2023年チェックすべき経済ワード!リスキリング、リカレント教育など6つに注目
次の時代のカギになる2023年の注目経済ワード6
この先、私たちの働き方や暮らし方に深く関わってきそうな注目ワードをチェック。
教えてくれたのは経済評論家 横川 楓さん
お金の専門家・金融教育活動家として「誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーに、お金や経済の知識の普及に取り組む
【check01】リスキリング
時代が求めるスキルを磨く
新しい職業につくため、あるいは今の職業で求められるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得すること。近年では特にデジタル化によって生まれる新しい職業や、仕事の進め方が大きく変わると思われる職業のためのスキル習得を指す。職場で価値創出し続けるための学びなので、企業に在籍しながら行う。
【check02】リカレント教育
何度でも学び直せる社会へ
「リカレント(recurrent)」とは「繰り返す」、「循環する」という意味を持つ言葉。社会に出た後も、ひとりひとりの必要なタイミングで再び教育を受け、働く→学ぶ→働くを繰り返すこと。職を離れることが前提だが、日本では勤務を続けながら専門知識やスキルを学び直すスタイルも含まれ、「社会人の学び直し」とも呼ばれている。
【check03】ディープテックスタートアップ
社会課題解決を目指す企業の力
「ディープテック」とは、生活スタイルを大きく変えたり、社会課題を解決したりする可能性を持つテクノロジーのこと。「スタートアップ」とは革新的なアイデアで短期的に成長する企業。つまり、世界を変える可能性があるテクノロジー開発に取り組む企業ということ。これから伸びるトレンド分野として注目を集めている。
【check04】サーキュラーエコノミー
これからの新しい経済システム
「循環型経済」と呼ばれ、これまで廃棄されていた製品や原材料などをリサイクル・再利用前提でデザインし、循環させる経済システム。原則は①廃棄物と汚染を生み出さないこと。②製品や素材を高い価値のまま流通・循環させ続けること。③自然を再生させること。資源を最大限に生かす循環型の仕組みは社会課題の解決にもつながる。
【check05】人的資本
企業の人材に対する意識が変化
これまで企業の「コスト」と考えられていた人材を、知識やスキルなどの付加価値を生み出す「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方。モチベーションアップや企業利益のために個人の知識や能力、資質などに投資するという意味でも使われる経営のトレンドワード。
【check06】資産所得倍増プラン
時代はさらに貯蓄から投資へ
日本政府が提唱する新しい資本主義の経済政策。個人の資産を積極的に運用することで、安定的な資産形成の実現を目指すもの。老後資金を準備する手段として投資活用を促し、投資の増加による日本経済の活性化が目的と考えられる。具体的な内容としてはNISAの拡充、iDeCoの制度改革、金融教育の実施などが想定されている。
私たちはこれからどうやって経済と向きあえばいい?
「まず、今の状況を知ることが第一歩。そして、自分の生活とどう関係しているかを意識してみること。そうすれば、自分にとってプラスになる制度がわかったり、刻一刻と変化する情勢に対して冷静に備えられたり、“能動的に”経済と向きあうことができるように。知ることで、ぜひ気づきのチャンスを得てください!」(横川さん)
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イラスト/sino 取材・原文/国分美由紀 ※企画内に記載のある為替相場や税率などは2022年11月時点のものです ※MORE2023年2月号掲載