「お前やせたら可愛くなるよ」。“外見の呪い”をバービーさんたちと考えた

グッバイ！　私たちを縛る「呪い」の言葉。

誰かのアドバイスに、グサッときたりモヤッとしたりしたことありませんか？　もしかしたらその言葉には、あなたを抑圧する価値観が含まれていたかも……。呪われずに自分らしく生きる方法をバービーさん、ジェーン・スーさん、犬山紙子さんと考えてみました。

いつも可愛くいるために努力し、でも個性的になりすぎずわきまえた服を着て……そんな「女らしさ」を窮屈に感じていませんか？
働く女子が実際に周りから言われて“モヤっときた言葉”について、バービーさん、ジェーン・スーさん、犬山紙子さんからのメッセージは？

ミニスカートやカラフルな服を身につけていると、彼氏からこう注意されます。そのせいで、最近人の目が気になって……。彼の言うように、もう少し年相応の格好をしたほうがいいのでしょうか？　（あおい・26歳）

「私も、夫からたまに『ハデな服を着ないで』と言われるのですが、『私の生き方を支配できると思わないで！』って言い返してます（笑）。そうやってコミュニケーションをとっていく中でわかってもらえたら素敵ですね」

「人の目が気になっちゃっているのは呪いが効いてしまっている証拠。でもこんなこと彼氏に言われたら気になりますよね。そんな時は、憧れの同世代や年上の、好きな格好を堂々としている人を見て勇気をもらってください」

男性に飲み会で聞かれた！　「そっちはムダ毛しかないのに何言ってんだ？」って思っちゃいます。（ぷりん・26歳）

「ムダな毛かを決めるのも、処理するかを決めるのも個人の自由！　周りがどうこう言う資格はありません。もしまた言われたら『もしかして……ヒトの祖先をご存じないのかしら？』って言ってやってください」

「責める感じじゃなく、でもしっかりツッコミを入れるのがおすすめ。そのほうが場が盛り上がることもあるし、“空気を壊さないように”と言い返さないでいると“女は静かなほうが可愛い”という価値観を再生産してしまうかも」

新入社員の頃、薄めメイクの私を見た父からクギを刺されました。メイクの度合いは人それぞれでいいのでは？　そして、男性はメイクを強要されないのに、女性だけメイク必須なのは不平等だと感じてモヤりました。（みらくるねこ・29歳）

「お父さんはきっと、若い男性にも『社会人になったらいい靴を買わないとだめだ』なんて言っている可能性大。今の時代、会社でそんな発言をしていたらパワハラになりかねません。『お父さん、会社で言うと危険だからちゃんと価値観アップデートしてね』と忠告してあげて」

男友達に突然こんなことを言われてびっくり。彼氏でもなんでもないのに、上から目線で言わないでほしい！　気にしないようにはしてるけど、あれからたまに「自分って太ってるのかな」って不安になります。（M・27歳）

「マスにウケる魅力より、ミクロの範囲にグッと刺さる魅力があったほうが幸せになれるはず！　恋愛ってパートナーシップなので、多くの人にチヤホヤされても意味ないんですよね。友達のざれ言だと思って聞き流して！」

「呪いっていうより、単に失礼な人な気がします。常識があったらこんなこと友達に言いませんって！　それに『やせたらオレがつきあってもいいよ』くらいに思っていそうなのがキツイ。私ならサクッと距離をおきますね」

私は背が高いほうなのですが、男性の先輩に飲みの席でこんなことを言われて一気にさめました。いい先輩だと思っていたのに……。可愛さって身長で決まるものじゃないはずだし、それを口に出して言うのはよくない気がします。（さらりん・27歳）

「自分の性癖や好みを、世間の常識として押しつけてくるだなんてカッコ悪いなぁ。ただこれ、意外とみんなやりがちなこと。自分も主語が大きな話をしそうになったら『人それぞれ』と唱えるようにしましょう」

「この発言はよく言われている“守ってあげたい願望”から来るものだと思うのですが、現代にいったい何から守ってくれるのやら。特に“か弱い”の部分に支配欲が隠れている気が。早いうちに幻滅できてよかったです」

「多様な幸せや価値観に触れることで呪いを打破できるはず！　女性同士の連帯を感じる作品も癒しになります」（犬山さん、以下同）

「力強い歌詞が最高で聴くと元気が出てくる！　PVも必見」。●発売中　通常盤¥1000（GUILTY KYUN RECORDS）

「柚木麻子さんの本はどれもおすすめですが、この本は特に女子にかかった呪いに効く♪」。文庫版（朝日新聞出版　￥594）

「女同士で思いっきり楽しむつづ井さんのエッセイマンガは幸せの新しい形を教えてくれる」。（文藝春秋　￥1045）

撮影／つぼいひろこ　イラスト／前田豆コ　取材・原文／衛藤理絵　構成・企画／西脇素子（MORE）