『愛の不時着』超えの視聴率!2024年上半期の大ヒットドラマ『涙の女王』【韓ドラオタクおすすめの1本】
最高視聴率27.3%!『愛の不時着』超えのロマンチックコメディ
韓国ドラマ大好き! なライターが、ぜひおすすめしたい作品を紹介する不定期連載コラムです。
今回は、破綻寸前の夫婦に再び愛が芽生えるラブストーリーを描き、韓国で大ブームを起こした『涙の女王』のあらすじと見どころを紹介します。
『涙の女王』
全16話
出演:キム・スヒョン、キム・ジウォン、パク・ソンフンほか
Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
あらすじ
ソウル大学法学部出身の弁護士ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)。実家が地元の名士で“スーパーマーケットの王子”とも呼ばれる彼は、財閥クィーンズグループの3代目で、クィーンズデパートの社長ホン・ヘイン(キム・ジウォン)と結婚する。財閥家の婿となったヒョヌは皆が羨む“逆玉の輿”だが、結婚3年目を迎えた夫婦仲は最悪。冷淡な性格のヘインにも財閥の尻ぬぐいをする生活にも限界を感じ、離婚を決意する。そんな折、ヘインが余命3カ月であることが発覚。ヒョヌは計画を変更し、遺産を受け取るために愛妻家を演じることを思いつく。一方、ヘインの大学時代の友人で投資家のユン・ウンソン(パク・ソンウン)は韓国に戻り、クィーンズグループに接近する。ウンソンの登場によりヒョヌ&ヘイン夫婦の関係にも変化が……。
ここが見どころ!
本作は、昨今の韓国ブームの起爆剤となった『愛の不時着』を手掛けた作家パク・ジウンの新作であり、韓国で『愛の不時着』の視聴率を超えた大大大大大ヒットドラマ。下半期放送予定のドラマを含めても2024年トップ3に入ること間違いなし。4月28日に最終回を迎えたので、イッキ見派も今からスタートしちゃってください!
W主演を務めるのは、『サイコだけど大丈夫』のキム・スヒョンと『私の解放日誌』のキム・ジウォン。
キム・スヒョンは『ある日~真実のベール』以来、約3年ぶりの連ドラ出演となり、パク・ジウン作家の作品に出演するのは『星から来たあなた』、『プロデューサー』に続いて3度目。歴代の2作品も大ヒットを記録している名作であり、韓ドラ好きにはたまらない最強タッグなのです。(『星から来たあなた』のド・ミンジュンが大好きなので両手を合わせて感謝しました)
一方、キム・ジウォンも『相続者たち』、『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』などで人気を博す俳優。『太陽の末裔Love Under The Sun』のクールなボブヘアのエリート軍医の、あの子です。
社会現象を巻き起こしてきた大ヒットドラマの俳優陣&作家が集まった本作は、「あっ!」となる粋な演出が盛りだくさん。ドラマ冒頭で描かれるヒョヌとヘインの挙式シーンは、『愛の不時着』から誕生したビッグカップルであるヒョンビン&ソン・イェジン夫婦の結婚式をオマージュ。景色のいい屋外の式場であること、花のアーチなど一瞬でピンとくる演出となっています。
『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』で大ブームとなった「私はかわいこぶってるんじゃなくて、かわいく生まれてきただけなんだもん」というキム・ジウォンの愛嬌シーンを、本作でキム・スヒョンがパロディしていたり(なんとアドリブだそう!天才!)、ヒョヌがカウンセリングを受けるクリニックの精神科医役として『サイコだけど大丈夫』で兄サンテ役を演じたオ・ジョンセが特別出演したりと、第1話だけでも至る所にドラマファンを楽しませる仕掛けが施されていて、まるで同窓会のような、懐かしくうれしい気持ちになれるところも視聴者をぐぐぐっと引きつけたのではないでしょうか。
“デパート業界の女王”と呼ばれるヘインは、内にも外にも敵の多い環境の中で後継者最有力候補まで登り詰めた強さを持つ女性。美貌も実力も名声も兼ね備えたヘインの根拠のあるプライドの高さは清々しく、「ヘイン姫」と呼びたくなるヒロインです。
そんなヘインは、ヒョヌへの態度も冷たいうえに、財閥一族の婿となり肩身の狭い思いをしている夫を気遣うこともなく、なんなら家族の集まりにわざと遅れて呼ぶという自己中っぷり。そりゃ夫婦の愛も冷めるわ……と思ってしまいますが、実はヒョヌのことを大切に想っていて、集まりに遅れて呼んだのも意地悪な家族からヒョヌを守るため。ヒョヌに横柄な態度をとる弟を裏で懲らしめるなど陰で盾となってあげているのですが、それがヒョヌに伝わっていないという不器用さが愛らしい。
