【韓国ドラマ2025最新】人生や人間関係に疲れた時におすすめの作品10選
仕事、家族、恋愛……、日々のあれこれに少し疲れてしまった時は、韓国ドラマの優しさや明るさに触れてみませんか? 疲れた心にそっと寄り添ってくれたり、もう少しだけ頑張ってみようと元気づけてくれる、そんな韓国ドラマを厳選してご紹介!
※記事発信時点での情報のため、最新情報は公式サイト等でご確認ください
韓ドラマニアのライターがおすすめ!
Kカルチャー・旅・漫画・音楽・スポーツ観戦好きのライター。ドハマりしたK沼が旅沼に直結し、年間十数回は海外へ。最近の趣味は「各国でローカライズされた韓国料理を食べること」。
- 済州島の鮮やかな四季を通して描く人生ドラマ『おつかれさま』
- “韓ドラあるある”ゼロ!だからこそ面白い、ヒーリングドラマ『賢い医師生活』
- 過酷な境遇も、一途な愛も、全部吸い込んで前に進むヒロインがクール『サムダルリへようこそ』
- ソン・ガンがバレエに挑戦! 『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』
- ムン・サンミンが演じる年下男子が可愛すぎる♡『ウエディング・インポッシブル』
- 懸命に生きる私たちの心にじんわりと響く、ヒーリングロマンス・ドラマ『ドクタースランプ』
- 青春は永遠? 夢を奪われた若者たちの成長と初恋を描く『二十五、二十一』
- 高校時代の元カップルが大人になって再会する、繊細なラブロマンス『その年、私たちは』
- 彼史上最もイケてない警官役だけど、回を追うごとにその“姿”にハマっていく『椿の花咲く頃』
- 唐揚げになった娘を救え!ぶっとんだ設定&名優たちの演技力に魅せられる『タッカンジョン』
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済州島の鮮やかな四季を通して描く人生ドラマ『おつかれさま』
済州島を脱出中のグァンシク(パク・ボゴム)とエスン(IU)。
『おつかれさま』
全16話
出演:IU、パク・ボゴム、ムン・ソリ、パク・ヘジュン、キム・ヨンリム、ナ・ムニほか
Netflixシリーズ『おつかれさま』独占配信中!
あらすじ
1960年代の済州島、賢くしっかり者のオ・エスン(IU)は輝く未来を夢見ていた。しかし、貧しい海女の娘は非力で、野望はただの夢に。幼なじみのヤン・グァンシク(パク・ボゴム)は、そんなエスンを献身的に支え、愛し続ける。貧しいエスンをよく思わない彼の家族に2人は引き離されるのだが……。
ここが見どころ
本作は、1960年代の済州島(チェジュ)島で生まれた聡明なエスンと、鉄のように意志の固いグァンシクによる山あり谷ありの一代記を四季で表現したヒューマンドラマ。製作費は600億ウォン(!)、主演はIUとパク・ボゴムということで前評判が高かった本作。配信されるやいなや“愛”と“情”という普遍的なテーマとあたたかな物語を通じて、共感と感動を呼び起こし、世界各国で大ヒット。5/5に行われた『第61回百想芸術大賞 with GUCCI』でも作品賞や脚本賞など四冠を達成! まだ5月ですが、早くも“2025年を代表する最高の人生ドラマ”になるであろう本作のみどころをお伝えします。
※本記事はネタバレがありますので、ご注意ください。
エスン(IU)とグァンシク(パク・ボゴム)は、小さなときからの幼なじみ。
1960年代の済州(チェジュ)島に生まれたエスン。幼い頃に父を亡くしたエスンは父の生家で暮らしているのですが、ヒモ夫(オ・ジョンセ)と再婚して海女となり、ヒモ夫との2人の子と暮らす母グァンネ(ヨム・ヘラン)の家をたびたび訪れます。というのも、家では叔父にいじめられており(エスンだけイシモチを食べさせてもらえないとか、雑用させられるとか、完全に使用人扱い)、大好きな母と暮らしたいというのが願いなわけで。しかし、エスン母は心を鬼にしてエスンを家に帰らせます。そう、自分の家よりも裕福な家の方がエスンにとっては幸せだと思って……。
1960~70年代、エスンが生きる小さな集落では、「女は家族の食事を作り、海女になって家計を助けるのがあたりまえ」「女が公務員になったってどうしようもない」という価値観しかありませんでした。そんな理不尽な社会で搾取され続けてきた母グァンネは、娘の未来を案じ「海女にはなるな」「おまえは自由に生きろ」といい続け、エスン10歳の時、肺を患って急死してしまうのでした。
エスン母役のヨム・ヘラン。娘のために学校へ乗り込む
そして物語は、エスンとグァンシクの高校時代の逃避行から結婚、出産、そして子どもたちを交えながら、挫折と再起を行き来し、2人は愛の旋律を奏でていきます。その旋律は、オーケストラのように壮大でも、優美などでもなく。想像もつかないような貧しさの中で少しずつ前に進む日々。だからこそ、大切な者同士の慈しみ合いが描き出す人生の旋律は、どんなドラマチックな映画の主題歌よりも切実に胸に響くのです。
また、本作の重要なポイントのひとつに、母性とはまた別の“母親”の描き方があります。私たちの世代が今の“自由”を得るまでに、母親たちが何を奪われ、どんな人生を強いられてきたのか。そして、“与えられた人生”の中で、何をよりどころにして生きてきたのか。母親たちによる魂のブルース、しっかりとかみ締めてみてください。
満開の菜の花畑でキスするグァンシクとエスン。初ポッポは「鼻の下キス」というおぼこさがよき!
「一途な愛」「夫婦の愛」「子を想う親の愛」「隣人愛」など、愛の形は様々ですが、特に印象的だったのがグァンシク(パク・ボゴム/中年以降はパク・ヘジュン)の愛し方です。このグァンシク、10歳で出会って以来、死ぬその瞬間までエスン(IU/中年以降はムン・ソリ)を思い続ける一途な男なんです……!
