11人組グローバルボーイズグループ、JO1のメンバーである白岩瑠姫さんが、9月1日(金)公開の映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』で映画初出演にして、初主演を務めました。白岩さんが演じたのは、自由奔放で絵を描くことが好きな高校生、深川青磁。W主演を務める、久間田琳加さん演じる、マスクが手放せない優等生の丹羽茜と物語をくり広げます。インタビュー前編では、初映画出演&主演への想い、監督や共演者との撮影時のエピソードを伺いました。

“JO1”の白岩瑠姫が初映画出演&主演で感じたプレッシャー

――今作への出演が決まった時の気持ちを教えてください。

今まで公言はしていなかったけれど、学園ものに出てみたいと思っていたので、決まった時はすごくうれしかったです。実は、父親もずっと僕に「学園ものをやってほしい」と思ってくれていたので、それが叶って親孝行できたのかなと。出演決定は直接伝えたんですけど、最初は「嘘だろ!」と言って信じてくれなかったんですよ。今は予告映像が出たので、さすがに信じてくれていると思いますが(笑)。

 

主演はもちろんすごくうれしかったけれど、プレッシャーのほうが強かったです。というのも、僕はJO1を背負っているから。演技経験が浅いなかで主役を務めるというのは、チームにプラスになる可能性もあるけれど、もしかしたら迷惑をかけてしまうこともあるかもしれない。そういう責任感はすごく感じていました。

白岩瑠姫さん撮りおろし 壁前

――映画主演が決まり、JO1のメンバーから応援の言葉はありましたか。

ちょうどこの撮影の時期に、ほかのメンバーもドラマや映画の撮影に入っていたんです。だから、直接そういう言葉をかけてもらうことはなかったですね。でも、メンバーのスケジュールを見て、「あ、こいつも頑張っているんだな」と。それが頑張る原動力になっていましたね。

 

――初主演を終えた今の正直な気持ちを教えてください。
今回、何もかもが初めての経験だったので、どう仕上がっているのかわからなくて……。正直、完成した映画を観終えるまでは不安でしたが、今はホッとしています。僕自身、すごくいい作品に仕上がったなと思ったけれど、一緒に観てくれた事務所や配給会社の方々が、たくさん映画をほめてくれてうれしかったです。

 

白岩瑠姫さん撮りおろし ソファ

――ご自身が演じられた深川青磁に共感する部分はありましたか。

僕自身と似ている部分が多くて、親近感を抱いていました。特に考え方! 僕、よくライブのMCで「このライブが自分の人生最後のパフォーマンスだとしても後悔ないように頑張ります」って言うんですけど、青磁もそういう考えのタイプで。だから今回、演技をしていて、セリフを言うというより、僕自身が思っていることを話しているという感覚があったかもしれないです。

 

――演技する上で、特に苦労した点はどこですか? 監督からアドバイスをもらうことはあったのでしょうか。

映画は、ストーリーの順番にシーンを撮っていくわけではないので、毎回、撮影前に青磁が、このシーンの前後でどういう感情を抱いていたかを思い出して演技することに苦労しました。あと、青磁は誰からも一目置かれる存在なので、ほかの生徒とは違うオーラを放つ必要がある。常にカッコよく、堂々と見せないといけなくて、そこも苦戦しましたね。監督から動作をダイナミックにしたらいいとアドバイスを受けて、豪快に座るとか、ひとつひとつの所作を意識することで乗り越えました。

 

監督から受けたアドバイスは、たくさんあるけれど、いちばん背中を押されたのは、「共演者やスタッフと、コミュニケーションを取ろう」ということ。僕も久間田(琳加)さんも人見知りで、クランクインしたばかりの頃は、お互いどう接したらいいかわからなくて……。そんな時に監督が、今作の座長である僕が、現場の雰囲気をどう作るかが、作品の仕上がりにつながると言われてハッとしたんです。その日から久間田さんやスタッフの方とも積極的にコミュニケーションを取るようにしたら、すごく現場がやりやすくなったんです。

 

白岩瑠姫さん撮りおろし

――共演者やスタッフとコミュニケーションを取ることは、やはりお芝居にプラスになるんですね。

 

そうですね。映画とは関係ないところでコミュニケーションを取っておくと、撮影に入る前に、あれこれ演技プランを話し合わなくてもお芝居ができるようになる。最後のほうの撮影では、演技中にお互いがどう思っているか通じ合っていたような気がします。

たとえば、屋上でペンキを塗り合うシーンや遊園地のシーンはアドリブだったんです。だから撮影前に「どうやって時間を使おうか?」と話し合ったのですが、特に遊園地のシーンは、いろいろ話したけど、「ま、俺らならいけるか」という結論に落ち着いて(笑)。とりあえず「楽しんでやろうね!」とはじまる前に声だけ掛け合って、撮影に入っていました。

白岩瑠姫さん撮りおろし

――久間田さんとは、どんなお話で交流を深めたんですか?

久間田さんとはお互い少女漫画が好きという共通点があって、その話で盛り上がりました。ちなみに、僕が学生時代に読んでいた思い出の漫画は、『アオハライド』、『ストロボ・エッジ』、『オオカミ少女と黒王子』、『L・DK』とか。いちばん好きな作品は『僕等がいた』です。

 

――20代女性には刺さる作品ばかり! 

 

友達から借りて読んでいたんですよ。少女漫画の実写映画を観に行く機会も多かったなあ。少女漫画は女性の気持ちの教科書だと思っていたので、学生時代は勉強そっちのけで読んでいましたね(笑)。でもその時の勉強が、今回の撮影でけっこう役に立ったと思います。たとえば予告にもある、自転車に乗って手を重ねるシーン。もともと台本には書かれていなかったけれど、リハーサルの時に自然とあの演技が出てきて。監督も「いいね」と言ってくれて採用されました。

 

『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』予告動画&ストーリー

『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』予告60秒【9/1(金)公開】

【ストーリー】

マスクが手放せず、周囲の空気ばかり読んでしまう「優等生」の茜。
自由奔放で絵を描くことを愛する、銀髪のクラスメイト・青磁。
何もかもが自分とは正反対の青磁のことが苦手な茜だったが、
彼が描く絵と、まっすぐな性格に惹かれ、茜の世界はカラフルに色づきはじめる。
次第に距離を縮めていくふたりの過去はやがて重なりあい、
初めて誰にも言えなかった想いがあふれ出す――。

 

 

出演:白岩瑠姫(JO1) 久間田琳加
   箭内夢菜 吉田ウーロン太 今井隆文 / 上杉柊平 鶴田真由
監督:酒井麻衣 
原作:汐見夏衛「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」(スターツ出版 刊)
脚本:イ・ナウォン 酒井麻衣
音楽:横山克 濱田菜月 主題歌:JO1「Gradation」(LAPONE Entertainment)
製作:『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会 制作プロダクション:C&Iエンタテインメント、アスミック・エース
配給:アスミック・エース
©2023『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会

白岩瑠姫さんプロフィール

PROFILE●しろいわ・るき。1997年11月19日生まれ。東京都出身。2019年に、サバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」に参加し、11人組グローバルボーイズグループ・JO1のメンバーとしてデビューを果たす。本作の主題歌「Gradation」も担当。

撮影/つぼいひろこ 取材・文/海渡理恵