【神木隆之介さんインタビュー】朝ドラ『らんまん』は「失敗すればするほど成功に近づくことを学べるドラマ」 撮影秘話やドラマの見どころを語る
神木隆之介プロフィール
オフィシャルサイト:神木隆之介(Ryunosuke Kamiki) | Co-LaVo Inc.
- 次なる朝ドラの主人公は、植物学者の牧野富太郎がモデルに!
- ネクスト主人公・神木隆之介が語る、朝ドラ撮影秘話!
- 浜辺美波さんと志尊淳さんが大きな支えに
- オフの時間も大切にする。「神木流・リフレッシュ」のイロハ
次なる朝ドラの主人公は、植物学者の牧野富太郎がモデルに!
4月3日スタートの連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合ほか)で、主人公の植物学者・槙野万太郎を演じる神木隆之介さん。オファーを受けた際には驚きすぎて、「僕がヒロイン?」と勘違いしてしまったそう。幕末から明治、そして激動の大正・昭和を舞台にした、物語の魅力を語っていただきました。
久しぶりの男性主人公は、実在の植物学者がモデル!
──『らんまん』で演じる槙野万太郎は、実在の植物学者、牧野富太郎をモデルにしているそうですが、どんな物語なのでしょう?
「僕が演じる万太郎は、植物の魅力にとりつかれ、秘めた才能を発揮していくキャラクターです。異文化に触れながら世界に目を向け、新しいチャレンジをしていく過程は、今回の作品の時代背景である明治から大正、昭和にかけた激動の時代にぴったりだと思います。
ただ、彼は高知県で酒造業を営む名家に生まれた人なので、時代的には跡取りとして家業を継がなければいけない立場。そんな状況の中でも、自分の好きなことに挑戦していく万太郎の姿は魅力的だし、応援してもらえると思います。ただし、一方的に万太郎の思いが描かれていくだけでなく、家業を守りたいと願う佐久間(由衣)さん演じる万太郎の姉の綾の言い分もしっかり描かれます。きっと、どちらの思いにも共感してもらえると思います」(神木さん、以下同)
──万太郎を演じる上で、意識していることは?
「感受性が豊かなところと、探究心が人一倍強いところですね。彼がそのときに何に興味があって、何に突っ走っているのか、表情豊かに演じたいと思っています。悲しいときは本当に悲しい顔をするし、うれしいときは本当にうれしい顔をする。嘘をつけない人だし、僕もそんな万太郎が大好きです」
20代~30代の方にこそ是非見てほしいドラマ
──神木さんと万太郎の似ている部分は?
「オタクなところですかね(笑)。僕も趣味がいっぱいありますし、知らないことがあったら突き詰めて調べていきたいと強く思っているので、その考え方は一緒だと思います。あとはお調子者の部分も似ています」
──現在29歳の神木さんと、ちょうど同世代のMORE読者に特に注目してもらいたいポイントは?
「酒蔵の跡取りという立場を捨てて、自分のやりたいことを実現させるために新しい世界に飛び込んでいく万太郎の生き方から、きっと一歩踏み出す勇気をもらえると思うんです。僕らの世代はたぶん、仕事でプロジェクトを任されたりと、新人時代に比べてより責任を持つ立場にあると思います。ある程度自由に仕事ができるようになってきたからこそ、前例がないことでも、万太郎のように積極的に『私はこれに挑戦してみたいんです!』と熱意を持って動いてほしい。たとえ失敗したとしても、上司に『すみませんでした!』と謝ればきっと大丈夫だと思いますから(笑)。失敗すればするほど成功に近づくことを学べるドラマだと思うので、ぜひ同世代の方にも見てもらいたいです」
ネクスト主人公・神木隆之介が語る、朝ドラ撮影秘話!
4月3日スタートの連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合ほか)で、主人公の植物学者・槙野万太郎を演じる神木隆之介さん。昨年10月から始まり、長い作品では約1年にも及ぶといわれる朝ドラの撮影。かなり過酷なイメージがあるけれど、神木さんが主演する『らんまん』の現場では、常に笑顔が絶えないそう。その理由とは……?
主演がいちばん楽しむ、ふざける、アドリブも満載に
───『らんまん』の主演として、現場で心がけていることはありますか?
