『春宵夜話』(光文社文庫) 
12星座占い<4/4~4/17>まとめはこちら
<プロフィール>
應義塾大学哲学科卒。卒業後は某ベンチャーにて営業職を経て、現在西洋占星術師として活躍。英国占星術協会所属。古代哲学の研究を基礎とし、独自にカスタマイズした緻密かつ論理的なリーディングが持ち味。
文/SUGAR イラスト/チヤキ