12星座全体の運勢

「自分を変えるための学びを」

木々の若葉が青葉に変わり、夏の兆しが一気に濃くなっていく二十四節気の「小満」が5月20日。その直後にあたる5月23日に、私たちは双子座で新月を迎えていきます。今回の全体キーワードは「学力の形成」。これは何か本を読んだり出来事を向きあったときに、「それでいったい何が解ったことになるのですか」と自問するということであり、「解ることによって自分が変わる」ということを身に沁みて感じていくということでもあります。今回の新月前後は「自分を変えるための学び」をどこに見出し、そこに手間をかけていけるかを改めて意識していきたいところ。

魚座(うお座)

今週のうお座のキーワードは、「夢」。

魚座のイラスト
夜にみた夢がいつもより鮮明に感じられ、不思議に思ったことはないでしょうか。

ユダヤ神秘主義のカバラには、自然がみずからの姿をよく見るために自分自身を夢によって生み出したという解釈が存在しますが、私たち日本人においても「人生は夢である」という感覚は古くから社会や生活の根底に消えることなく継承され続けてきました。

それゆえに、夢というはかなくあやうい仮の生から脱して、彼岸や浄土で永遠の平穏を得ようというという動きも出ましたし、一方で、疫病などが流行った際により深い夢を見ることによって神意を得て、それを人々に伝えるのも古代において王(天皇)の重要な仕事でもありました。

仏教やシャーマニズムなどを援用しつつ、夢とは何かを深く掘り下げて論じたミンデルの『24時間の明晰夢―夢見と覚醒の心理学』では、私たちが夢にコミットしていこうとするのは、この世での嫌なことを忘れるためといった現実逃避的な動機付けだけでなく、<私>が帰するところに対して視点を深めようとしているからなのだと言います。

すべての物事がそこから生起する、分(節)化していない全体的な世界の感覚に注意を払うこと」で、私たちは「夢よりも深い覚醒」に至るのだ、と。こうした理解は、おそらく自己の基盤を確かなものにしようとしている今のうお座においても、とても大切なものと言えるでしょう。


出典:A・ミンデル『24時間の明晰夢―夢見と覚醒の心理学』(春秋社)
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<プロフィール>
慶大哲学科卒。学生時代にユング心理学、新プラトン主義思想に出会い、2009年より占星術家として活動。現在はサビアンなど詩的占星術に関心がある。
文/SUGAR イラスト/チヤキ