無口で不器用だけど、とことん優しくて素朴。エスンの小言の嵐を受け止める鉄の精神力を持っているグァンシクに既視感があるなぁと思ったら、パク・ボゴムの出世作『恋のスケッチ 応答せよ1988』で演じたチェ・テクにそっくり! “素朴で純粋無垢。一途にひとりの女性を思い続けながら、ふと瞬間にドキッとさせる男”を演じさせたらパク・ボゴムの右に出るものはいません。ワンコのようなキラキラした瞳と、ワイルドな狼の一面を併せ持ち、一度決めたら迷いなくやり切る行動力のカッコよさは反則。彼を目にした人は皆恋に落ちてしまいますから。
10年間、エスンの代わりにキャベツを売り、魚を贈り届けたグァンシクのエスンへの思いは熱くて硬い鉄のごとし! エスンが「大統領になる」と言えば「じゃあ僕は大統領夫人になる」と答え、陸上部のコーチに「お前の人生の8割はエスンなのか?」と聞かれ、「10割」と即答♡ そして、すったもんだがありながらも初恋を実らせて夫婦となり、人生が終わるその瞬間まで彼女を愛し続ける姿に「こんな人間がいるの!?」と魂が震えました……。
左からエスン、長女クムミョン、グァンシク、長男ウンミョン。そしてエスンのおなかの中には“ドンミョン”が。
そして、各話のエンドロールにも愛に満ちた一文が。
「PRODUCTION BABIES」という文字の次に、ドラマの撮影期間中に妊娠していたスタッフのおなかの中にいる子供の胎児ネームが記され、そこにはこんな言葉が添えられているんです。
「同じ空 同じ星 同じ心に刻まれている」(1~4話)
「私たちの思いが こだまして いつか届きますように」(5~8話)
「お前たちは ただ走ればいい 元気よく」(9〜12話)
「無理ならバックしてこい いつでも待っているから」(13〜16話)
誰かが誰かを大切に思い、助け、生きる世界の優しさに涙が……。
“良い人たち”は思うより多く、案外身近にいるのかもしれません。その存在になかなか気づけないでいるのは、人生には困難と後悔が多く、生きることに精一杯だから。「それでも生きるしかない」と腹をくくってまわりを見渡せば、さり気なく自分を支えてくれる人っているんですよね。今いる場所で助けられて、感謝して。そして、いつの日にか誰かの助けになれば、人生はそれでいいんじゃないかと。
本作の韓国語タイトルは「폭싹 속았수다(読み:ポクサッ ソガッスダ)」。これは、済州島の方言では「本当におつかれさまでした」ですが、標準語では「すっかりだまされた」、という意味なんだそう(笑)。
皆様、『おつかれさま』が描く人生賛歌に、すっかりだまされてください!
作品概要
『おつかれさま』
全16話
出演:IU、パク・ボゴム、ムン・ソリ、パク・ヘジュン、キム・ヨンリム、ナ・ムニほか
Netflixシリーズ『おつかれさま』独占配信中!
“韓ドラあるある”ゼロ!だからこそ面白い、ヒーリングドラマ『賢い医師生活』
『賢い医師生活』
各12話
主演:チョ・ジョンソク、ユ・ヨンソク、チョン・ギョンホ、キム・デミョン、チョン・ミド
Netflixシリーズ「賢い医師生活」シーズン1~2独占配信中
あらすじ
ソウルの総合病院「ユルジェ病院」で働く医師のイ・イクジュン(チョ・ジョンソク)、アン・ジョンウォン(ユ・ヨンソク)、キム・ジュンワン(チョン・ギョンホ)、ヤン・ソッキョン(キム・デミョン)、チェ・ソンファ(チョン・ミド)は、ソウル大学医学部の同期。新たな命が生まれ、今ある命が終わりを迎える病院という場所で、患者たちとともに生きる彼らの日常を描く。
ここが見どころ!
病院を舞台にした医療ドラマと言うと、欲望にまみれた組織内の権力争いや、神の手を持つドクターが活躍するなどドラマチックなストーリーが多いですが、『賢い医師生活』にはそういった“あるある”は登場しません。ツンデレなイケメン御曹司と最悪の出会いとか、ドキドキの三角関係とか、はたまた誰かへの復讐とか、そういうのもありません。描かれるのは、主人公5人の平凡な日常のみ。だけど、これがとっても温かくて味わい深いんです。
パク・ボゴム、ヘリ(Girl’s Day)らスターを生み出した大ヒットドラマ『応答せよ』シリーズのシン・ウォンホ監督&脚本家のイ・ウジョンがタッグを組んだという点でも、韓ドラ好きにとってはたまらない作品です。
肝胆膵外科医のイクジュン。バンドではギター兼ボーカル担当。
主人公の5人は、1999年にソウル大学医学部に入学。それぞれ一人前の医師としてキャリアを積み、40歳になって初めて同じ病院で働き始めることから物語はスタートします。そして、ユルジェ病院に入る条件としてソッキョンが「昔みたいにまたバンドをやりたい」と提案し、彼らは趣味でバンド活動を始めます。
視聴者からは入学年度に由来して「99ズ」の愛称で親しまれている。
明るい性格で誰からも愛されるイクジュン、仏のような性格だけどめちゃめちゃケチな一面を持つジョンウォン、厳しいこともズバズバ言うクールなジュンワン、ちょっと(いや、かなり?)マザコンでマイペースな性格のソッキョン、自分の仕事も後輩への指導もバリバリこなすカリスマたっぷりなソンファ。
医師として一流の腕前を持つ個性豊かな5人がさまざまな患者と向き合い、後輩を育てながら仕事終わりに集まってバンド活動をする。そんな彼らにとって当たり前の日常を淡々と描いています。素朴だからこそ心にじんわりと染み入って、気づいたら5人のことが大好きになっていました(笑)。
そしてもう一つ、このドラマには悪役がいません。主人公たちを中心に研修医からナースまでみんなが患者と真摯に向き合っています。その中でさまざまな命の物語も描かれ、毎話じーんと感動して思わず泣いてしまうドラマです。
癒されるドラマとして大反響を呼び、シーズン2まで放送された本作。今年は研修医を主人公にしたスピンオフ作品『いつかは賢くなる専攻医生活』(tvN)が放送予定ということで、ぜひ今のうちにシーズン2まで完走してください!
Netflixで見られる!
『賢い医師生活』
各12話
Netflixシリーズ「賢い医師生活」シーズン1~2独占配信中
過酷な境遇も、一途な愛も、全部吸い込んで前に進むヒロインがクール『サムダルリへようこそ』
ソウルへと向かう若かり日のチョ・サムダル(シン・へソン、写真左から2番目)とチョ・ヨンピル(チ・チャンウク、写真右)
『サムダルリへようこそ』
全16話
出演:チ・チャンウク、シン・ヘソン、キム・ミギョンほか
Netflixシリーズ「サムダルリへようこそ」独占配信中
あらすじ
フォトグラファーになる夢を叶えるため、大都会ソウルで過酷な生活を送ってきたチョ・サムダル(シン・へソン)。実力と根性でトップの座に上り詰めたものの、思わぬスキャンダルで名声を失い、逃げるように故郷の済州島へと戻る。一方、サムダルの幼なじみで気象予報士のチョ・ヨンピル(チ・チャンウク)は、済州の気象庁で働いていた。都会での生活に身も心も傷だらけになったサムダルは、ヨンピルと気まずい再会を果たすが……。
ここが見どころ!
