無性に新しい挑戦がしたくなる! 新年にピッタリの山岳ドキュメンタリー『MERU/メルー』

無性に新しい挑戦がしたくなる! 新年にピッタリの山岳ドキュメンタリー『MERU/メルー』_1
山岳映画に興味がないと言う人こそ、まずは公式サイトで予告編を見てみてください。映画で描かれるのは、私たちがイメージする山登りとは全く違う、壁登り! ほとんど足場が存在しない垂直に切り立った場所にテントが吊られている映像を見るだけで、いかにクレイジーな内容なのかがわかります。舞台はヒマラヤ山脈メルー中央峰にそびえる“シャークスフィン”と呼ばれる石壁。過去30年間、誰も登頂に成功したことのない難攻不落の壁に挑む、3人のクライマーを描いたドキュメンタリーです。

とにかく圧倒されるのは、息を飲むほど美しいダイナミックな映像。監督を務めたのは「ナショナル・ジオグラフィック」の山岳カメラマンでもあるジミー・チンという人で、なんと3人のメンバーのうちのひとり。2台の小型カメラを使い、チームメイトの姿はもちろん自らも登場人物としてカメラに映り、チャレンジの一部始終を記録。登攀中に直面する体調不良や体力の限界はもちろん、葛藤や迷い、苦しい妥協までも、吐息を間近に感じる近さで切り取っています。命の危険をリアルに感じる極限状態の中でカメラを回し続ける、彼のメンタルの強さには驚かされます。

そして、この映画がおもしろいのは映像の美しさだけでなく、登山家やその妻たちの葛藤を捉えたヒューマンドラマでもあるから。一度は登頂に失敗してメンバー全員が様々な苦難に見舞われながらも、周囲の人たちのサポートを受けて再び過酷な大自然に立ち向かって行く姿からは、「なんで辛い思いまでして山に登るの?」という、誰もが抱く純粋な疑問を解くヒントが隠されている気がしました。垂直にせり出す壁や壮絶な寒さ、雪に直面しながらも、最終的に闘う相手は自分自身。クレイジーなクライマーたちの極限の挑戦を見れば、新しいことにチャレンジする圧倒的なパワーをもらえるはず。新しい1年のスタートにピッタリの、傑作ドキュメンタリーです!

(文/松山梢)

●12/31〜新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー

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