【今月のキーワード】一編の物語のような音楽を携えて……

今までに3 冊の本を出版、作家としても注目を集める尾崎世界観。彼がヴォーカルを務めるクリープハイプが、2 年ぶりにアルバムを発売。今作は、怒りや悔しさをつづった激情的な楽曲が目立った今までとは違い、全体を通して優しさが漂う一枚に。たとえば、映画『帝一の國』の主題歌に起用され、大ヒットした『イト』。操り人形の「糸」と生きるための戦略の「意図」を掛けた歌詞が、疾走感のあるメロディにのって、今を生きる私たちの背中をぐっと押してくれる。また、日常の何気ない会話に光を当てた『一生のお願い』も必聴。一生のお願いを言いあえる関係はとても素敵で、そこには愛があることに気づかされる。アルバム全曲にちりばめられた尾崎氏の巧みな言葉遊びが、感情を揺さぶり、目の前の景色を特別なものにしてくれるはず。
【イチ押しミュージック1】クリープハイプ『泣きたくなるほど嬉しい日々に』

【イチ押しミュージック 2】折坂悠太『平成』

【おすすめミュージックはこの3つ☆】

再始動後初となるアルバムが完成。彼らの真骨頂であるダンス曲『Reboot』は必聴。特典映像には、MVや復活後を追ったドキュメンタリー映像などを収録。●発売中 初回限定盤(CD+Blu-ray+スマプラ対応)¥6800(avex trax)

公開中の映画『コーヒーが冷めないうちに』のために彼女が書き下ろした楽曲。力強くも透明感のある歌声にのった歌詞が、心の片隅にある後悔を溶かしてくれる。●発売中 初回仕様限定盤¥1200(エピックレコードジャパン)

CM曲に『笑おう』が起用され話題の2 人組女性ロックバンド。SNS世代の彼女たちがつむぐ共感性の高い歌詞とパワフルなサウンドが魅力。落ち込んだ時に力をくれる全7 曲。●10/ 3 発売 ¥2000(ワーナーミュージック・ジャパン)
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原文/海渡理恵
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