海外旅行と円安の関係を解説! どうして航空券やホテル代が上がってるの? いつまで続く?
そのモヤモヤ、きちんと知れば解決できる! やさしく学ぶ!「私たちの暮らしと経済」
あなたが日々の生活で感じている“モヤモヤ”は、実は経済学と密接な関係にあるかも。知識ゼロからでもわかるやさしい経済の話、スタート!
教えてくれたのは経済評論家 横川 楓さん
お金の専門家・金融教育活動家として「誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーに、お金や経済の知識の普及に取り組む
【モヤモヤepisode】海外旅行に行けなくなるかも!?
円安の影響で、航空チケットやホテル代はもちろん、現地の物価も急激にアップ。気兼ねなく海外旅行に行ける日はやってくるの?
このモヤモヤに関わるキーワードは【 円安 ー えんやす ー 】
海外のお金(通貨)に対して日本円の価値が低い状態のこと
米ドルなど海外の通貨に対して日本円の相対的な価値が低い状態。逆の状態を「円高」という。円安=悪ではなく、円安・円高それぞれにメリットとデメリットがある。
「今円安が問題視されている理由は、円安が急激かつ過度に進み、国の対応が追いついていないから。2022年1月の1ドル=約110円台から今や約140円台。ちなみに2011年の1ドル=約75円と比べると、およそ半分まで下がっています」(横川さん、以下同)
「今円安が問題視されている理由は、円安が急激かつ過度に進み、国の対応が追いついていないから。2022年1月の1ドル=約110円台から今や約140円台。ちなみに2011年の1ドル=約75円と比べると、およそ半分まで下がっています」(横川さん、以下同)
私たちの生活にはどう関係する?
海外のものを買う時はいつもより支払額がアップ
たとえば1ドルのリップが欲しい場合、1ドル=100円から1ドル=140円になると、40円多く支払うことに。
「海外旅行をする際の航空券やホテル代などはもちろん、日本で海外の商品を購入すると、今までより高い金額を支払うことになります。海外から製品や材料を輸入している国内企業は多くの資金が必要となるので、人件費を削減したり、売りたい商品を値上げせざるを得なくなってしまいます」
「海外旅行をする際の航空券やホテル代などはもちろん、日本で海外の商品を購入すると、今までより高い金額を支払うことになります。海外から製品や材料を輸入している国内企業は多くの資金が必要となるので、人件費を削減したり、売りたい商品を値上げせざるを得なくなってしまいます」
この円安はいつまで続くの?
まだ続くけれど、何年も続く可能性は低そう
「今は、アメリカの利上げ(金利引き上げ)で金利が高い米ドルの需要が高い状態。ウクライナ侵攻の影響もあるのでしばらく続きますが、今ほどの状況が年単位で続くとは考えにくいです」
ところで円安のメリットって?
輸出産業や国内観光業は盛り上がるかも
「海外に向けて商品を販売している企業は、同じものをより安く輸出できるので、売れやすくなるメリットが。海外からの旅行者が増えることで観光業の勢いも回復していくはずです」
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イラスト/sino 取材・原文/国分美由紀 ※企画内に記載のある為替相場や税率などは2022年11月時点のものです ※MORE2023年2月号掲載