話題のステージの中から、キーワードに沿ったイチ押し舞台、そして2本のおすすめをご紹介します。

【今月のキーワード】野田秀樹×クイーン!?

広瀬すずが、ついに演劇の世界に足を踏み入れる。しかも記念すべき初舞台の作・演出を手がけるのは演劇界の重鎮・野田秀樹。さらにクイーンの楽曲を使用するというから、おもしろくならないわけがない! プロジェクトが始動したのは今から2年前。クイーンのアルバム『オペラ座の夜』の演劇性を、本当に演劇として広げられないかというオファーが“クイーンの周辺”から野田へ届いたという。そこで、彼なりにアルバムから得たインスピレーションを伝えたところ、ゴーサインが出たというのだ。ただし野田いわく、映画『ボヘミアン・ラプソディ』のようなクイーンの実話ではなく、『ロミオとジュリエット』の後日談を描くとのこと。そして“歌舞伎の夜”という副題は勢いでつけただけで、芝居はまったく歌舞伎ではないというから、常人が予測することは不可能だ。とにかく舞台は12世紀末の日本で、クイーンの名曲が使われることだけは確かとのこと。演劇とクイーン、そして豪華キャストがどんな化学反応を起こすのか。気になる全容を知るには、観にいくしかない!

大ヒットを記録した『ボヘミアン・ラプソディ』でも描かれていたように、『オペラ座の夜』は1975年にリリースされ、当時のイギリスのポップミュージック史上最高の製作費をかけたとされるクイーンの4枚目のアルバム。『’39』や『Love of My Life』をはじめ、オペラの雰囲気をまとった6分間におよぶ名曲『ボヘミアン・ラプソディ』など、アルバムに収録された12曲すべてが音楽史に残る傑作であり、人生で一度は聴くべき名盤!
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【今月のイチ押し☆ステージ】「『Q』:A Night At The Kabuki」
『ロミオとジュリエット』をベースに、2人のロミオと2人のジュリエットが登場する野田秀樹の2年半ぶりの新作。松たか子、上川隆也、広瀬すず、志尊淳をはじめ、竹中直人、橋本さとし、羽野晶紀ら日本を代表する豪華な顔合わせが実現。◆10/15まで 東京芸術劇場プレイハウス(地方公演あり) ●NODA・MAP ☎03・3468・8017(全公演当日券あり)
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『オペラ座の夜』
その収録曲の配列にまでクイーン独自のこだわりが詰まった本作は、シャッフルやランダム再生ではなく曲順どおり丸ごと聴くことが音楽ファンの間では推奨されている。ぜひそのとおりに楽しんでみて。 ¥2979(ユニバーサル ミュージック) 
©ユニバーサル ミュージック

オススメステージは、『50Shades!~クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』と「市川海老蔵第五回自主公演 ABKAI2019~第1章 FINAL~『SANEMORI』」。

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『50Shades!~クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』
ハリウッドで映画化もされた官能小説のパロディであり、エロとコメディをかけ合わせたおバカな世界観で話題を呼んだミュージカルが3年ぶりに再演。初演に続き脚本・演出は河原雅彦が務め、主役のグレイには舞台経験も豊富な浜中文一が扮し、他キャストは一新される。◆11/15〜24 新宿FACE(地方公演あり) ●サンライズプロモーション東京 ☎0570・00・3337
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「市川海老蔵第五回自主公演 ABKAI2019~第1章 FINAL~『SANEMORI』」
歌舞伎になじみのない若い世代にも気軽に足を運んでもらうため、市川海老蔵が2013年からスタートした人気公演。今年は『滝沢歌舞伎ZERO』で主演を務めた経験もあり、デビューも決まって勢いに乗るジャニーズJr.のSnow Manから、宮舘涼太と阿部亮平が初めて参戦! ◆11/5〜25 Bunkamuraシアターコクーン ●Zen-A(ゼンエイ) ☎03・3538・2300
原文/松山 梢