都会で成功した主人公サムダルが、ある日突然ドン底につき落とされ、逃げるように戻ってきた故郷の海辺の田舎町で、大好きだった幼なじみや家族に支えられて、本来の自分を見つけていくという物語。主人公のラブストーリーだけではなく、夢と挫折、家族や仲間の絆といった、登場人物たちの人生が丁寧に描かれているロマンチックコメディでした!
あれから時が流れて……ヨンピル(チ・チャンウク)とサムダル(シン・へソン)の重苦しい再会。
夢を叶えるため、サムダルリからソウルへと向かう幼なじみ4人。(写真左から)チャ・ウヌ(ぺ・ミョンジン)、ワン・ギョンテ(イ・ジェウォン)、サムダル、ヨンピル。
“ロマンス職人”チ・チャンウクと “最強コメディエンヌ”シン・ヘソンによる“ケミ”も見逃せません!
年齢=幼なじみ歴のサムダルとヨンピルは、もはや切っても切れない深い関係ですが、序盤は、破局済みの元カレカノらしい、近すぎて逆に遠い距離感でした。
思わぬ再会に、最初はよそよそしい雰囲気。一緒に過ごす時間が増えると口数は増え、次第に遠慮がなくなって(笑)、過去の別れについて、互いに「そっちがフッた!」と主張をぶつけ合う2人。そうかと思えば、小学生たちがじゃれ合うような無邪気な素顔を見せあったり、38年(!)も寄りそってくれているヨンピルの優しさに、サムダルがほだされたり……。「あんた以上のいい男を見つけようと思ったのに、あんなクズ男と付き合ってしまった」というサムダルのボヤキには共感しかありません(笑)。
なんてことのない場面に“2人が紡いできた特別な糸”が浮かび上がっては涙腺や笑いのツボを刺激するので、ハンカチ必携でご視聴ください。
実の息子のようにサムダル母ミジャ(キム・ミギョン)に世話を焼くヨンピル。劇中、ここの海女軍団がバギーを操ってカチコミに行くシーン、超カッコいいです!
サムダルとヨンピルだけでなく、故郷の仲間たちや親きょうだいといった脇役たちの物語も、しっかりと描かれている本作。
星になった最愛の妻を思い続けるヨンピル父(ソ・ヒョンチョル)や、周囲には気丈にふるまいつつも親友の死の責任は自分にあると自らを責め続けているサムダル母(キム・ミギョン)、財閥2世の元夫との関係に悩むサムダル姉(シン・ドンミ)や、サムダル妹でシングルマザーのへダル(カン・ミナ)とその娘ハユル(キム・ドウン)の切ない気遣い、一瞬であの頃に戻れる地元の同期のありがたさなどなど。
どのストーリーも、切なさや悲しみが温かな絆となって心に染みていきます……。
サムダルリの人々って、物事を放置しないんですよね。意見が衝突した時、拒絶するのではなく、相手の意見を受け入れたうえで説得を試みるか、お互いの着地点を見つけようと努力します(約1名例外もいますが)。
ただ、努力への打ち込み方が尋常じゃない。誘致を巡り対立する2グループ、数十人の海女たちが町民を巻き込んで、取っ組み合いの大ゲンカに発展したり、20年かけてわだかまりを解決した親子がいたりと様々ですが、皆さん、コトが終われば何もなかったかのようにテーブルを囲んで、酒を酌み交わしています。その姿の陽気なこと!
舞台となった済州島の青い空、青い海に囲まれてると、気持ちまでカラッとするんでしょうか。
済州島の美しい海や山の絶景、島の人々の情深いやり取りなど、心癒されるポイントがいっぱいの本作。手作りキムチやチゲ、獲れたての貝の和え物といった食事風景や、サンドの家が営む食堂、住民御用達のシュポ(小さな個人商店)の角打ちなど、旅への要素も盛りだくさん! 済州の旅に出かけるような気持ちで、気軽にご視聴くださいね。
Netflixで見られる!
『サムダルリへようこそ』
全16話
Netflixシリーズ『サムダルリへようこそ』独占配信中
ソン・ガンがバレエに挑戦! 『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』
写真左からチョロク(ソン・ガン)、ドクチュル(パク・イナン)。
『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』
全12話
出演:パク・イナン、ソン・ガンほか
Netflixシリーズ「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」独占配信中
あらすじ
一流のバレエダンサーを目指すイ・チェロク(ソン・ガン)は、自分を取り巻く厳しい現実のせいでスランプに陥っていた。一方、郵便配達員として家族のために働き続けたシム・ドクチュル(パク・イナン)は定年を迎え、残りの人生を考え始めていた。ある日、友人の葬式の帰りにダンススタジオを通りかかったドクチュルは、チェロクが踊る姿に心を奪われる。
ドクチュルは子どもの頃バレエダンサーに憧れていたが、貧しい家庭環境がそれを許さなかった。かつてあきらめた夢に挑戦するため、ドクチュルはダンススタジオに再訪し、バレエのレッスンを受講したいと伝えるが、チェロクは相手にしない。それでも熱心に通い続けるドクチュルを見たバレエスタジオの団長から、チェロクはドクチュルのバレエの指導者に、ドクチュルはチェロクのマネージャーになるよう言い渡される。
かくて23歳と70歳の奇妙なバレエレッスンが始まり……。
ここが見どころ
今回紹介するのは、“47歳”もの年の差を超えて、バレエでつながった老人と若者の物語、『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』。嬉しくも悲しく、熱くて切なく。観る者すべてに勇気と感動を与える極上の夢追い物語でした……。
高みを目指す若きバレリーノ、チェロク役には人気俳優ソン・ガン。70歳でバレエに挑戦するのドクチュルを、大御所俳優パク・イナンが熱演しています。
原作は韓国ウェブトゥーン(縦読み漫画)で、漫画界のアカデミー賞と呼ばれる“アイズナー賞”のベストウェブコミック(2022年)にもノミネートされた人気作。ドラマ化のみならず、2023年には全本語版コミックも発売。今年春には、三浦宏規さん・川平慈英さん・狩野英光さんほか出演で、日本でミュージカル化も! 世界的にも大注目の作品になっています。
自主レッスン中のチョロク。
一方、パク・イナンが演じているドクチュルは、バレエスタジオの門を叩いたものの、当然、最初は全然踊れなくて、基礎動作とストレッチばかりなのですが、どうみても素人のそれなんですね。しかしドクチュルは、47コも年下のチェロクを“師”として敬い、厳しい練習にも必死に食らいつき、自主練習も欠かさず、真剣にバレエと向き合います。
