話題のアーティストや音楽から、キーワードに沿った2つのイチ押しと、3つのおすすめ作品をご紹介します。

【今月のキーワード】一編の物語のような音楽を携えて……

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せつなさ、愛おしさ、やるせなさ、うれしさ……、いろんな感情を呼び覚ます、全編日本語で書かれた2 作品が誕生。まるで短編小説を読んでいるかのような音楽を、もうすぐ訪れる文学の秋にじっくりと聴いてみては?

今までに3 冊の本を出版、作家としても注目を集める尾崎世界観。彼がヴォーカルを務めるクリープハイプが、2 年ぶりにアルバムを発売。今作は、怒りや悔しさをつづった激情的な楽曲が目立った今までとは違い、全体を通して優しさが漂う一枚に。たとえば、映画『帝一の國』の主題歌に起用され、大ヒットした『イト』。操り人形の「糸」と生きるための戦略の「意図」を掛けた歌詞が、疾走感のあるメロディにのって、今を生きる私たちの背中をぐっと押してくれる。また、日常の何気ない会話に光を当てた『一生のお願い』も必聴。一生のお願いを言いあえる関係はとても素敵で、そこには愛があることに気づかされる。アルバム全曲にちりばめられた尾崎氏の巧みな言葉遊びが、感情を揺さぶり、目の前の景色を特別なものにしてくれるはず。

【イチ押しミュージック1】クリープハイプ『泣きたくなるほど嬉しい日々に』

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ラジオ局『FM802』のために書き下ろした『栞』をはじめ、全14曲を収録。来年2 月末まで開催されている「道後オンセナート2018」では、アルバム収録曲を含めた全10曲の歌詞世界を堪能できる作品を展示中。●発売中 通常盤¥2750(ユニバーサル シグマ)

【イチ押しミュージック 2】折坂悠太『平成』

平成元年生まれのシンガーソングライター・折坂悠太は、宇多田ヒカルやASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文など、数多くのアーティストが賛辞を贈る注目の人。その魅力は、『旋毛からつま先』、『夜学』、『丑の刻ごうごう』、『さびしさ』など、曲名を見ただけでわかる独特のワードセンス。日本語の持つどこか曖昧で繊細な美しさを教えてくれる歌詞、さらには、心の奥底に眠っていた記憶を掘り起こすような歌声に酔いしれて。
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ジャズ、フォークやヒップホップなど、古今東西のルーツミュージックを巧みに取り入れた全11曲。●10/ 3 発売 ¥2500(ORISAKAYUTA / Less+ Project.)

【おすすめミュージックはこの3つ☆】

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東方神起『TOMORROW』

再始動後初となるアルバムが完成。彼らの真骨頂であるダンス曲『Reboot』は必聴。特典映像には、MVや復活後を追ったドキュメンタリー映像などを収録。●発売中 初回限定盤(CD+Blu-ray+スマプラ対応)¥6800(avex trax)
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YUKI『トロイメライ』

公開中の映画『コーヒーが冷めないうちに』のために彼女が書き下ろした楽曲。力強くも透明感のある歌声にのった歌詞が、心の片隅にある後悔を溶かしてくれる。●発売中 初回仕様限定盤¥1200(エピックレコードジャパン)
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yonige『HOUSE』

CM曲に『笑おう』が起用され話題の2 人組女性ロックバンド。SNS世代の彼女たちがつむぐ共感性の高い歌詞とパワフルなサウンドが魅力。落ち込んだ時に力をくれる全7 曲。●10/ 3 発売 ¥2000(ワーナーミュージック・ジャパン)


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原文/海渡理恵
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