ひとり暮らし女子が知っておきたい防災のこと

万が一の時、命をつなぐのは“リテラシー”。

地震や台風、洪水……。毎年のように各地で起きる自然災害。心のどこかで“私には関係ない”と思っていませんか? 今後、大きな天災を経験する可能性が高い20代女子にとって、災害に対する知識(=リテラシー)の有無が運命の分かれ道に。

教えてくれたのは……

NPO法人「ママプラグ」理事 冨川万美さん
NPO法人「ママプラグ」理事 冨川万美さん
東日本大震災の支援活動を機に「ママプラグ」の設立に携わる。監修本に『家族と自分の命をつなぐ最新常識 今どき防災バイブル』(主婦の友社)など
災害医療スペシャリスト 石井美恵子先生
災害医療スペシャリスト 石井美恵子先生
医学博士(危機管理医学・医療安全学)。国際医療福祉大学大学院教授。アメリカで危機管理システムや災害医療を学び、教育や医療支援活動に従事

防災対策は日常生活を底上げするイメージで

「災害大国と呼ばれる日本に暮らす以上、いつ何が起きるかわからない状況にいることを再認識しましょう。大事な防災対策のポイントは、災害のために備えるのではなく、日常を“災害にも強い生活スタイル”へと底上げしていくこと。生活用品のストックの買い方など、ライフスタイルの見直しにもつながります」(冨川さん)

災害は誰にでも起こりうる事態です

「防災対策は、いかに自分ごととして想像できるかがカギです。だからこそ、まずは自分のリスクを知るところから始めましょう。「あの時備えておけばよかった」と後悔しないためにも、ハザードマップの確認や備蓄、家具の固定など、身の回りを振り返ることが、命を守るアクションにつながっていきます」(石井先生)

いざ地震が発生したら……。モア子の場合

漫画「いざ地震が発生したら…」
漫画「いざ地震が発生したら…」
漫画「いざ地震が発生したら…」
漫画「いざ地震が発生したら…」
漫画「いざ地震が発生したら…」
漫画「いざ地震が発生したら…」
漫画「いざ地震が発生したら…」
漫画「いざ地震が発生したら…」

※1 地震発生直後は落ち着いてから状況の確認を

安全確認しながらガス&電気を止める
「落下するものがなければ手もとにあるもので頭を保護して揺れが収まるのを待ちましょう。家具を固定しておくなど物が倒れにくい環境づくりも大切。揺れが収まっても余震が続くこともあるので、ガスや電気は止めて」(石井先生)

To Doリスト
☑︎ 安全のため家の中でも靴やスリッパをはく
☑︎ ブレーカーは落とす
☑︎ ガスが消えているか確認

避難すべき? “安全な場所”を判断しよう

漫画「いざ地震が発生したら…」
漫画「いざ地震が発生したら…」

※2 避難すべきかどうかは自宅の構造を知っておけば判断材料に

セキュリティも含め安全な場所を考える
「家の構造が揺れに強い免震構造や新耐震基準なら、建物の安全が確認できれば自宅にいたほうが安心。窓ガラスが割れた、オートロックが機能しないなど、セキュリティに不安があれば貴重品を持って安全な場所に避難する判断を」(石井先生)

避難時にすること・避けることは?

漫画「いざ地震が発生したら…」
漫画「いざ地震が発生したら…」
漫画「いざ地震が発生したら…」

※3 賃貸の場合は水まわりはできるだけ使わない

自室だけでなく近隣トラブルにも!?
「マンションなど一戸建住宅以外の物件は、排水管が破損していると下の階の壁にしみ出したりする可能性が。賠償責任を負う場合もあるので、トイレは不用意に使わないこと。防災用の簡易トイレを用意しておきましょう」(石井先生)
簡易トイレ
簡易トイレ
便器に汚物袋を設置し、用をすませたら凝固剤を入れ袋の口を閉じて処分するタイプが一般的。すぐに捨てられない可能性も高いので、防臭効果の高いものを選ぶのがおすすめ
→避難所での生活! プライバシー、考えられるトラブルとは?
「いざ地震が発生したら……」後編はこちら

関連リンク

>>災害発生時に必要な「三種の神器」とは? ひとり暮らし女子が知っておくべき自宅避難
>>【防災グッズ チェックリスト】災害発生! 自宅避難に必要なアイテムとは?
>>【避難所で必要なアイテム チェックリスト】ナプキンなど女性ならではの防災アイテムも
>>【防災お役立ち情報】“もしも”に備えるリテラシー7選。便利なアプリやSNSアカウントなど
イラスト/曽根 愛 撮影/ケビン・チャン 取材・原文/国分美由紀