心のデトックスに! 新米医師の奮闘を描く『いつかは賢いレジデント生活』が泣ける【韓ドラオタクおすすめの1本】
予習なしでも大丈夫! 名作ドラマ『賢い医師生活』のスピンオフ
韓国ドラマ大好き! なライターが、ぜひおすすめしたい作品を紹介する不定期連載コラムです。
今回は、レジデント1年目の男女4人が主人公のメディカルヒューマンドラマ『いつかは賢いレジデント生活』のあらすじと見どころをご紹介します。
『いつかは賢いレジデント生活』
全12話
出演:コ・ユンジョン、シン・シア、カン・ユソク、ハン・イェジほか
Netflixシリーズ「いつかは賢いレジデント生活」独占配信中
あらすじ
クリニックを辞めてニートをしていたオ・イヨン(コ・ユンジョン)は、借金返済を迫られ、過去にインターンをしていたユルジェ病院にしぶしぶ復帰する。ピョ・ナムギョン(シン・シア)、オム・ジェイル(カン・ユソク)、キム・サビ(ハン・イェジ)と同期となり、命の誕生と悲しい別れが交差する産婦人科でのレジデント生活が幕を開ける。
ここが見どころ!
本作は、2020年にスタートし、シーズン2まで制作されている大ヒットドラマ『賢い医師生活』のスピンオフ作品。当初、『涙の女王』の後続枠として2024年5月に放送される予定でしたが、韓国でレジデントが集団辞職するなどの大規模な医療ストライキが勃発。本作も混乱の余波を受け、2度の放送延期を経て待望の放送・配信となりました。
シリーズものって途中から見るにはハードルが高いものですが、本家をまだ観ていないという人もご安心を。ソウルの総合病院「ユルジェ病院」で働くベテラン医師5人組の日常を描いた本家の雰囲気を受け継ぎつつ、本作はユルジェ病院の分院に舞台を移し、産婦人科のレジデント(研修医)たちの成長を描く独立したストーリーになっています。
今後の活躍が楽しみなキャストたち
新米医師が主人公ということで、メインキャストもフレッシュな顔ぶれが勢ぞろい。
不愛想で覇気がないオ・イヨンを演じるのは、『還魂2』『ムービング』などで存在感を放ち、主演級俳優に急成長中のコ・ユンジョン。イヨンの高校の同級生で、おしゃれや恋愛への関心も高いピョ・ナムギョン役に、映画『THE WITCH/魔女 -増殖-』で一躍注目を浴び、本作が連ドラデビューとなるシン・シア。元アイドルという異色の経歴を持つ愛嬌たっぷりなムードメーカーのオム・ジェイル役に、『おつかれさま』でのエスンの息子役が記憶に新しいカン・ユソク。医学部も国家試験も1位の超秀才キム・サビ役を演じたハン・イェジは、なんと本作でデビュー。
左からハン・イェジ、シン・シア、コ・ユンジョン、カン・ユソク
“本家の生みの親”で、本作のクリエイターを務めるシン・ウォンホ監督は、「最初から自分の職業に強い使命感を持っている人は少ない。毎日仕事をこなす中で哲学を見つけていく姿を描きたかった」と語っています。チャンスが巡ってきてもイヨンが「いえ、大丈夫です」と断るのは、やる気だけじゃなく自信がなかったのかもしれないし、思ってもみなかったタスクの連続に「こんなはずじゃないのに!」と不満が溜まるナムギョンも、頑張っているけれど実力がついてこないジェイルも、模範解答が正解とは限らないということを学んでいくサビも。絶対的安心感がある「99ズ」こと本家のメインキャラクターたちとは違い、イヨンたちは未熟なところが多く叱られてばかり。それこそが本作の魅力で、99ズも新人の頃はこうだったのかなと想像し、時には自分と重ねながら応援したくなります。
最初はお互いに無関心だったイヨンたちが、同期から仲間になっていく過程も見どころ。向上心の高さゆえに嫉妬したり、教授のいざこざに巻き込まれて意思に反して喧嘩しちゃったりするけれど、一致団結して命と向き合う姿に胸が熱くなります。
そこに誕生と別れの物語も絡んできて、温かさや優しさ、時には切なさに涙が止まらない状態に。本家もほぼ毎話ホロリと来ていたのですが、今回はもう泣きっぱなしでした。ドラマティックな展開に泣かされるタイプの作品だったら途中で疲れてしまうけれど、チムジルバン(サウナ)でサラサラの汗を流すように涙が溢れてくるのが本シリーズの持ち味。観終わった後、目は真っ赤で鼻ズビズビだけど心はすっきり。各話1時間強で、いつも50分くらいは泣いてたかもしれません。(泣きすぎ)
そして、人気カップルを多く生んだ本家同様、胸キュン要素もあります。イヨンとラブラインになるのは、レジデント4年目で指導係のク・ドウォン(チョン・ジュンウォン)。イヨンたちのミスをフォローしてくれて、嫌な先輩からさりげなく助けてくれて、ダメなところはきちんと指摘してくれる。イケメン枠ではないはずなのに、頼もしすぎてイケメンに見えてくるんです。そんな沼キャラで視聴者をときめかせたチョン・ジュンウォンは、芸歴10年目の37歳。さまざまな映画・ドラマで培った確かな演技力と、本作で見せたリアルな彼氏感で今後はさらに活躍していきそう!
