“恋愛・結婚の呪い”の解き方。バービーさん「“〇〇したらモテる”はだいたいウソ!」
グッバイ! 私たちを縛る「呪い」の言葉。
誰かのアドバイスに、グサッときたりモヤッとしたりしたことありませんか? もしかしたらその言葉には、あなたを抑圧する価値観が含まれていたかも……。呪われずに自分らしく生きる方法をバービーさん、ジェーン・スーさん、犬山紙子さんと考えてみました。
恋愛・結婚の呪いの解き方
結婚するかしないか。出産するかしないか。どんな人生を選ぶかは自分で決められるはずなのに、なぜか周りからの圧が……!
働く女子が実際に周りから言われて“モヤっときた言葉”について、バービーさん、ジェーン・スーさん、犬山紙子さんからのメッセージは?
働く女子が実際に周りから言われて“モヤっときた言葉”について、バービーさん、ジェーン・スーさん、犬山紙子さんからのメッセージは?
「もう女子としてチヤホヤされる年齢でもないんだから、婚活頑張ったほうがいいよ(笑)」
他部署の40代男性と雑談していたら言われました。女性の価値を年齢だけで決めつけるような発言ってどうかと思います。(ひき・29歳)
【犬山紙子】同じことでほかの人が傷つかないためにシェア!
「不愉快だし、完全にセクハラ。年齢に対する偏見“エイジズム”も含んでいて見過ごせないなぁ。上司に直接注意するのは難しいと思うので、周りに『あの人こんなこと言ってたよ』と伝え、みんなで共同戦線を張って」
「男か?」
女性社員が遠出の話や新しい趣味の話をすると、すぐに男の影を探る職場の中年上司。男性関係がなくとも人生充実している女性はたくさんいるんだけどな〜。(YUki・27歳)
【バービー】寒い空気をつくることでお返し!
「若い女子に絡みたいけどなんて言っていいかわからなかったんだろうな〜、この上司。でも、よりによって呪いの言葉を選ぶだなんて最低! 今度言われたら思いっきり無視してダダスベりさせちゃいましょう」
【犬山紙子】“恋愛至上主義”は古い価値観です
「これもセクハラ。恋人がいることこそ価値があるという恋愛至上主義的な考えが根っこにあり、多様な幸せの形があることを認められないのかも。『○○さん、恋愛以外の楽しいこと教えてあげましょうか?』と言い返すのもアリ」
「30歳までに子どもを産まないと後悔する」
こう母に言われて、なんだか引っかかっています。「今はよくても、いつか必ず出産しなかったことを後悔する日が来る」とのことです。子どもがいない=不幸ってわけではないと思うのですが、人生の先輩に言われてしまうとうまく反論できません。(あおい・26歳)
【ジェーン・スー】母の愛だけ受け取ればOK
「“出産という使える機能があるなら使ってみれば?”という提案であり、“私はあなたを産んで幸せ”という告白でもあるかも。『ありがとう。でも私みたいにいいコが生まれるとは限らないからね』って軽く受け流して」
【犬山紙子】お母さんも呪われていたのかも
「お母さんも若い頃に同じセリフを言われたんでしょうね。呪いを内面化して負の連鎖を生んでしまっています。『母も大変だっただろうが、私は別』と、あなたは呪いを真に受けず、負の連鎖を止めてください」
「料理できるコはモテるよね」
友達のA子が手料理を振る舞ってくれた時、男友達が私のほうを見ながらチクリ。料理が苦手な私と料理上手なA子を比べてジャッジしている感じにモヤモヤしてしまいました。(ひらり・23歳)
【ジェーン・スー】すぐ言い返せるよう日々練習を!
「こういう男性には『じゃああなたは料理できるの?』と聞き返して、ハッとさせましょう。とっさに言葉が出ない人は、ドラマに出てくるイヤなヤツにツッコんだりする練習をして、会話の切り返し力を磨くのもアリです」
【バービー】この男子、本当に令和に生きてる?
「“女子力”が死語になって久しいのに、まだこんなことを言う人がいるなんて! もし今後も彼と友達でいたいなら、『今日はなかったことにしてあげるから、あれ、ほかで言わないようにね』って忠告できたら素敵かも?(笑)」
「おごられない女は、自分磨きが足りてない」
年上女性から言われたのですが、これって本当でしょうか? 女性も社会進出しているし、おごられて当然ってわけではない気がします。(kokoro・29歳)
【バービー】それ、港区でしか通じなそう(笑)
「ギラギラしている人の一部にはこういう価値観の人がいると聞きます(笑)。仕事柄、いろんな人に会いますが、おごるかどうかってその人の性格によると思うんですよね。ちなみに私はおごるのもおごられるのも苦手。割り勘のほうが対等でいられて楽じゃない?」
【犬山紙子】「女は」というワードに注意!
「食事の支払いをどうするかは関係性や性格によって決まることが多いと思うのですが、“女は”と大きな主語で語ってしまうのは考えもの。そして人間の価値を“おごられるかどうか”ではかっているその女性は、呪われてしまってますね。あなたは呪いをはねのけましょう」
「女の子は『わからない〜』って言ってるほうが可愛いよ」
男性に対して意見を言ったら、こう返されました。女子は知らないふりをしなきゃいけないの? そんなのつらすぎます。(rちゃん・24歳)
【ジェーン・スー】時代は変わったと態度で示そう
「これまで世間や社会が“女性は自信なさげなほうが可愛い”と刷り込んできたので、男性はこう思い込みがちだし、女性も自信をなくしがち。でも時代は変わってきています。無理してわからないふりしなくていいんです」
【犬山紙子】ダッシュで逃げるのが正解です!
