岸優太がアツすぎる!!!!!

いつも穏やかに見えるけど、内側に確たる熱を持った人。初主演映画『Gメン』のこと、最近の自分のこと、岸優太の“アツさ”の秘密に迫ってみた!!

優しくて、仲間思いで、強くって。その魅力は永遠

青い服を着た岸優太

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岸優太

きし・ゆうた●1995年9月29日生まれ。2013年、ドラマ『仮面ティーチャー』にて俳優デビュー。今年は主演を務めたドラマ『すきすきワンワン!』が話題に。役者としての注目が集まるなか、映画『Gメン』の主演に。普段はから回りだけど喧嘩がめちゃくちゃ強い門松勝太を好演。アツい友情や恋愛をスクリーンに描き出す! 8月25日(金)から公開

岸優太、映画『Gメン』を語る

門松勝太と岸優太はよく似ている

—— 映画『Gメン』めちゃくちゃ面白かったです。試写室でもあちこちから笑い声が上がっていました。

:本当ですか? ありがとうございます。それはめちゃくちゃうれしいです。

—— 今作は企画の段階から「主役の門松勝太は岸優太以外考えられない」と言われていたと聞いています。それだけ、岸さんと勝太のイメージがピッタリ重なったと。岸さん自身、勝太を演じて何か感じるものはありましたか?

:そうですね、重なるものとしてはやっぱり……。全力でぶつかって引き算、みたいな。そこは通ずるものを感じましたね。

—— え、それはどういうことですか?

:たとえば、たとえばですよ、オーディションでも恐る恐るとか、恥ずかしいとか、そういうのはなしにして、まずは120%の全力で思いきり演じるみたいな……って、僕、オーディションの経験ほぼないんで、よくわからないまま言ってるんですけど(笑)。まあ、つまり、何が言いたいかというと、低めから始めて後から足すのって意外と難しいというか。だからこそ、最初からできる限りの力でぶつかり、よけいなものを引き算していく、何ごともそのほうが僕はやりやすいなと感じていて。

—— どんなことにも全力で取り組む岸さんらしい発言ですね。

:ただ、最近は「人間には容量がある」ということを知りまして、「セーブするのも大切だな」と感じるように。若干、抑えている自分もいなくもないというか……。ほら、疲れちゃうから。あまりにも全力でやりすぎるとバテるのも早くなっちゃうから。

恋にも友情にも全力投球

—— 岸さんが言うように勝太も120%全力のアツい男ですが、岸さんが「好きだな」と感じた勝太の“アツさ”は?

:仲間思いなところだったり、女の子に対してもちょっとから回りしてしまうところだったり、そこは「可愛いなぁ」と思いますよね。でも、喧嘩になるとめちゃくちゃ強くて、そういうギャップはすごく「カッコいいな」と思いました。

—— ちなみに、岸さんも勝太と同じように女の子に対してから回りしてしまうことはあるのでしょうか?

:うーんと、今はそんなにない気がします。実は、僕、昔は勘違いして生きていたんですよ、「みんな、オレのこと好きだな」って。で、近づいてみたら「実は好きじゃなかった」とか、そういう「あれ?」ってことがものすごくあったんですね。今はある意味、現実を知ったので、から振りしなくなったというか。今もから振りするのかもしれないけど、それはまた別のから振りになるというか……。まあ、基本的にから振りはしがちですね、はい。

—— 勝太の仲間に対するアツさも「好き」とのことですが、岸さんも友情にはアツいほうですか?

:アツいかどうかは相手が判断することだと思うんですけど、自分は「仲間なしでは生きていけない人間だ」と思っています。だからこそ、周りの人を大切にしたいなって思う、その気持ちは勝太と一緒かもしれないですね。

—— ちなみに、勝太が近くにいたら友達として仲よくできると思いますか?

