ちょっぴり自信がない心にスパッと刺さる言葉たち。

二宮和也スペシャルインタビュー
華やかなステージでのきらめくパフォーマンス、映画やドラマでのシリアスな演技、バラエティ番組でのひょうひょうとしながらもキレのあるトーク。どんなシーンにおいても、唯一無二の魅力を輝かせている二宮和也さん。8月11日公開の映画『TANG タング』では、人生迷子のダメ男を演じ、旧式のロボットとの“ポンコツ”コンビで大冒険。そんな彼に、そっと聞いてみた。仕事に人間関係にポンコツな私たち、どうすればいいですか?

2022年MORE9月号掲載企画から、インタビュー記事をお届けします。

KAZUNARI NINOMIYA

1983年6月17日、東京都生まれ。1999年、嵐としてデビュー。以降、音楽、演技、バラエティと多方面で活躍。2021年、YouTubeチャンネル『ジャにのちゃんねる』を開設。8月27、28日には同メンバーと『24時間テレビ』(日本テレビ系)のメインパーソナリティーを務める

Q. コミュニケーションを取るのが苦手です。特に、初対面の人たちとは何を話していいのかわからず困ってしまうのですが、打ち解けるコツはありますか?

“まずは、相手に興味を持つこと。共通の話題を探せば入りやすいんじゃないかな”

A. コミュニケーションを取るには、相手に興味がないと難しいよね。初対面の人と話しやすいのは、やっぱり何か共通する分野の話題、なんじゃない? オレの場合は、仕事で初顔合わせの人たちと話すことも多いけど、最初の話題は過去の作品のことや現場のことが中心だもんね。自分をコミュニケーション上手だと思ったことはないけど、言われてみれば基本的には自分から話しかけてるかな。でもそれは、たまたまその場に自分よりしゃべれる人がいなかったからかも。話題を出して、展開して、周りを見て、均等に振って……それをやってくれる人がほかにいるなら、いつでも任せて、受け手に回っちゃう(笑)。

Q. 職場のチームがうまく回らず悩んでいます。先輩に意見するのも、後輩を指導するのも難しい! チームワークをよくする秘訣を教えてください。

“先輩でも後輩でも、相手には期待しない。問題だなって思ったら、自分がやるしかないよね”

A. オレだったら……このチーム、問題だなって思った瞬間から、自分で仕切るかな。立場や年齢がどうであれ、相手には期待しない。だって、動かない電子機器とか、使おうと思う? 思わないでしょ? オレの仕事は、その人たちを仕上げることじゃなくて、作品や会社としての結果を出すこと。だから、できない人がいるんだったら、もうしょうがない。自分がやるしかないよね。そうすると、どんどん仕事が増えるから、評価や収入も上がったりして、うれしいこともあるかも(笑)。ただ、自分に教える責任がある後輩は、ちゃんと育てていかなきゃって思うよ。頑張ってる子や吸収しようとしてる子の場合は、どんな能力を持っているのかを見極めて、そこにアプローチしていけたらと思ってる。

Q. 真面目に仕事に取り組んでいるつもりなのですが、周りを見渡すと、ちょっとラクしている人のほうが楽しく働いているように見えます。なんだか損している気分……。

“今のポジションを選んだのは自分自身。別の立場に憧れるなら、そこに行く努力をしなきゃ”

A. 実は、今のポジションは、ラクな選択をした結果なんじゃない? この人にとっては、真面目なキャラでいるのがいちばんラクだったのかも。たとえば、間違えるのが怖いとか笑われたら恥ずかしい、とかいう理由で憧れてるポジションに行く努力をしなかったんじゃないかなぁ。楽しく働いてるように見える人は、その努力をしたんだと思う。だとしたら、こうなってしまった自分を受け入れるか、これから巻き返す努力をするか、しかないよね。

Q. 器用でカッコよくて、なんでもできるイメージの二宮さんにも、ポンコツなところってありますか?

“オレにも、ポンコツなところはあると思う。でも、そこをどう評価するかは相手次第なんじゃない?”

A. 見る人によっては、ポンコツなところもあると思うよ。器用でカッコいいイメージもそのとおりなんだろうけど(笑)、カッコ悪いところも、いっぱいあるはず。人のどこを見てどう評価するかは、相手次第なんじゃない? オレ自身は自分に興味がないから、自分が器用かポンコツか、カッコいいかカッコ悪いか、なんて気にしたことはないかなぁ。

『TANG タング』

映画『TANG タング』
妻に家を追い出された無職のダメ男・健(二宮)は、ある日、記憶をなくした迷子のロボット・タングと出合う。初めは旧式のタングを返そうとする健だったが、やがてタングの失った記憶を取り戻すため、世界をめぐる大冒険へ繰り出すことに。ふたりがその先で見つけた、“人生の宝物”とは——? 8月11日全国公開

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取材・原文/藤本幸授美