その一方で、チェロクのマネージャーとしてのドクチュルは、持ち前の勤勉さで、毎朝のコールはもちろん、コンディションや練習量、食事などを事細かに記録。さらに風邪をひけば、家を訪ねておかゆを作り、薬やおかず、梅エキスといった体にいいものもしっかりと差し入れるなど、渾身のサポート。
スランプでやさぐれモードになっているチェロクから見れば、ただのお節介にしか思えないのですが、次第にお節介は真心となって、孤独と不安で隙間だらけだったチェロクの心を埋めていくのです。また、ドクチュルがバレエに挑む真摯な姿が、チェロクの心に情熱の火を灯していき、二人の間に特別な絆を結んでいくのです。
人のよさが滲み出ているドクチュルの笑顔。
何歳になっても夢を追いかける姿、周りに反対されても諦めないドクチュルの姿は、ともすれば「70も過ぎて妙なことを始めたお節介じいさん」になりかねません。
そこは半世紀以上も最前線で活躍する大俳優パク・イナン。大らかで人情深く、お節介だけど憎めないかわいらしさで、まわりに愛情を与えるドクチュルを、魅力たっぷりに演じています。
ドクチュルな真剣な思いと優しい言葉、そして思いやりの数々は、慈愛に満ちた海のように周囲の人を包み込み、チェロクだけでなく、明るい未来を描けなかった若い世代の背中も押していくのです。
バーでレッスン中のドクチュル。毎瞬間、全力投球!
「今こそ新しいことを始めよう」。そんな希望を胸に抱きつつも、なかなか踏み出せずにいることってありませんか?
ドクチュルがバレエに挑むキッカケは、旧知の友が最期に言い残した後悔でした。友の慟哭を聞いて、「バレエをやらないまま、人生を終えることはできない」と決心したドクチュル。世間体や、家族の反対や、体力的限界にも負けず、必死にバレエに食らいつきます。そこまで努力しても、妻や息子、孫は「いい歳をして何を言っているのか」と冷ややか。
一方、若いチェロクが順調満帆かと言われたら、そうではありません。親元を離れて生きているチェロクは、経済的にも精神的にも不安だらけ。若いが故の迷いもあります。
つまり、夢を追うことへの苦悩や葛藤は、年齢に関係なく付きまとうってこと。だからこそ、本作で描かれる夢を追うことの苦悩、乗り越えた先にある奇跡が、心を揺さぶるのだと思います。
「準備が整うまで待つな。まずはスタートを切れ」
「さあ次はお前の番だ」
そう若者たちに声をかけるドクチュルの言葉は、画面の向こう側にいる我々にもエールを贈ってくれているようで、胸に沁みます。
年齢も、生きてきた環境も違う2人をつないでいるのは、バレエへの情熱。自分の夢を他人に踏みつけられたり、容赦のない“老い”という時の流れに、怒り、苦しみ、絶望しながらも前へと進み続ける2人。彼らを見ていると、「したいことをする」その先には「幸せ」というまばゆい光景が広がっているのだなと思いました。
タイトルの“ナビレラ(나빌레라)”は、韓国語で「蝶のように美しく羽ばたく」という意味。ソン・ガンの蝶のような舞いに見惚れ、パク・イナンの演技やセリフに胸打たれ。2人の追いかける夢の結末に涙するはずです。
Netflixで見られる!
『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』
全12話
Netflixシリーズ「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」独占配信中
ムン・サンミンが演じる年下男子が可愛すぎる♡『ウエディング・インポッシブル』
© STUDIO DRAGON CORPORATION
『ウエディング・インポッシブル』
全12話
出演:チョン・ジョンソ、ムン・サンミン、キム・ドワンほか
U-NEXT独占配信中
あらすじ
ナ・アジョン(チョン・ジョンソ)は、演技力はあるが売れない無名俳優。5年ぶりに帰国した親友のイ・ドハン(キム・ドワン)から財閥御曹司であることを明かされ、偽装結婚の契約を持ちかけられる。悩んだ末に、人生初の主人公を演じるべく結婚を決意するアジョン。しかし、それに猛反対するドハンの弟のイ・ジハン(ムン・サンミン)は、アジョンを自分に惚れさせて、兄との結婚を破談させようと目論む。
ここが見どころ!
財閥御曹司との偽装結婚という王道ロマンスと思うなかれ。本作は、本来なら2番手ポジションになりそうな義理の弟となる予定の年下男子と惹かれあっていく設定が新鮮なラブコメディです。
アジョンを演じるのは『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』(2022)、映画『バレリーナ』(2023)などに出演し、2023年に映画『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』でハリウッド進出も果たしたチョン・ジョンソ。今年3月に韓国で行われた、大谷翔平選手が所属するドジャース対韓国キウム・ヒーローズの試合で始球式を務め、抜群のスタイルが映えるユニフォーム姿が話題となりました。
財閥家の孫の嫁となる偽装結婚を俳優として引き受けるアジョン(チョン・ジョンソ)。© STUDIO DRAGON CORPORATION
ドハンの帰国日に偶然出会っていたアジョンとジハン。ぶつかってお互いの書類を落とし、ジハンは「値の張る物なんだ」と不動産契約書を見せつけてアジョンに謝罪を求めますが、アジョンはその紙にキスをして「謝るわ。お互い様でしょ」と自分の台本を踏んづけたジハンにお返し! 「何だ あの女」(byジハン)と、2人の関係は出会いから完全にアジョンのペースで展開していきます。
いわゆる、“おもしれー女”なアジョンですが、親友ドハンの大事な秘密を守るために偽装結婚に協力するといった義理人情に厚いところが魅力的。学生時代にクラスメートからドハンを守ってあげた時も「将来、私が俳優になったら美談として広めてね」とドハンの負担を軽くしてあげるんです。かっこいい~。
個人的には、チョン・ジョンソはノワール、アクションといったイメージがあったので、本作への出演はかなり意外でしたが、サバサバした姉御肌系のアジョンの魅力とよくマッチしています。ラブコメとの相性もいいんだなと新発見!