:今、ちょっとそれを想像してみたんですけど……。演じている時に、オレなのか、勝太なのか、わからなくなる時があって。だからこそ、勝太に会ったら、「あれ、これは鏡なのかな」みたいな。友達になるならないの前にまずは自分のクローンに会っているような気持ちになるというか、そんな不思議な感覚になるかもしれないです。

爆笑NG連発。恐怖のアドリブ合戦

—— 自分と役柄の境界線が曖昧になる、それは役者として今回が初めての経験でしたか?

:そうですね。でも、それはそれで、ちょっと怖い部分もあって。監督としては「それでいい」というか、「何も考えずそこにいてほしい」、「その場の空気を感じて演じてほしい」と。でも、自分的には初めての経験でしたし、それはまるで手ぶらで現場に行くような感覚で。「オレ、何も用意してきてないけど、大丈夫かな?」って。完成した作品を観た時に「監督がやりたかったのはこれだったんだな」と思えました。

—— 現場では“その場”で次々とアドリブが生まれたと聞いています。演者の皆さんもそれを楽しみ、アドリブ合戦のようだったと。

:いや本当に、みんな毎回違うアドリブを入れてくるので。いい意味ででき上がりきっていないというか、その場の“生”の空気が詰まっているんですよ。だからこそ、次に何がくるんだろうってワクワクが詰まった作品になっていると思うんですけど……。個人的にはそれもまた、恐ろしかったですね。もうね、怖い!! ひと言で表現するならアドリブ地獄ですよ!! しかもまた、恐ろしいことに、監督がなかなかカットをかけずに役者を泳がせる時もあって……。本当にね、心の中で「早くカットをかけてくれ」と願うばかりの日々でしたからね。

—— 笑いをこらえきれなくてNGを連発してしまうこともあったとか。

:ありました、ありました。しかも、そこでカットがかかればかかるほど、どんどん面白くなっちゃって、アドリブがエスカレート。もうね、一生止まらないんですよ。で、ツボったら最後、こっちも笑いが止まらなくなっちゃって。ご迷惑をかけてしまったこともありますが……。無理です、あれは止められないっす。でも、オレだけじゃないですからね、笑ったの。たしかに、オレも笑って撮影を止めましたけど、ほかにもたくさんいますから!! メイキングを観てもらえれば証明できますから!!

—— はははは!! 現場の空気がとてもよかったのがスクリーンを通して伝わってきました。共演者の方々ともすぐに距離は縮まったのでしょうか?

:そうですね、撮影が始まってすぐに関係ができ上がったような感じで。何の会話で盛り上がったとか、何がきっかけだったかとか、正直、覚えていないんですけど(笑)。でも、距離が縮むのはすごく早かった気がします。

—— ちなみに、共演者の方々の中で岸さんはどういうポジションだったのでしょうか?

:まあ、イジられていましたね、おそらく。でも、イジられるだけでなく、ちゃんとツッコんだりしていた気もします、おそらく。

—— 田中圭さんとは2度目の共演ですよね。前作ではかなりイジられたようですが、今作ではどうでしたか?

:そうですね、今作もイジられましたね。圭さんはたぶん、好きです、僕のこと(笑)。

—— 今作では旧知の仲でもあるSixTONESの森本慎太郎さんとも共演されていますよね。

:しんちゃんのキャラは原作を読んだ時「どうなるんだろう」と思ったんですけど、初日から、再現度がすごく高くて。それはもう、メイクさんの力だったり、衣装さんの力だったり、まあ、しんちゃんの力も少しは入っているんでしょうけど(笑)。しんちゃんの寄せ具合もすごくて、笑いが止まらなくなる瞬間が何度かありました。本当に最高でしたね。

主演、岸優太として

—— 今作は迫力満点の喧嘩シーンも見どころのひとつだと思います。

:これだけ多い手数のアクションシーンは今までやったことがなかったので。タイミングだったり、距離感だったり、角度の大切さだったり、ひとつ間違えば相手にけがをさせてしまうかもしれない。だからこそ、入念にチェックしたりして。「アクションは大変なものなんだ」と現場であらためて痛感しました。

—— でも、そんな危険なアクションをその身体能力の高さで乗りこなしていて、「さすが岸優太だな」と今作を観る人は感じると思います。

:いやいや、あれはアクション監督の方がカッコよく見えるよう指導してくださったり、カメラマンさんが角度を工夫してそう撮ってくれたりした、皆さんの力の集大成であって。本当の岸はそこまでカッコよくないですから。完成作を観た時も不思議な気分になりましたからね、「こんなにもカッコよくなれるんだ、自分」って。本当、あの岸は皆さんの力で仕上がったものだと思います。

—— 今作は岸さんにとって初の主演作映画でもありますよね。主演として、現場で心がけたことはありますか?

