柔道女子とレスリング女子の異色のコラボ!?

 現在、「モアチャレ」にスペシャルサポーター&チャレンジャーとして参加していただいている吉田沙保里選手。モアチャレでは「お弁当女子チャレンジ」をしていきますが、本職のレスリングでも、実は昨年11月から全日本女子レスリングの選手兼任コーチとしての新たなチャレンジをしているのです。「モアチャレ」ではその模様もレポートしていきますね。  ということで、今回、吉田さんのコーチぶりを取材しに訪れたのは、東京・北区のナショナルトレーニングセンター。ここでは、4/10(月)から3日間、レスリングと柔道の女子トップ選手たちの合同合宿が行われているのです。レスリングからはリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得した川井梨紗子選手や土性沙羅選手など約40人、柔道からは銅メダルを獲得した近藤亜美選手など約20人が参加している、まさにトップレベルの超豪華な合同合宿なのです。  レスリング選手は、パワーがあり寝技もある柔道選手と組み合うことで海外選手を想定したトレーニングを積むテーマが。一方の柔道選手は、リオ五輪で多くの金メダルを獲得したレスリング選手の体力や精神力を学ぶというテーマがあるそう。ふだんの柔道着ではなくレスリングシューズをはいた柔道選手とレスリング選手がマットで組みあう、いわば異種格闘技戦。そのコラボの注目度はものすごくテレビ、新聞など多数のメディアが取材にかけつけていました。

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「肩つけたらフォールだよ」「投げ返せ!」など、柔道、レスリングどちらの選手にも、しっかりアドバイスを送る吉田選手。コーチとしての姿もさまになってきた!?

柔道のメダリストとの体験はやはり本気に!?

 そんな後輩女子たちの熱の入る組み合い練習に、「ラスト30秒!」「ポイントとった?」「そこ投げ返そう!」「まわり元気だせよ!」と、やさしくも厳しいまなざしと、大きな声でゲキを飛ばす吉田さんの姿は、まさに“コーチ”のそれ。  そしてこの日、最大のトピックは、吉田さんの特別スパーリング。相手は、柔道のリオデ五輪48キロ級銅メダルの近藤亜美選手(21歳)と、52キロ級代表の阿部詩(うた)選手(16歳)。ともに、ひとまわり以上若い選手の挑戦に胸を貸していました。レスリングルールでのスパーリングなので、当然ではありますが、吉田さんは相手の投げ技を防ぎ、担ぎあげて投げるなど、その強さを若いアスリートに体感させました。  練習のラストには、レスリング対柔道の「相撲10番勝負」も! なごやかな雰囲気ながらも、本気で対決する格闘女子の熱気に、会場は取材メディアもふくめ大盛り上がりで、約2時間半の合同練習を終えました。

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リオ五輪柔道銅メダリストの近藤選手(右)との公開スパーリング。練習とはいえ、世界トップ同士の異種格闘技戦! すごい迫力でした。
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柔道女子のホープ16歳の阿部選手とのスパーリング。激しさの中に楽しそうな表情も。

「阿部選手も近藤選手も体幹や足腰がしっかりしていましたね。レスリングはつかむところがないので柔道選手はやりづらいとは思うけど、同じ格闘技なので負けるのは悔しいと思う。お互いにとって刺激になるので、吸収し合って学んでほしいですね。夜のミーティングでは、私の経験談、最後まであきらめない強さとかはしっかり伝えたいですね」(吉田さん) 吉田さんの練習や言葉に触れることで刺激を受けた選手も多いはす。吉田さんはもちろん、今年の世界選手権や2020年の東京五輪を目指す女子アスリートたちのチャレンジするひたむきな姿に感動したのでした。

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撮影/岩城裕哉