偽装結婚の契約書にサインするドハンとアジョン。© STUDIO DRAGON CORPORATION
そして、お待ちかね。本作の大きな見どころはムン・サンミンの演技!
俳優デビュー前にモデルとして活動していた経歴を持ち、190cmの長身、人懐っこい印象を与える甘いマスク、低音ボイスを兼ね備えている彼。時代劇『シュルプ』(2022)のソンナム大君役で覚えている方もいらっしゃるはず。今回がラブコメ初挑戦だそうで、コミカルな演技からロマンス演技まで、新しい魅力を開花させています。
ジハン役のムン・サンミン。2019年に俳優デビュー。© STUDIO DRAGON CORPORATION
異父兄姉との確執など、いろいろな事情を抱える財閥家の末孫であるジハンは、ドハンを後継者にすることに人生をかけてきた“お兄ちゃん大好きっ子”。一族の中でドハンの立場を優位にするには、財閥令嬢との結婚が望ましい。無名俳優のアジョンが恋人だなんて、ましてや結婚なんてありえない! と妨害するうちに、アジョンに惹かれていき……と物語は展開していきます。
ドハンに恋人がいると知って「俺とあの人(アジョン)どっちとるの?」と拗ねてみせたり、「今度は俺がときめかせる」と宣戦布告するも、「“今度は”ってことは私にときめいたことがあったんだ」と一枚も二枚も上手なアジョンにツッコまれてしまったりと、年下感たっぷりなジハンがかわいすぎる! 特に酔っ払った演技はかわいさMAXなのでぜひ注目を(笑)。
また、ムン・サンミンの目の演技も見どころ。恋愛ドラマに欠かせない甘い眼差しもお見事ですし、それ以上に切ない目の演技がとっても魅力的でした。アジョンに惹かれてることに気づき、自分の気持ちを抑えようとするジハンのうるうるした瞳が健気で美しいこと。パク・ボゴムやキム・ソンホといった“泣き顔が胸キュンな俳優たち”を、韓国では≪泣かせたい俳優≫と表現するのですが、そこに新しくムン・サンミンが加わりそうな予感がします!
U-NEXTで見られる!
『ウエディング・インポッシブル』
全12話
U-NEXT独占配信中
懸命に生きる私たちの心にじんわりと響く、ヒーリングロマンス・ドラマ『ドクタースランプ』
人生最大のスランプ期に突入したハヌルとジョンウ。思わぬ再会に、うろたえるが……
『ドクタースランプ』
全16話
出演:パク・ヒョンシク、パク・シネほか
Netflixシリーズ『ドクタースランプ』独占配信中
あらすじ
高校時代、学年1位を争うライバル同士だった、人気美容外科医のヨ・ジョンウ(パク・ヒョンシク)と麻酔科医のナム・ハヌル(パク・シネ)。ふたりは、同じタイミングで人生最悪のスランプに陥り、14年ぶりに再会する。最も輝かしい時にそれぞれ別の道を歩み、そしてどん底の時に鉢合わせた彼らは、互いに寄り添いながら、スランプという山を乗り越えていく。
ここが見どころ!
高校時代のライバル同士が14年ぶりに再会、とあらすじで紹介しましたが、実は本作の主人公を演じるパク・シネとパク・ヒョンシクも、2013年に放送された人気ドラマ『相続者たち』以来、約10年ぶりの再共演ということで話題となっていた本作。思った以上に癒されるドラマでした。
以下、見どころポイントをお伝えします!
まずは、作品のストーリーから。
天才高校生ヨ・ジョンウ(パク・ヒョンシク)の高校に、全国模試で同点1位だったガリ勉の美少女ナム・ハヌル(パク・シネ)が転校してくる。以来、成績1位をめぐり、ふたりは何かと競い合うように。
その後、ジョンウは国内のトップ医大を経て、実力と人柄を備えたスター美容外科医として順風満帆な日々を歩んでいたある日、不可解な医療事故によって人生が一変する。汚名を着せられ、周囲にいた人々も離れてしまう。さらに莫大な借金を抱えて、車も家も売るハメに。
一方、学生時代から勉強漬けだったハヌルは、大学病院で麻酔医師として働いていた。しかし、度を増していく上司のモラハラやパワハラ、病院内での孤立によって心身に不調をきたし、バーンアウト(燃え尽き)症候群の “うつ病”と診断されてしまう。
それぞれが人生のスランプ期に落ち込む中、ハヌルの実家の屋根部屋にジョンウが引っ越してくる。突然の再会に戸惑うふたりだったが……。
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どんな不幸が訪れても耐えられる、と信じる力を得たハヌルとジョンウ。
この作品、シリアスとサスペンスだけでなく、ラブコメ要素もかなり高い!
パク・シネとパク・ヒョンシクの掛け合いが、とにもかくにもキュート。特に制服姿でじゃれあうふたりの温度差のあるコメディ演技にニヤニヤが止まりません♡
同じ優等生でも、闘争心をむき出しにするのはジョンウ。ハヌルに対抗して、ある時は大量の粉末コーヒーを口にかっこみ、またある時はクールを決め込みつつ、足もとでは貧乏ゆすり。また、消しゴムを忘れた彼女に「消しゴムをあげる」と言いつつ、ひと文字も消せないほど小さな欠片だけ渡すなど、まるで小学生のような意地悪も(笑)。試験でハヌルに負けたとわかるや否や気絶するシーンは、もはやコントです。
そんな、天才なのにどこか子供じみているジョンウを、パク・ヒョンシクが生き生きと演じています。
滑稽に見えるくらい、真摯に努力し続けてきたジョンウとハヌル。それぞれの痛みを共有しながら、人生の“スランプ”を、どう乗り越え、どのような感情を抱き、最終的にどんな決断をするのか、本編を観てぜひ確かめてみてください!
Netflixで見られる!
『ドクタースランプ』
全16話
Netflixシリーズ『ドクタースランプ』独占配信中
青春は永遠? 夢を奪われた若者たちの成長と初恋を描く『二十五、二十一』
『二十五、二十一』
全16話
出演:キム・テリ、ナム・ジュヒョクほか
Netflixシリーズ「二十五、二十一」独占配信中
あらすじ
アジア通貨危機で韓国が深刻な経済不況に陥っていた1998年。予算を減らされたことでフェンシング部が廃部になってしまったナ・ヒド(キム・テリ)は、フェンシングを続けるために憧れの選手コ・ユリムが通う高校に転校する。同じ頃、ペク・イジン(ナム・ジュヒョク)は、裕福な家庭に育つも不況の影響で父の会社が倒産し、大学を中退してアルバイトを掛け持ちしながら生計を立てていた。時代に夢を奪われた2人は、18歳と22歳で初めて名前を呼び合い、お互いを励ましながら支え合う関係になっていく。
ここが見どころ!
