プライド月間の今こそ考えたい、同性婚のこと。

大切なパートナーと人生をともにしたいと思っても、法律的に「結婚」を認められない人たちがいる。自由に、そして平等に、結婚する・しないを「選べる」社会をつくるには……? LGBTQ+の権利を啓発する“プライド月間”の6月こそ、みんなで考えてみよう。

当事者が今考えていること。感じていることは?

現場ではどんなことが起こっていて、どんな悩みがあるの? 当事者たちに、“本当のこと”を教えてもらいました。

大切なのは、平等と公平の考え方だと思います

YouTuberふたりぱぱ(リカ、みっつん、子供)
YouTubeチャンネル『ふたりぱぱ』
リカさん&みっつんさん

男の子を育てるスウェーデン出身のリカと日本出身のみっつんの家族YouTuber。スウェーデン在住で、現地で法的に結婚している。著書『ふたりぱぱ ゲイカップル、代理母出産(サロガシー)の旅に出る』は必読!

スウェーデンの法律下で結婚し、現在1児のパパとして子育てに励むふたりに、同性婚が法制化された社会について尋ねてみました。

みんながコミットすることが、社会を動かす!

みっつん:東京で交際していた僕らが結婚したのは、リカがロンドンに転勤するタイミング。

リカ:僕が「一緒に行かない?」と彼を誘ったんです。

みっつん:今思うと、それが実質的なプロポーズ。返事はもちろんYES。すぐ準備を始めました。

リカ結婚はビザ取得のためでもありましたが、ライフパートナーとして意識した瞬間でもありました。

みっつん:20代の頃はカミングアウトすら考えられず、結婚は自分には関係ないものだと思っていたのに、まさか結婚するなんて! 前向きになれたのは、リカや友人から同性婚が法制化された海外の国の話をたくさん聞いていたからです。

3人で座るYouTuberふたりぱぱ(リカ、みっつん、子供)

リカ:平等と公平を大切にするスウェーデンで同性婚が認められたのは14年前です。

みっつん:同性婚より前に、事実婚を法的に保護する“サンボ”という制度ができたそうです。そこから徐々にマイノリティも声を上げやすい社会になり、同性婚も認められたと聞きました。今、リカと息子と3人でスウェーデンに暮らしていますが、社会システムだけでなく、人人も同性婚は当然の権利だと考えています。

リカ:平等にみんなが幸せになれる方法を考えていけば、日本での同性婚の問題も解決する気がするな。

みっつん:僕らがYouTubeで発信を始めたのは、昔の僕のように何かを諦めてしまっている人の背中を押したいと思ったから。「これが正解だ」と言いたいわけではなく、さまざまな選択肢があることを伝えたいんです。

リカ:実際伝わっているよね。

みっつん:LGBTQ+の方だけでなく、異性愛者の方にも「型にはまる必要はないと気づけた」と言われることが増えました。少数派が生きやすい社会は、すべての人が生きやすい社会でもあるはず。あなたの隣にいる大事な誰かのために、同性カップルの話に耳を傾けてもらえたらうれしいです。

撮影/つぼいひろこ 取材・原文/衛藤理絵 ※MORE2023年7月号掲載