新型コロナウイルスの感染拡大によって、今までの働き方や価値観のアップデートが求められてる昨今。あらゆるものごとが猛スピードで変化する渦中にいる私たちは、今、キャリアとどう向きあったらいいのか? そのヒントとなる考え方をプロに教えてもらいました。

教えてくれたのは、『リクルートキャリア』のみなさん

岩山笑子さん
ハイキャリア領域のコンサルタントで、主にIT領域を担当。今までに、約500名ほどの転職実現をサポート
小松麻美さん
事務職全般を担当するキャリアアドバイザー組織のマネジャー。地方への転職サポートをしていた経験も
高島優花さん
モア世代の広報担当。中途採用市場に関するレポート作成なども行う。地方×副業などの事例取材も

Q. リモートでも仕事ができることに気がついてしまいました。今後、この働き方は、社会全体で主流になっていきますか?

リモートワークが進み、地方移住や就職を検の画像_1
リモートワークが進み、地方移住や就職を検の画像_2
「フレックスタイム制」や「リモートワーク」の導入が進みます。
「新型コロナウイルスが流行する前から、IT業界を中心に進んでいた、『フレックスタイム制』や『リモートワーク』という働き方。上の図を見ると、パソコンで仕事が可能な職種を中心に、71%の人が新型コロナウイルスの影響でリモートワークを始めたという結果が出ており、社会に積極的に導入されていることがわかります。この働き方は、大企業だけにとどまらず、中小企業にも波及し、社会全体がこういった働き方を取り入れていくでしょう。たとえば、すでに複数の大手企業が、緊急事態宣言後も在宅勤務を標準化していく方針を公表し話題に。そうすると、それらの関係企業にも少なからず影響が出てくるため、今後はIT業界や都心部に限らず『フレックスタイム制』や『リモートワーク』が進んでいくので注目してみてください」(岩山さん)

Q. 地方就職に興味はあるけど、未知数です……。これからの時代、地方で働くメリットとデメリットを教えてください!

異業種転職のチャンスが転がっている!
「これまでの都市集中型から、今後は企業や人の地方分散が進むと予想されています。そんななかで、現状としての地方就職のメリットは“異業種転職”がしやすい点です。都心に比べると求人の総数は少ないですが、若い世代の人材不足に悩む地方企業では、スピード感のある都市で働いてきた経験が評価され、未経験の職種でも採用されるケースが多くあります。また、都市部に比べると残業が少ない傾向だったり、物価や家賃が安いので生活費を抑えられる点も魅力。現状のデメリットは、給与の相場が都市部よりも低いことが挙げられますが、今後地方分散が進めばそういった格差が縮まっていく可能性も。今こそ個々の企業をリサーチして、地方で働く“リアル”を知るチャンスです」(小松さん)

Q. リモートワークを経験し、都心で働き続けることに疑問を持ち始めました。でも、急に地方で働くのも不安です……。

「ふるさと副業」で、地方で働く体験をして考える。
「ひとつの手段として、リモートワークが可能な地方企業で副業(=『ふるさと副業』)をしてみることをおすすめします。そうして、地元や愛着のある地域とつながることで、地方での人脈形成や働くイメージの具体化ができるようになり、UターンやIターン就職をするかの決断がしやすくなります。『ふるさと副業』の一例では、将来的に出身地への恩返しにつながる経験を積むために、まずは求人募集のあった地方企業の新規事業のサポートを始めてみた、という事例もありました」(高島さん)

今気になっている地方との関わり方は?

地方で働くことを意識し始めたら、候補に入れたいワークスタイル。

ふるさと副業

地方移住せずに、副業という形で地元や気になる地域に関わることができる「ふるさと副業」が、ここ数年で急成長中。人材や新たな知見、ノウハウ不足に悩む地方企業と、地域貢献や仕事のやりがいを模索する都市部で働く人のマッチングが行われている! 完全リモートワークや月数回の現地訪問など、本業のワークスタイルに合う求人を『BizGROWTH』や『ふるさと兼業』、『SkillShift』といったサービスを通して探してみるのがおすすめ。

地域おこし協力隊

総務省の取り組みである『地域おこし協力隊』制度は、地方自治体が、「地方で暮らしたい」、「地域社会に貢献したい」といった都市部で生活する人を、「地域おこし協力隊員」として任命。委託された人は、地域の魅力PR、イベントの企画・運営など、自分の持つスキルを使って、派遣先地域の活性化のための活動を、一定期間行うというもの。各都道府県のサイトに、募集情報があるので、どんな場所でどんな仕事があるかを要チェック。
取材・原文/海渡理恵 監修/岩山笑子 小松麻美 高島優花(3人ともリクルートキャリア)