皆さんは、放送終了から時間が経っても忘れられないドラマやキャラクターはいますか?
韓国ではロスのことを「후유증(読み:フユチュン、意味:後遺症)」のほかに「앓이(読み:アリ、意味:患う)」と言います。「후유증」は作品そのものをさす時に使われる一方で、「앓이」には特定の人物を意味するニュアンスが含まれ、主に登場人物や俳優の名前につけて「〇〇앓이」と表現します。
私にとっては、今回ご紹介する『二十五、二十一』のペク・イジン(ナム・ジュヒョク)がまさにその一人。今でも振り返るたびに胸がギュッとなるほど“患っている”キャラクターです。前述の通り表現するなら、“ペク・イジン앓이”というわけです。
本作で多くの視聴者をとりこにしたナム・ジュヒョク。韓国のポータルサイト「NAVER」でも「ペク・イジン앓이」の記事が大量にヒット!
1997年、韓国はアジア通貨危機や財閥の倒産などの煽りを受けて経済危機に陥り、「国際通貨基金(IMF)」の救済を受けることになります。本作で登場する「IMF」とはこのことです。1998年には2万社あまりの企業が倒産したと言い、物語はこの時代を舞台に描かれます。
イジンは名門大学に真っ赤なオープンカーで通うお坊ちゃまでしたが、父親の会社が倒産してしまい、22歳で小さな部屋を借りて一人暮らしすることに。
若くして夢も希望も失くしてしまったイジンが引っ越した町で出会うのが、夢に向かって突き進む18歳のナ・ヒド。IMFのせいでフェンシング部が潰れちゃったけど、最年少金メダリストのコ・ユリム(宇宙少女・ボナ)がいる高校に転校しちゃえばいいじゃん!と逆境を逆手に取るポジティブで明るい女の子です。
憧れのコ・ユリムが練習しているところをこっそりのぞき見するヒド。
2人はイジンがアルバイトでヒドの家に新聞を配達した時に出会い、偶然の再会が重なって仲を深めていきます。
父の破産で多くの人が苦しんでいることから「どんな瞬間も僕は絶対に幸せにならない」と十字架を背負っていたイジンの心を「これから私と遊ぶ時だけこっそり幸せになるの」とヒドが溶かし、イジンは母親と折り合いが悪く孤独を抱えるヒドの癒しの存在となって絆を育む過程がこの上なくピュア。4歳差だけど年上男子×年下女子ではなく、対等な目線でお互いを高め合っていく2人が美しくて、どこかはかなくて、胸が熱くなります。
韓国では年上の男性を「オッパ」と呼びますが、ヒドは「ペク・イジン」と名前で呼ぶところから2人の少し特殊な信頼関係が感じられます。
オッパだけどオッパ扱いされないペク・イジンですが、めちゃめちゃオッパなんですよ!!
フェンシングに打ち込むヒドを「誰よりも負けた経験で階段を積み上げてきた。ほしいものを手に入れろ」「ヒドには一瞬でも無駄な経験はさせたくない。幸せな経験だけしてほしい」と全肯定して応援してくれる頼もしさ。しかも、ヒドを見つめる眼差しが穏やかで優しくて、めちゃめちゃ甘い。この眼差し、(ときめきすぎて)有罪です。
クリーンな魅力と超絶ハンサムなのに素朴さも兼ね備えるリアコ感から、“現実彼氏”の異名を持つナム・ジュヒョクの演技力とのシナジーが最高で、あなたもきっと「あれ、私の初恋ってペク・イジンだったかな?」と記憶操作されてしまうはず。
役作りのために約半年間、ほぼ毎日フェンシングのレッスンに通ったそう。
未来を向いて高め合ってきた2人ですが、大人になるとその関係は少しずつ変わっていきます。イジンはTV局の記者、ヒドは国家代表選手となり、それぞれ多忙を極める中で、相手に負担をかけたくないイジンと喜びも苦しみもすべて分かち合いたいヒドはすれ違うようになり……。リスペクトし支え合う気持ちはあの時のままでも、人生のチャプターが変わってしまった。そのことに2人は気づいてしまった。青春が終わってしまったんですね。
お互いに思い合っているのにうまくいかない。頑張るほど遠くなっていく。そんな変化が切なくて切なくて……。2人が結ばれるまでが丁寧に描かれるおかげでどっぷり感情移入できちゃうので、まるで自分が経験したかのように胸が張り裂けそうになります。
夢に恋に友情に全力だったキラキラと眩しい時期は一瞬で過ぎ去ってしまうからこそ青春なのであり、永遠に続かなくてもその一瞬があったことは永遠に変わらない。そして、それは人生の宝物になる。本作は、そんなメッセージを伝えてくれているのだと思います。
青春の終わりを迎えたイジンとヒドがどのような道を選ぶのか。青春真っただ中の人も、青春が過ぎ去った人も、自分の思い出と重ねながら一緒にときめき、苦しみ、共感できる『二十五、二十一』。書いていたらまたペク・イジン앓이を発症しちゃいました。N回目の視聴、いってきます。
Netflixで見られる!
『二十五、二十一』
全16話
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高校時代の元カップルが大人になって再会する、繊細なラブロマンス『その年、私たちは』
『その年、私たちは』
全16話
出演:チェ・ウシク、キム・ダミほか
Netflixシリーズ「その年、私たちは」独占配信中
あらすじ
高校時代、成績トップの生徒とビリの生徒が一緒に学校生活を過ごすドキュメンタリーに出演したことがきっかけでカップルになったクク・ヨンス(キム・ダミ)とチェ・ウン(チェ・ウシク)。10年後、ヨンスは広告代理店のチーム長としてバリバリ働き、ウンは正体を明かさない覆面画家として活躍していた。そんな折、当時の映像がSNSで話題となり、29歳になった現在の生活を撮影することに。5年前に別れてから一度も会っていなかった2人は、気まずい再会を果たす。
ここが見どころ!