K-POPから多数参加! OSTも人気
見どころを語り出したらキリがないのですが、もう2点だけ!
まずはOST。SEVENTEENのドギョム、Stray Kidsからはリノ、スンミン、I.N、aespaのウィンター、IVEのユジン、EXOのディオ、i-dleのミンニらが参加しています。K-POPアイドルがOSTに参加するようになって久しいですが、これほどまでに旬なメンバーを集めることができるのは、本シリーズが幅広い世代から愛されているからこそ。若い世代が盛り上げるという点がドラマと共通していて、何とも粋です。
その中でも特に好きな2曲を紹介させてください。
まずは、ドラマ内でジェイルが過去に所属していたアイドルグループ「HI-BOYZ」の「When the Day Comes(その日が来たら)」。なんとTOMORROW X TOGETHERのスビンとヨンジュンがメンバーとして参加しているんです。豪華~!
ちょっと懐かしい爽やかなメロディーが好きすぎるし、「その日が来たら言うよ。僕の人生は全て君だったと」というサビの歌詞もたまらない! 同曲は韓国の大手音楽配信サイト「Melon」でTOP100にランクインするヒットを記録し、なんとドラマの世界を飛び出して本物の歌番組にも出演しました。YouTubeで見られるのでぜひ。カン・ユソクが歌と踊りを頑張っています!
もう1曲は、主人公4人が歌う「달리기(A Race)」。Nodanceというユニットが1996年に発売した曲で、現在までさまざまな歌手がカバーしている名曲です。作ったのは、RIIZE・アントンの父としても知られる作曲家のユンサン。
もともとS.E.Sがカバーしたバージョンが好きでよく聴いていた曲だったので、個人的にうれしい選曲でした。出だしの「疲れましたか? つらいですか? 息苦しいですか? 仕方ないですよね、始めてしまったことだから」という歌詞が、右も左もわからないまま目の前の患者と向き合うしかないイヨンたちとリンクしているし。コ・ユンジョンが歌いだしを担当しているのですが、落ち着いた声が心に染み入ります。どれもすてきな曲なので、ぜひチェックしてみてください。
本家から豪華俳優陣が続々登場!
そして最後は、我らが愛する本家キャラクターたちの豪華カメオ出演。イクジュン(チョン・ジョンソク)、ソンファ(チョン・ミド)、ジュンワン(チョン・ギョンホ)、ジョンウォン(ユ・ヨンソク)、ソッキョン(キム・デミョン)の99ズは、カメオ出演に加えて、おなじみのバンド「ミドとパラソル」としてOSTにも参加! そのほか、チュ・ミナ先生(この呼び方で慣れてしまった)を演じたアン・ウンジン、ギョウル役のシン・ヒョンビン、イクスン役のクァク・ソニョン……と、まだまだほかにも! シン・ウォンホ監督と『恋のスケッチ~応答せよ1988~』で縁のあるラ・ミランが第1話に登場して盛り上げてくれるし、関連バラエティ番組を手掛けたナPDと、さらにはシン・ウォンホ監督まで(笑)。シリーズファンとしては、毎回誰が出てくるんだろうというワクワク感も満載なのです。
そして、先輩たちが後ろから次世代をサポートするのはドラマの中だけじゃありません。演出は今回が初の連ドラとなるイ・ミンス監督が手掛け、本家でアシスタントをしていたキム・ソンヒ作家が脚本を担当しています。本家のシン・ウォンホ監督×イ・ウンジョン作家はクリエイターとして参加し、親のような気持ちで見守っていたとのこと。いいなあ、この感じ。
ストーリーからキャスト、OSTに制作陣まで、とにかくフレッシュだったスピンオフ。本家に関してはシーズン2終了時に「シーズン3の予定はない」という報道がありましたが、これからもしぶとく続編を祈りつつ(10年後でもいいから! )、レジデント4人が99ズのように立派な医師として活躍する未来も観てみたいです。
配信情報
『いつかは賢いレジデント生活』全12話
Netflixシリーズ「いつかは賢いレジデント生活」独占配信中
韓国系ライター。K-POPアイドル、俳優にインタビューを行い、現在はソウルと東京を行き来して活動中。美容/コスメ好きで、美容雑誌やWEBマガジンでは韓国美容のコラムを担当。私生活でも3日に1度はポーチに新入りコスメが増える。韓国人ビューティユーチューバーのメイク動画を見るのが癒し。