ヒョヌが遺書を書き換えてもらうために突然優しくなっても、ヘインは“まったく。私のこと大好きなんだから”というように100%ピュアに受け取ってしまうところにもきゅん。世紀のNewツンデレヒロインが爆誕しました♡。
財閥令嬢ということで衣装も華やか。ヘインの衣装は計166着にもなるそう!うっとりするハイファッションの着こなしにも注目してください。
離婚したいけれど財閥家からの報復に怯えていたヒョヌは、ヘインが余命僅かだと知り、3ヵ月我慢すれば円満に別れられるとニヤリ。さらに、ヘインが結婚前に「ヒョヌに遺産を渡さない」という遺言書を書いていたことを知り、遺書を書き換えてもらおうと愛しているフリをするのですが、ここでキム・スヒョンのコメディ演技が炸裂! ヘインが息をしているか確かめようと顔を近づけたところ、寝ていたヘインが目を覚まして思わずキスで誤魔化したり、会議中にヘインが咳込んだだけで「救急車を呼んでください!」と指示したり。ヘインの病状について説明を受けるシーンでも、言葉は心から妻を心配している夫だけど、顔には「治られてしまっては困る」と書いてあって、オーバーでチグハグなヒョヌがおかしくてかわいい!!
そうしているうちに、だんだんとヘインへの愛が復活していくヒョヌ。そんな自分を否定しつつも、ヘインのピンチには必ず駆けつけちゃうんだからかっこいい。商談のチャンスを掴みに出席したパーティーで、参加者たちがほぼパートナー同伴だと知ったヘインが少し自信をなくしていると、さくっと裁判に勝訴して一番大事な場面ですっと横に現れたり、ヘインを襲おうとするイノシシを一発で仕留めたりだとか、かっこいいモードのヒョヌはまさにスーパーマン。ドラマを見ながら何度「ペク・ヒョヌー!!!!」と叫んだことか。
そして、ドラマのタイトルにあるように、本作は涙の演技もすごいんです。全16話でキム・スヒョンが涙を流したシーンは計40回(!)にも及び、くすっと笑える涙から、ヘインへの深い愛情が滲む涙、泣き叫ぶ姿などなど、キム・スヒョンの多彩な泣きの演技はさすが。主演2人の演技に引き込まれて、おもしろいのに涙が止まらない状態に。
本作は悪役たちの演技も輝きまくり。『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』のチョン・ジェジュン役でおなじみのパク・ソンフンが今回もド級の悪役を熱演しています。
アメリカ・ウォール街で実績を積んで戻ってきたユン・ウンソン。パーティー会場でヒョヌと初対面にもかかわらず「僕たちいい関係だったんでね」と挑発するなど、序盤から嫌~なオーラ全開。仕事に絡めてヘインの横をキープするわ、え?図々しくないですか? とツッコミたくなるくらいクィーンズグループ邸宅に入ってくるわ、夫婦だけでなく財閥一族を蝕むような不気味さは鳥肌もの。
学生時代からずっとヘインが好きだった……みたいな、一途な2番手男子なわけがありません。巨大な企みを持って夫婦仲を壊そうとするウンソンにイライラ!いや、イッッッッッッライラ!!一方で、獲物を定めるようなギロリとしたウンソンの目つきは、ゾクッと背筋が凍るほど。こんなに嫌いになれるのも、パク・ソンフンの演技力の賜物にほかなりません。打ち上げのフォトセッションで「ウンソンを憎んでも、僕のことは憎まないでください」と語るのも納得の悪役ぶりを見せてくれたパク・ソンフン。彼のおかげで物語がさらに盛り上がったのは間違いありません。
彼のほかにも、クィーンズグループの会長の愛人モ・スリ、セレブ専門の敏腕仲人でヘイン一家の執事であるグレイス・コといった敵がヒョヌ&ヘインを苦しめていきます。
ヒョヌ&ヘインのすれ違ってるのに噛み合ってるやりとりに笑い、2人の純愛に涙し、悪役たちにキーッ!となり、感情がジェットコースターのように揺さぶられる展開は満足感、満腹感たっぷり。悪役にイライラしたら、YouTubeで公開されているドラマのメイキングを観てください。みんなチャーミングでいい人です(笑)。
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『涙の女王』
全16話
Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中