元恋人同士が再会するラブストーリー。一見よくある設定に思えますが、本作はそこに“ドキュメンタリーの撮影”というエッセンスが加わり、ヨンスとウンの初々しい高校生時代、そして大人になった現在の姿が平行に描かれているところが新鮮! 双方の視点から「あの頃」を振り返り、ナレーションによって語られる主人公たちの“相手には言えない本当の気持ち”は、どれもリアルで胸に刺さるものばかり。主人公たちと一緒に思い出の映像を見ているような気持ちになりながら物語に没入することができるドラマです。
主演を務めるチェ・ウシクとキム・ダミは映画『THE WITCH/魔女』以来、3年ぶりの共演。『THE WITCH…』ではアサシンとして対立する関係だった2人が、本作では素直になれない元カップルを等身大で演じ、新たなケミを見せてくれています。
『THE WITCH…』以降も親交が続いていたそうで、ジャンルが180度異なる甘酸っぱくて切ないラブロマンスの演技も息がぴったり。本人たちも「最初からとても気楽だった」(キム・ダミ)、「お互いを信じて撮影することができた」(チェ・ウシク)とインタビューで語っています。
最悪の別れ方をしたウンとヨンス。5年ぶりに再会を果たすが……。
ウンは、両親の愛情をたっぷり受けて育ち、争いごとを嫌うマイペースな性格。自分を捨てたヨンスと再会したら水をかけて塩を撒くんだ!とずっと練習していた(そして実践する)という少し不思議ちゃんな部分や、ふわふわのパーマヘアがよく似合う柔らかい雰囲気などが、バラエティ番組で垣間見えるチェ・ウシクのいたずらっ子で人懐っこい素顔と重なります。
チェ・ウシクの出演作は『パラサイト…』しかり、『狩りの時間』(2020)、配信がスタートしたばかりの『殺人者のパラドックス』(2024)などがっつり&どっしり系が多いので、かわいいチェ・ウシクを堪能したいならぜひ本作を! また、“ウガウガファミリー”として親交の深いBTS・Vが歌うOST「Christmas Tree」にも注目です。
人に弱みを見せられない不器用なヨンスは、ウンへの当たりがまあまあ強め。“ツン”が多いからこそ時折見せる“デレ”な姿がかわいくてキュンときちゃいます。いつもはシャキッとしているけれど、酒に酔って感情がダダ漏れになってしまったり、大好きなおばあちゃんの肩でわんわん泣いたりと、人間味溢れる演技で『梨泰院クラス』のイソとはまた違ったキム・ダミの魅力に魅了されました。
制服姿も見事に着こなしてしまうキム・ダミとチェ・ウシク。
ヨンソとウンが別れた理由、そして大人になって再会してからも素直になれない2人が迎える結末とは? それぞれが抱える心の傷、将来への不安、挫折など、恋と共に人生の成長痛を経験していく主人公の姿は、誰しもがどこかで共感できることでしょう。
Netflixで見られる!
『その年、私たちは』
全16話
Netflixシリーズ「その年、私たちは」独占配信中
彼史上最もイケてない警官役だけど、回を追うごとにその“姿”にハマっていく『椿の花咲く頃』
ソウル勤務から、半ば左遷の形で地元の派出所に異動した巡査のヨンシク(カン・ハヌル)。
『椿の花咲く頃』
全20話
出演:コン・ヒョジン、カン・ハヌル、キム・ジソクほか
Netflixシリーズ「椿の花咲く頃」独占配信中
あらすじ
女手ひとつで息子を育てるドンベク(コン・ヒョジン)に突然訪れた、新たな恋の予感。
シングルマザーへの偏見と差別に負けることなく、幸せをつかむことはできるのか。
愛に傷付き、何度も裏切られた経験から、心に傷を持ったドンベクと、「愛があれば大丈夫」と信じる田舎くさくも善良なヨンシク(カン・ハヌル)。そんな2人を取り囲む、地域密着型のロマンティックコメディドラマ。
息子ピルグ(キム・ガンフン)の髪の毛を愛おしそうに触れる、母ドンベク(コン・ヒョジン)。
ここが見どころ
今回ご紹介するのは、韓国ドラマファンなら一度は耳にしたことがある『椿の花咲く頃』。コメディ、サスペンス、ヒューマン、ロマンスなど、実に様々な要素が複雑に絡まり、視聴者の琴線を絡ませまくった名作です。2019年の作品を、なぜおすすめするのか。
それはカン・ハヌル演じるヨンシクが、めっちゃカッコいいから!
カン・ハヌルといえば、ドラマ『イカゲーム』シーズン2出演者のひとり。「彼の姿が待ち遠しい!」という方は、本作をチェックしてみて。イケメンで演技も上手く、“美談製造機”と評されるほどに人柄もいいカン・ハヌルらしさを最も昇華したキャラクターが本作のヨンシクなので、きっと満足いただけるはず。
それでは、おすすめポイントです!
「美人ママ」であり「かわいそうな未婚の母」のドンベクは、近隣の人に心無い言葉を投げかけられることも。
舞台となるのは、オンサンという小さな田舎町(ロケ地は韓国・慶尚北道にある浦項市郊外の九龍浦。ノスタルジックな町並みが良き)。ここに乳飲み子を連れたシングルマザーのドンベク(コン・ヒョジン)が引っ越してきたところから物語が始まります。
幼い頃は母親に、成人してからは恋人に捨てられ、ひとりで産んだ息子と生きていくため、ドンベクはオンサンで「カメリア」という居酒屋を始めます。町の男たちが常連となって店は大繁盛する一方、町の女たちからはあからさまにのけものにされ、妬み嫉みは日常茶飯事。しかし、「母親に捨てられた」過去を持つドンベクは自己肯定感が低く、反論できず、口ごもってばかり……。
そんな時に現れたのが、我らがカン・ハヌル!
ソウル勤務だった警官・ヨンシクは、優れた捜査勘の持ち主でしたが、正義感の高さゆえに問題を起こしてオンサンの交番に左遷されます。そして、町で見かけたドンベクに一目ぼれ。その後は、猪突猛進にドンベクへの好意を、ただひたすらに示し続けるのです。
ぶっちゃけ、本作を観るとドンベクを取り巻くつらい現実も見えてきます。
シングルマザーであることによって軽んじられたり、未婚の母だと後ろ指を指されたり。しかし本作では、ドンベクが真正面から社会に立ち向かい、悪者をやっつけて大団円……、という話ではありません。性差別、親子関係、自尊心、嫉妬と劣等感、虚栄を張ってしまうこと、地域社会で暮らす……など、一筋縄ではいかない問題をあるがままに取り上げ、現実世界のように行きつ戻りつ、緩やかに変化をくり返しながら、人生という山の斜面を登っていきます。そんなドンベクに影響を与えるキーマンがヨンシクなのです!
