関ジャニ∞丸山隆平の幸福学!

この日、撮影現場ではあちこちから大きな笑い声が聞こえてきた。その原因はもちろん彼。昔からの友人のようにフランクに話しかけ、あっという間に現場にいる全員を笑顔に変えてしまった。周りに笑いと幸せを届ける「関ジャニ∞」の心優しきムードメーカー。丸山隆平さんが考える、「幸せってきっとこういうこと」。

丸山隆平さんプロフィール

まるやま・りゅうへい●「関ジャニ∞」のメンバーとしてはもちろん、『サタデープラス』のメインキャスターを務めるなど幅広く活躍。また、ドラマ『着飾る恋には理由があって』やブロードウェイミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の演技も話題に。俳優としても注目を集めている。9月25日から舞台『パラダイス』で主演を務める。
[目次]
  1. “自分のできること”で周りの人を幸せにする
  2. 大切な仲間は笑顔でいてくれるだけでいい
  3. ちょっとしたことで自分を幸せにする
  4. エンターテインメントで幸せを届けあう
  5. 丸山隆平の幸福って?

“自分のできること”で周りの人を幸せにする

僕は自分がそんなに立派な人間でないことを知っている

関ジャニ∞丸山隆平さんの
そばにいる人が落ち込んでいる時、僕は「大丈夫?」なんて声をかけたりはしない。その人は大丈夫じゃないから落ち込んでいるわけで、そっとしておくのが本当の優しさだと僕は考えるから。誰かを幸せにしたいのなら、自分だったらどうするか、自分だったらどうしてほしいのか、相手の立場に立って考えるのはとても大切なことだと思う。でも、365日、24時間、常にそれができるほど、自分が立派な人間でないことも僕はちゃんと知っている。だからこそ、それができない時は「せめて邪魔をしないでおこう」と。何もしない、それが優しさになることもあるんですよね。

自分のちっちゃい範囲の中で誰かを思い幸せにできれば

自分のことを知ったうえで、自分のできることをする。それが僕の“誰かを幸せにする”ルール。できないことをしようとすればそれは“偽善”になるし、大げさな言葉や行動は“キレイごと”になってしまう。そんなつくりものの優しさは相手の心に届かない気がする。だからこそ、無理したり背伸びをしたりせずに“自分にできること”で周りの大切な人を幸せにしたいなって僕はそう思うんです。

中身は“小2のお調子者”のまま

この世界に入る前、小学生の頃から僕はこんな感じで。昔から“いちびり(お調子者)”だったんですよね。今も昔も、周りを笑わせるのが好きで、笑顔を見るとうれしくて……。ゲッターズ飯田さんの占いでも言われたことがあるんですよ「小学校2年生で気持ちが止まっている大人」って(笑)。いつだって僕は自分が楽しいと思うことをやっているだけで、実は「誰かを笑顔にしたい」なんてそんなたいそうなことは考えていないんですよ。ちなみに、今日はたまたま朝から元気でしたけど、朝からテンションがめちゃくちゃ低い日もある。僕は気分にすごくムラがあるタイプなので。「毎日、誰かを笑顔にしているか」と聞かれたら、その答えはきっと「No」だと思いますしね。
関ジャニ∞丸山隆平が語る”幸福学”!「いつだって僕は自分が楽しいと思うことをやっているだけ」

大切な仲間は笑顔でいてくれるだけでいい

願うのはメンバーの幸せ

関ジャニ∞丸山隆平さんの
関ジャニ∞は結成18年。Jr.時代も含めると、人生の半分を軽く超えてしまうくらい、メンバーとはほんまに長いこと一緒におるから。今はもう「ただ、笑っていてほしい」って、特にこの何年かでより強く思うようになったかな。どんな人生だっていい、何をしたっていい、好きに生きてくれていい。幸せならそれでいいんだよ、とにかく笑っていてくれよと。もうね、メンバーに対して思うのはそれだけなんですよ。

大倉忠義の笑い声を聞く方法

賢いし、繊細だし、周りのこともよう見ているし、大倉忠義はクレバーな人間である。しかし、なぜか笑いのツボだけはめっちゃ浅い。ほんまに、なんでもよう笑う。アホみたいにガハガハ笑う。たわいもないことで嘘みたいに笑ってくれるので、彼の笑顔を見たい時はただ話しかければいいんです(笑)。

横山裕を喜ばせる方法

これは簡単。“ほめる”ですね(笑)。たとえば「ドラマ観たよ」、「舞台観たよ」、「あの場面がよかったよ」、「あの芝居は響いたよ」。彼の頑張っていることを素直にほめる、素直に感想を届ける。そこで「あれ、大変だったでしょ」なんてボールを投げれば「そうやねん!」ってそれはもう饒舌に語り始めますから。ああ見えてうちの最年長、めちゃくちゃわかりやすくて可愛い人なんですよ(笑)。