:撮影中、現場で「主演だな」と実感したのは……帰る時に移動車の窓を開けたら大勢の大人がいて、「お疲れさまでした」とお見送りしてくれた、それくらいですかね(笑)。今までもずっと、どんな役であろうと全力を尽くさせていただいてきたので、今作もそれと変わらずでしたし。それがよいのか悪いのかわからないんですけど、基本、「主演だな」とか考えることはなくて。僕にとって、共演者の皆さんが“芝居をするひとつのチーム”という感じで。このチームで楽しむ、このチームで演じていた、そんな感覚のほうが強いんですよ。

—— でも、座長として現場に差し入れはしたんじゃないですか?

:しました。したんですけど……まあ、なんというか、してもらったというか、したというか。いや、しました。正直、何度もしました。何を差し入れたのか気になる? そうですよね、気になりますよね。ただ、こういうのは覚えていないくらいがカッコいいのかなって(本当に覚えていない)。なので、あえて言わないでおきます。いや本当、僕にとってはそんなの全然たいしたことじゃないんで。

—— 最後に、この映画を楽しみにしているモア読者やファンの皆さんにメッセージをお願いします。

:皆さんにとって、この夏のシーズンの想い出みたいになったらうれしいなって思います。あとはやっぱり、観ていただいたあとに「気持ちよかった」、「楽しかった」、「面白かった」と言ってもらえる作品だなと思うので。友達と見にいったり、デートで見にいってみたり、お時間を僕に分けてください。「オラに力を!!」って感じで、どうぞよろしくお願いします!!!!

岸優太の“アツい”15のキーワード

1 胸が熱くなった出来事

おいしい中華料理屋さんがあるんですけど、そこの「もやし蕎麦」がめちゃくちゃおいしいんですよ。また、その“あん”がいつもアツアツで。食べる時、ここ(胸の食道部分)が「この動線、全部ヤケドしたんじゃないか」ってくらい熱くなるんですよ。それが、最近の僕の“胸がアツくなった出来事”ですかね。あ、つけ加えると、この間はその中華料理屋さんのおばあちゃんが僕に気づいて「いつも観ていますよ」って言ってくれて。その優しさにも胸が熱くなりましたね。

2 今、岸優太が熱くなっているもの

僕が熱くなっている“個人的ブーム”といえばシェアサイクルですね。めちゃくちゃ便利なんですよ。街のあちこちにあるステーションで自転車を借りて目的地の近くにあるステーションにまた戻せばいいから気軽に自転車で移動できるんです。友達とごはんに行く時とか、最近は、シェアサイクルで東京の街を走り回ってます。

3 普段は穏やかな岸優太が熱くなる時

それは、やっぱり“男気ジャンケン”ですかね。それ以外だと……あ、昨日、熱くなりました!! 昨日は雨が降っていたんですけど、僕、基本的に傘を持ちたくない人なんですよ。どんだけ降っていても、持ちたくないし、持たないんです。雨もまあまあな勢いだったのでタクシーに乗ろうかなと。でも、タクシー呼ぶと追加料金がかかるじゃないですか。なので、通りすがりのタクシーに乗れたほうがいいかなって。とりあえず、外に出たんですけど、全然走ってないんですよ。傘を持ってないせいで、怪しい人に見えるからか、なぜかみんな通り過ぎちゃうんですよ。だから、走って追いかけました。全力で。ずぶぬれになって。あれは久々に熱くなりましたねぇ。見た目的にはかなり青春だったと思いますよ。雨にぬれながらダッシュですからね、間違いなく、青春ですよね。