物語前半は、町の人々や男性陣からドンベクに対する偏見や蔑視についての場面が数多く描かれます。特に印象的だったのは、「ピーナッツをサービスしろ」と店の大家がしつこく絡んでくるシーン。この大家は自尊心に問題があり、「自分が見下されている」と感じるような言動を相手がとると騒ぎ立てるんです。酒の勢いもあり、どんどんエスカレートする彼は、「この店の店主は笑顔さえもない」と言いがかりをつけ、腕まで掴む始末。「はいはい」と、あしらうこともできるのですが、彼女はキッパリと拒否。
ドンベクが気になって仕方のないヨンシク。
そして、以降ヨンシクの一途でひたむきなメッセージが、その後のドンベクを幾度も支えます。
元恋人で子供の父親であるジョンニョル(キム・ジソク)と再会し、「(女手ひとつで育児をする)こんなつらい人生を送ってほしくない」と言われたドンベク。たったひとりで息子を育ててきた8年をまるっと否定された彼女は泣きたくなるほど、みじめな気持ちに。その時、ヨンシクがドンベクにかけた言葉がこちら。
「あなたは弱くない。身寄りのない未婚の母が、ピルグを立派に育てながら店を切り盛りしてる。
責任感もあるし、道徳的に生きている。そのうえ、誰よりも真面目で一生懸命だ。
それって称賛に値することですよ。普通だったらとっくに挫折してます。
だから忘れないで。あなたは誰よりも強くてすばらしい人です。誰よりも立派です」
……こう言われて、ほれない人います?
彼女自身と彼女が築いた歴史を全肯定する言葉にホッとしたのは、きっとドンベクだけじゃないと思います。
どう見ても漁師町の冴えないカップルなのに、めっちゃ輝いて見えます!
ドンベクの元々の強さを引き出し、それを彼女と周囲に再確認させたヨンシク。相手を理解し、支え続ける存在として特別な魅力を持った彼の生き方は、愛や尊重の在り方の幅を広げてくれます。心に余裕がない時、ささくれ立ってる時、自信を失いかけた時など、本作を観てください。彼の言葉と行動が心に沁み込んで癒されるはずです。
Netflixで見られる!
『椿の花咲く頃』
出演:コン・ヒョジン、カン・ハヌル、キム・ジソクほか
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唐揚げになった娘を救え!ぶっとんだ設定&名優たちの演技力に魅せられる『タッカンジョン』
『タッカンジョン』
全10話
出演:リュ・スンリョン、アン・ジェホン、キム・ユジョンほか
Netflixシリーズ「タッカンジョン」独占配信中
あらすじ
チェ・ソンマン(リュ・スンリョン)が経営する「モドゥン機械」に届いた不思議な機械によって、ソンマンの一人娘チェ・ミナ(キム・ユジョン)がタッカンジョンに変身してしまう。ソンマンはミナを人間の姿に戻す方法を探るため、部下のコ・ベクジュン(アン・ジェホン)と奇妙な大冒険に乗り出す。
ここが見どころ!
本作は、韓国の同名ウェブ漫画を原作としたミステリーコメディ。韓国で観客動員数1,600万人を突破したメガヒット映画『エクストリーム・ジョブ』(2019)のイ・ビョンホン監督が脚本・演出を務めました。
ドラマのタイトルでもある「タッカンジョン」は、韓国でおやつとして昔から親しまれてきた「甘辛タレを絡めた鶏のから揚げ」のこと。謎の機械に足を踏み入れた愛娘が人間からタッカンジョンに姿を変えてしまうという、なんともぶっ飛んだストーリーです。
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タッカンジョンを差し入れに来たミナ(キム・ユジョン)。疲労回復の機械だと思って入るが……。
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信じられないと思いますが、ミナです。
愛する娘を取り戻すために奮闘するソンマン役には、リュ・スンリョン。前述の『エクストリーム…』で潜入捜査の一環としてチキン屋を経営することになる主人公を演じており、今作でイ・ビョンホン監督と夢の再タッグ!彼がチキン関連のキャラクターを演じるのはこれで3度目(!)。韓国のバラエティ番組で「鳥類専門俳優です」と自己紹介するなど、本人もチキンとの親和性を楽しんでいるようです(ハマり役が新種すぎる)。
娘ミナ(タッカンジョン)を大事そうに抱えるソンマン(リュ・スンリョン)。
ミナに想いを寄せるソンマンの部下ベクジュンを演じるのは、『マスクガール』(2023)での怪演が記憶に新しいアン・ジェホン。イ・ビョンホン監督の初ドラマ『恋愛体質〜30歳になれば大丈夫』(2019)に出演しており、彼も再タッグ。この3人が集まったというだけで、面白さは保証されたも同然です。
いつも同じコーデのベクジュン(アン・ジェホン)。作詞作曲が趣味。
ミナがタッカンジョンに変わる瞬間を目撃していたベクジュン。最初は信じなかったソンマンも、彼の深刻な表情を見て状況を飲み込み、2人は内密に人間に戻す方法を模索することに。しかし、一口サイズであるせいで普通のタッカンジョンと混ざってしまったり、食べられそうになってしまったりと次から次へとハプニングが勃発! そのたびに必死の形相で「ミナ~!!!」と叫び、全力でタッカンジョンを守るソンマンたち。シュールな描写がくすっと笑いを誘います。
軽快なコメディパートが続く一方で、謎の機械を届けた人が死んだことが発覚したり、キーマンである研究者が失踪したりと、どこか不気味な空気も漂っていてハラハラ。笑いと緊張が交差する展開は、まさに甘辛いタッカンジョンのようです。
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失踪していた研究者と、その甥が現れて……。
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人気タッカンジョン屋の店員たちも参戦!?
物語は後半に行くにつれ、さらにカオスになっていきます。「なんのこっちゃ」な展開が続くのですが、ユーモアの中に「現代社会を風刺している?」と思わせるようなシリアスな面もあり、観賞前と観賞後の印象が大きく異なる作品でした。
イ・ビョンホン監督作品の魅力である、独特なセリフの掛け合いも健在。1話30分ちょっとでサクサク進むので、最初は軽く楽しみながら、2回目はセリフの掛け合いやさまざまなドラマ・映画のオマージュを味わいながら、3回目は本作に込められたメッセージを考えながら……と見直したくなる作品です。
配信サイト
『タッカンジョン』
全10話
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