村上信五を笑わせる方法

笑いとテレビまみれの世界で生きている、村上信五を本気で笑わせるのはとても難しい。基本、スベリがちな僕のボケですが、たま~に村上君に刺さることがあって、「さっきのボケ、よかったで」とたま~にほめてくれることもある。しかし、それはすべて“たま~に”のハナシ(笑)。だからこそ、村上君が笑ってくれた時は本当にうれしかったりもするんだよね。

安田章大を笑顔にする方法

安田さんはですね、懐かしい話題を振るとうれしそうな顔をするんですよ。たとえば、昔ふたりで漫才をやったことがあるんですけど。その出ばやしの「イエイ! イエイ!」をさりげなく会話の中に織り交ぜたりすると、「懐かしいことを言っとるわ」みたいな顔でニヤリと笑う。また、そんな過去のひとつひとつをちゃんと覚えているのが彼の優しく素敵なところでもあったりするんですよね。
丸山隆平さんが教える、"関ジャニ∞メンバーを笑顔にする方法"とは?【丸ちゃんの幸福学】

ちょっとしたことで自分を幸せにする

“あんかけ焼きそば”で幸せになる

関ジャニ∞丸山隆平さんの
とにかく、いろんなおいしいものに出合いたい。僕は根っからの食いしん坊なので、同じものを繰り返し食べることはめったにないのですが、ときには「もう一回、食べたい」と思わせる逸品に出合うことも。そのひとつが、某中華料理屋さんのあんかけ焼きそば!! パリパリで、モチモチで、トロトロで、これが本当に最高で♡ 「今日、頑張ったらアレを食べにいこう」。最近はその焼きそばがやる気を導く“ご褒美メシ”に。

エゴサーチで出合う幸せ

僕は“エゴサ”をよくします。たとえば、出演番組が放送されたあと、自分の思いはちゃんと観ている人に伝わったのか、自分の言葉が誰かを傷つけていないだろうか……。「大丈夫だったかな?」の気持ちでスマホを開く。それはあくまでも自分を客観視するため、マーケティングや情報収集に近い感覚でやっているんだけど。SNSを徘徊しているとふいに“マルちゃんのために揚げたから揚げ”、“マルちゃんの誕生日に作ったケーキ”なんて投稿に出合うことがある。もうさ、そんなのを見つけた日にはうれしくて愛おしいよね。“誰かに思われること”はいつだって僕を幸せにしてくれる。多少、から揚げがカラッと揚がっていなかったり、若干、ケーキがいびつなカタチをしていたとしてもね(笑)。

幸せになるほめ言葉は「いい香りしますね」

僕はほめられるのが苦手です。ずっと叱られてばかりの人生を歩んできたから「慣れていない」っていうのもひとつの理由だろうし。今も昔も「自分は足りないものばかりだ」と思っているからこそ、ほめ言葉はいつも素直に受け止めることができない。ただ「いい香りですね」はなんだかうれしい。動物は嗅覚で恋をするっていうじゃないですか、自分の匂いをほめられるのって、いろんな条件を飛び越えて、本能的に受け入れてもらえたような気がするじゃないですか(笑)。

「しゃあないな」を用意しておく

日々、気分が上がったり下がったり。気持ちにムラが出てしまいがちな自分自身とずっと向きあってきたからこそ、“自分のゴキゲンの取り方”にはわりと詳しいほうだと思う。そのひとつが「しゃあないな」をいくつか用意しておくこと。たとえば、これもなんだか変なハナシなんですけど、僕ね、新月と満月が近づくと気分が乱れがちなんですよ。イライラし始めたり、急に人との距離を重く感じ始めたり……。だから、月齢カレンダーのアプリをスマホに入れていて、気分が下がった時はそれを確認。「満月のせいだ」、「新月のせいだ」、「自分じゃなく月のせいだからしゃあないな」と(笑)。自分を追い詰めたところで、さらに落ち込む負のループに迷い込むだけ。だからこそ、そんな時は何かのせいにして、そんな自分も許してあげる。月じゃなくてもいい、気圧のせいにしたっていい、昔の僕は“オバケ”のせいにしていたことだってありますからね(笑)ダメな時は「しゃあないな」といい意味で諦めて、気持ちが上がってくるのを静かに待てばいいんです。
関ジャニ∞丸山隆平さんの自分を幸せにする方法「ダメな時は月のせいだからしゃあないな(笑)」