4 岸優太が女性に熱を上げると

僕が恋をするとどうなるか? 「メールどういうのを打ったかな」とか気にしちゃうというか。連絡のやりとりを見返してあれこれ考えちゃうタイプですね。自分から積極的にアプローチしたい思いはあるんですけど、それもまた「時間をあけたほうがいいのかな」とか考えちゃって。結果、動けず同じ場所にずっといる、みたいな。恋って、難しいですよね。

5 岸優太の温度

岸優太の熱さ温度にたとえるなら……。100度をマックスに考えると、基本、50度。高くもなく、低くもなく、平均で安定みたいな感じですかね。ただ、サウナでいうところのロウリュみたいな、サウナストーンに水をかけると一気に温度が上がるみたいな、何かきっかけがあると燃える、そういう一面もあるかもしれないです。

6 得意なアツさ、苦手なアツさ

サウナも得意ですし、夏の暑さも得意ですね。でも、部屋の中が暑いのは苦手で。たぶん、スイッチの問題なんですよ。「汗をかいてもいいや」っていうスイッチが入ればどんなに暑くても大丈夫なんですけど、それ以外はできる限り汗をかきたくないっていう。

7 岸流の喧嘩術

まあ、譲らない時は譲りたくないですけどうーん、でも、まあ、まあそんなに頑固すぎるところはないかな。ちゃんと冷静になって考えるタイプだとは思うので話し合う、って感じですね。

8 友情を築くうえで大切なこと

僕はリスペクトすることですかね。それがあるのとないのとでは違う気がしますね。それがあるからその人に興味を引かれるんだと思うし。あと、一緒にいて楽しいとかも大事なことだと思います。

9 自分の身をていしてでも守りたいもの

うーん、お金ですかね?(笑)。今、パッと思いついたのはお金ですね。お金は大事ですからね、やっぱりそうなっちゃいますよね(笑)。

10 “本当の強さ”

優しいから強くなれる、強いから周りに優しくなれる。本当の“強さ”とは“優しさ”なんだと思います。

11 仲間とは

仲間を別の言葉で表現するならば“支えあって一緒に生きてく人”になるのかな。僕は仲間なしでは生きていけないし、僕も相手にとってそういう存在でありたいなって思うので。

12 岸優太が思うモテる男

塩顔とかは最近モテますからね。塩顔の男性に関してはモテると思います、はい。岸優太のモテポイントはどこだと思うか? そうですね、僕のモテポイントは“ギャップ”ですね。それはどんなギャップなのか? いや、自分でもよくわからないんですけど。どこかに、なんらかの、ギャップがあるんじゃないかという期待をこめて……。ここはやっぱり、ギャップかなと。

13 人生を歩むうえで大切にしたい信念

僕は“雑草”みたいな感じですね。踏まれても、踏まれても、起き上がるみたいな。そういう自分でありたいと思っています。

14 カッコいい男

今作で僕が演じた勝太を見ていても思うんですけど。不器用だけどまっすぐに生きる姿勢だったり、ダサいところも堂々と見せちゃうカッコよさというか。そんな部分もカッコいいと思わせる、ありのままで生きている感じとか。なんか、そういう人は素晴らしいと思うし僕は好きですね。

15 青春の想い出

僕にとっての“青春”といえば夏の「ガリガリ君」。めちゃくちゃ暑い真夏、それこそ、部活帰りとかに友達とよく食べたなぁ。ソーダ味かと思いきや、梨味を主に。梨味はね、夏になると販売される季節限定なんですよ。常にソーダ味は冷凍庫にストックしているんですけど、夏になるとそれが食べたくなるんですよ。いわば、「ガリガリ君」の梨味は僕の青春の味。今年の夏も食べられるのを楽しみにしているんです。

撮影/ISAC(SIGNO) ヘア&メイク/KAZUOMI(LOTUS) スタイリスト/小林洋治郎(Yolken) 取材・原文/石井美輪 ※MORE2023年9・10月合併号掲載