「これって、男性が女性の上に立ってえらそうにしたいって意味。こういう人とは絡まなくていいと思います。あと、人に『お前に知性は必要ない』って言ってしまうデリカシーのなさもダメ。とにかく逃げるが勝ちです」
「30歳近い娘がふたりも独身なのはさすがにきついよ」
29歳の姉と27歳の私、どちらも結婚の予定がないことを父に話したらこう言われました。今どき30代でも未婚の人はたくさんいるし、私たちは父の満足のために生きてるんじゃないのに……。ちゃんと仕事をして自立した暮らしをしているのに、こんなふうに言われるなんて悲しい! (さらりん・27歳)
【ジェーン・スー】向きあうとお互い削られそう。スカして流して
「家族と本気で言いあいすると消耗するし、いらぬ争いを招くことも。『お父さんを見てたら結婚に踏み出せなくなるんだよね』なんてちょっぴりトゲのある発言で煙に巻いてみては。向きあいすぎないってことも大切です」
【バービー】これを機に、ビデオメッセージを送ってみては?
「父として、娘がみんなに認められている姿を見たいんでしょうね。友達や同僚に『いつもお世話になってます!』って言ってもらう“働く私”ムービーを撮って見てもらえば、社会で認められているって信じてもらえそう」
【犬山紙子】距離をおいてみたほうが理解してもらえるかも
「親世代にはまだ伝統的な家族観を大事にしている人が多いのが現実。一度伝えたいことを伝えてみて、それでもダメだったらその話がでたら沈黙、距離をおくのもひとつの手。『この話はしないほうがよい』と感じてもらうんです」
「もっとミステリアスな雰囲気を出したほうが男にモテるのにな〜」
男友達に恋愛相談したら、上から目線でこうアドバイスされました。私はなんでもオープンに話しちゃうタイプなのでイヤミなのかも? でも、話しすぎなのかな……と最近気になってしまいます。(R・26歳)
【バービー】“〇〇したらモテる”はだいたいウソ!
「この男性がミステリアスな雰囲気のコが好きなだけ!(笑)。まったく気にしなくていいですよ。恋愛ネタってあれこれツッコみやすくて楽しいから、きっと適当に酒のつまみにされたんでしょうね。そもそも、好みって人それぞれなので、〇〇したらモテる、みたいなのはだいたいまやかし。うのみにしちゃダメです」
「アラサーで1年以上彼氏いない女子はヤバい」
知りあって間もない男性が、お酒の席で言っていました。いいコだけど恋人がいない女子、たくさんいるけどな。(YUki・27歳)
【ジェーン・スー】ちゃんと不快だって態度に出そう
「恋愛に興味のないセクシャリティの存在が認められている現代でこんな発言をするなんて。旧石器時代かしら? ニコニコしているとつけ上がらせるので、ギョッとした顔でトイレに立ったりして、不快感を表明しましょう。彼が“いけないことをした”と気づかなきゃ世間は変わりません。頑張って!」
「男の三歩後ろをついてくる女の子が理想だな」
マッチングアプリで出会った男性に言われた言葉。「江戸時代か……!」って思わずツッコみたくなりました。(みらくるねこ・29歳)
【犬山紙子】地雷男だと気づけてよかった!
「要は恋人にイエスマンを求めていて、そのうえで自分を立ててほしいってこと。この人はきっと、相当自分に自信がないんだろうな。かわいそうな人だなぁと思って、静かに背を向けましょう。もし今後、プロフにこういうことを書いている人がいたら、会う前にスワイプしちゃいましょうね!」
「つきあう男のレベルが、その女の価値を決める」
尊敬していた男性の先輩と飲みにいった時に言われてショック! スペックの高い男性とつきあえないと、女として価値なしってこと? “いい恋愛をしろよ”って意味で言ったのかもしれないけど、その表現に周りのコたちもドン引きしていました。(S.K・29歳)
【バービー】悪気はないかもしれないけど問題発言
「上司が本気でそう思っているならかなり考えものですね。女性自身の価値はどうなるの? という話ですし。ただ、『自分を高めてくれるパートナーを見つけろよ』ってくらいの意味合いで言ってる可能性もありそう。まあ仮にそうだったとしても言葉選びは最悪なので、真に受けなくて大丈夫です!」
バービーさんの推し! 呪いを解くコンテンツ
「どんな言葉も受け取る人が動じなければ呪われません。私たちを苦しめる価値観について学び呪いを生まない努力を!」(バービーさん、以下同)
『ダイエット幻想』磯野真穂
「ダイエットしたからって価値が上がるわけじゃないってことが理解できるように」。(筑摩書房 ¥924)
『なぜ女は男のように自信をもてないのか』〈著〉キャティー・ケイ、クレア・シップマン 〈訳〉田坂苑子
「なぜ私たち女性がこんなにも弱気なのか。その謎を解き明かしてくれます」。(CCCメディアハウス ¥1980)
『ブッタとシッタカブッタ』小泉𠮷宏
「全8巻。読めば悩みの根本が見え、世界は自分の心の中にあることがわかるはず」。(KADOKAWA 新装版1巻¥1045)
『月経と犯罪』田中ひかる
「女性は生理があるから罪を犯すと信じられてきた時代があった! 呪いのバカらしさに気づける」。(平凡社 ¥2640)
撮影/つぼいひろこ イラスト/前田豆コ 取材・原文/衛藤理絵 構成・企画/西脇素子(MORE)