エンターテインメントで幸せを届けあう

関ジャニ∞とエイターの永遠に続く“幸せの恩返し”合戦

関ジャニ∞丸山隆平さんの
デビュー前、仕事もなく、自分に自信もなく、「もうやめてしまおうか」と考えたことがあった。そんな僕を引き止めたのは、「マルちゃんが笑顔で頑張っているのが私の支えです」。ファンレターにつづられたあったかい言葉の数々でした。「自分はひとりでステージに立っているわけじゃない、たくさんの思いを背中に背負っているんだ」。大切なことに気づいたのもまさにその頃。「応援してくれる人がいるから僕はここにいる」。その気持ちは今も昔もずっと変わらない。また、関ジャニ∞のファンの皆さんとはいくつもの歴史を乗り越えているから……。それこそ、ライブ会場でもすぐにわかるんですよ。「あ、この人はけっこうオールドのファンの方やな」とか。もうね、まなざしが深いから。よかったなぁ、よかったなぁって、家族みたいなまなざしを僕らに向けてくれるから。そんなまなざしを感じるたびに思うんですよ。エンターテインメントとして皆さんを楽しませる立場にありながらも、僕らはこの人たちに玉のように大事に磨き上げてもらったんだなって。恩返しをしたい一心でステージに立つんだけど、そのライブだって皆さんが来てくれるからできるわけで……。恩返しをしてもしても“借り”はどんどん増えていく。だからね、僕らの恩返しは永遠に終わらんのですよ(笑)。

役者として演じること

2020年、新型コロナウイルスの影響で上演中止になってしまった舞台『パラダイス』。2022年、約2年の時を経て上演することが決定しました。当時は共演者の八嶋(智人)さんと「なんでやねん!!」と叫んでしまったほど本当に悔しくて……。こないだ、演出家の赤堀(雅秋)さんと八嶋さんと3人でゴハンを食べたんですけど。あらためて、その悔しさを共有しながら上演できることの喜びを共にかみしめました。僕が今作で演じるのは詐欺グループのリーダー。つまりは、わっる~い男なんですけど……。赤堀さんの作品ってすごくリアルで。「こういうことがきっとどこかで起きているんだ」と思わせる出来事が舞台の上で展開していく。それがなんか不思議で、気持ち悪くて、怖くて、面白いんです。その世界の一員になるのが今すごく楽しみなんですよね。舞台では自分とかけ離れた役をいただくことが多い。そして、それは役者としてうれしいことでもある。芝居の楽しみは、違う人物になって、あたかもそれが“真実”のように、堂々と“嘘”をつくこと。もちろん、シラフじゃそんな嘘はつけないから観客だけでなく自分自身もだましていく……。それがなんだかクセになるというか、中毒性があるというか。一度ハマったら抜けさせない、魔力のようなものがきっと芝居にはあるんだと思う。
関ジャニ∞丸山隆平さんからエイターへ「僕らの恩返しは永遠に終わらんのですよ」【丸ちゃんの幸福学】

丸山隆平の幸福って?

関ジャニ∞丸山隆平さんの
幸せとは“株のレート”のようなものなんだと思う。株価は下がったり上がったり、ジグザグと折れ線グラフを描くのが当たり前で、人生もまた同様に“沈んでは浮く”を繰り返す。その浮上する時に感じる喜びこそが“幸せ”なんだと僕は思っていて。つまり幸せとは瞬間的なもので、永遠に続くものではないんですよね。だからこそ、僕は幸せに固執しない、依存しない。なかなか当たりの出ない“くじ”のようなものだと思っている。そう考えれば“ハズレ”が出ても「しゃあないな」。自分の気持ちもスッとラクになるから。人間はみんな欲張りだ。そういう僕も欲しいものは山ほどある。いつ音を鳴らしても大丈夫な防音ルームが欲しい。新しくベッドも買い替えたい。同じ味で再現できる料理の腕も欲しいし、しっかり目止めされた土鍋も買いたい……。前進するためのモチベーションにもなるから、ときに欲は必要だと僕は思っている。ただ、幸せにおいては欲張ると自分を苦しめる気がする。幸せは自分ひとりでつくり出すことはできない、周りの人や環境が重なりあって生まれるものだとも思うから。さっき、インタビュアーさんにこんなことを聞かれた。「丸山隆平を幸せにするにはどうしたらいいですか?」。その答えは「もういいです、十分です、僕はすでに満ち足りています」。僕を応援してくれる人の中に「丸山隆平を笑顔にしたい」という人がいるのならば伝えたい言葉はただひとつ。「健康で元気でいてください」。結婚してもしなくてもいい、仕事をやめても続けてもいいし、自分の好きなように生きて、年を重ねた時に「お疲れ」って笑顔を交わすことができたら、それだけで僕はほんまに幸せです。
関ジャニ∞丸山隆平さんの人生観「幸せとは“株のレート”のようなもの」【丸ちゃんの幸福学】

COCOON PRODUCTION 2022『パラダイス』

詐欺グループのリーダーの男(丸山)は、ヤクザに無理難題をふっかけられ仲間と手を広げていく。いっときはうまくいっているように思えたが、やがて暗雲が立ち込める……。●9/25〜10/3 森ノ宮ピロティホール、10/7〜11/3 Bunkamuraシアターコクーン

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取材・原文/石井美輪 ※MORE2022年10月号掲載