「長丁場の撮影なので、真面目に取り組むだけだときついと思うんです。まず、ふざけていないといられない僕が、誰よりもきついんで(笑)。なるべく楽しく進めていけるように、リハーサルやテストの合間に変顔をしてみたり、アドリブを適当に入れてみたり。遊び心を大切にしています。もちろん真面目なシーンでは気合を入れますけど、共演者の方々が『あ、この作品は軽やかで気楽な現場なんだ、よかった』と思ってくれる状況をつくりたくて。その空気をつくることができるのは主演だと思うので、僕がやってもらえたらうれしいなと思うことを、意識して実践するようにしています」
浜辺美波さんと志尊淳さんが大きな支えに
──現場には笑顔があふれているんでしょうね。
「まず僕自身がめちゃくちゃふざけているので、共演者の方々やスタッフさんも、みなさん笑ってくれていますね。建前的には僕が主演ではありますが、役者チームの代表なだけであって、関わってくださるスタッフさん全員含めてひとつのチーム。みんなが余計な気を使わずに笑って現場にいてくれる姿を見るとすごくうれしいし、僕自身も元気をもらえます。
キャストに関していうと、僕が演じる万太郎が生まれた酒蔵の番頭の息子・竹雄を演じる志尊(淳)君とか、妻の寿恵子を演じる浜辺(美波)さんとか、大半が過去に共演させていただいた方ばかりで。特に志尊君と浜辺さんは物語の中で常日頃一緒にいる設定なので、信頼しているふたりが近くにいてくれることが、僕にとってすごく大きな安心感につながっています。まあ、ふたりは僕の扱いに慣れていますしね(笑)」
──神木さんの扱い方とは……?
「僕はよく、同じ話を何回もしちゃうクセがあるんですけど、あのふたりはそれを何回目だろうと適当に聞き流し、あしらってくれるんです(笑)。『そっかそっか、へー』みたいに。めちゃくちゃゆるいけど、それでOK。僕にとってはその関係性がありがたいんです」
真面目に恋をする、初々しいシーンが見どころ
──浜辺さんとは、映画『屍人荘の殺人』で共演されていましたね。
「『屍人荘の殺人』はコメディタッチだったので、『キスしそうな距離までもっと近寄って!』みたいに監督から言われても、照れることなく、面白おかしく撮影していました。今回は可愛らしい部分もありながら、真面目に恋をして、信頼しあって結婚していく関係性になるので、お互いにドキドキするシーンではちょっと照れるんです(笑)。『屍人荘の殺人』では見られなかった、そういう初々しさを楽しんでもらえると思います」
──浜辺さんは、神木さんから見てどんな存在?
「将来が楽しみな妹って感じですね。『屍人荘の殺人』の頃から感じていましたけど、みーちゃん(浜辺さん)はエッジのきいた感性の持ち主というか。僕の中には全くない表現方法や言葉の使い方をする方だし、すごく面白みのある唯一無二の存在だなと思っています。演じる寿恵子にどうやって自分の感覚を取り入れていくのか、夫役としてすごく楽しみにしています」
オフの時間も大切にする。「神木流・リフレッシュ」のイロハ
4月3日スタートの連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合ほか)で、主人公の植物学者・槙野万太郎を演じる神木隆之介さん。アニメや鉄道、写真など、多くの趣味を持つ彼は、絶賛撮影中の現在もオフの時間を大切にしているそう。撮影を乗り切るために欠かせない、意外なリフレッシュ法とは?
休日は台本を一切開かない
──神木さん自身が撮影を乗りきるためにしているリフレッシュ法は?
「メリハリをつくるのがいちばん大事だと思っています。休めるときは、とにかく朝ドラのことを考えないように、台本も一切開かないし、セリフも覚えない! 朝ドラはちゃんとリハーサルの日が設けられているので、そこで覚えるようにしています。今回は土佐弁のセリフがあるので、方言指導の先生と練習をするときは台本を開きますけど、それくらいですね。意識的にオフにしないと、常に朝ドラのことを考えてしまうし、休みの日でも休んでいる気持ちにならなくなっちゃうので」
──ほかの作品とは、取り組み方が違うんですか?
「そうですね。まあ、ほかの作品でも僕はあまり台本を見ないタイプなんですけれど……(笑)、今回の朝ドラに関しては意識的にさらに開かないようにしているかもしれません」
オフの日は、ひたすらゲームと一人カラオケが定番コース
──オフはどう過ごすことが多いですか?
「ひたすらゲーム、ゲーム、ゲーム! あとはネットを見たり、ひとりカラオケに行ったり、買い物に出かけたり。友達ともたまに外食しますけど、お酒を飲まないし、お店が閉まったら帰るだけ(笑)。とにかく、撮影の世界観とまったく違うことをすることで、リラックスできる気がします」
──特に没頭できるのは?
「ひとりカラオケですね。もうこれは中学生くらいから変わらない趣味。最長5時間歌ったこともあります。普段でも1〜2時間。どれだけ時間がなくても、1時間は歌いたいです」
──特に歌っていて気持ちいい曲は?
「最近だったらAdoさん! ただ、高音が出る曲と出ない曲があって。『逆光』はギリギリ歌えるんですけど、『永遠のあくる日』っていう、いちばん好きな歌がめちゃくちゃ難しくて。うまく歌えるように、頑張って練習しています」
──撮影に影響は出ない?
「……出ないように、なんとか喉をつぶさないギリギリのところで歌うんです(笑)。そうやって好きなことに没頭できる時間が、長い撮影を頑張る原動力になっています」
撮影/大辻隆広 ヘア&メイク/MIZUHO(vitamins) スタイリスト/カワサキタカフミ 取材・文/松山梢