話題のステージの中から、キーワードに沿ったイチ押し舞台、そして2本のおすすめをご紹介します。

【今月のキーワード】覚醒する松坂桃李を目撃せよ

甘いマスクに183㎝の高身長。女性の理想をそのまま体現したかのような完璧なビジュアルの松坂桃李。NHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』でヒロインの幼なじみ役を爽やかに演じた影響からか、柔和な笑顔の好青年の印象が強い。そんなイメージを見事くつがえし、大きな話題を呼んだのが、今年映画化もされた一昨年の主演舞台『娼年』。オーディションで勝ち取ったのは、会員制ボーイズクラブで働くコールボーイ役。過激な表現で知られる三浦大輔の演出によって、松坂は全裸でのセックスシーンや成長する青年の姿を生々しく演じきった。その熱演で女性ファンはもちろん辛口な演劇ファンや批評家をも魅了した松坂桃李が、今回挑むのが『マクガワン・トリロジー』。IRAの猟奇的な殺人マシーン役で、どこまで振りきってくるのだろうか。タッグを組むのは演者たちの新たな側面を引き出すことに定評のある気鋭の演出家・小川絵梨子。共演には浜中文一、趣里、小柳心、谷田歩、高橋惠子と個性的な面々が揃った。この作品のステージの上にも、映像では観られない松坂桃李がきっと立っているはず! 舞台のほかに、彼の新たな面を発見できるのが写真集&ロングインタビュー本『妄想・松坂桃李2 』。彼が「一本の映画を妄想し、実際にあるフライヤーのように見せる」のがコンセプト。発売にあたり本人は「なぜ第2 弾が出るのか……⁉」とコメントを寄せたが、写真を通しても表現者としての彼に今“脂がのっている”のがわかるし、好きな人の妄想を知りたくなるのがファンのさが! 松坂桃李の頭の中に入り込むような感覚で楽しんで。

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【今月のイチ押し☆ステージ】『マクガワン・トリロジー』

 IRA(アイルランド共和軍)の殺人マシーン、ヴィクター・マクガワン。彼の暴力性と悲哀を3 つのパートに分け、コメディタッチで描く。◆ 7 /13~29 世田谷パブリックシアター(地方公演あり) ●チケットスペース ☎03・3234・9999
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松坂桃李の頭の中に入り込むような感覚で楽しんで。『妄想・松坂桃李2』
『プラスアクト』の連載『Théâtre TŌRI』の書籍化第2 弾。連載では語られなかったストーリーの結末を明かし、未公開カットと共に構成。新作も7 編収録。撮影は数々の写真集で実績のある浦田大作。(ワニブックス ¥2200)

【オススメステージは『BOAT』と『レインマン』】

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『BOAT』

劇団・マームとジプシーを主宰する藤田貴大の新作は、ここ数年発表してきた2 作品の完結編で、長きにわたる東京芸術劇場との共同作業が結実する。メンズノンノモデルであり、俳優としても活躍する宮沢氷魚が初舞台にして主演を飾る。◆ 7 /16~26 東京芸術劇場プレイハウス ●東京芸術劇場ボックスオフィス ☎0570・010・296 AD/名久井直子 撮影/井上佐由紀
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『レインマン』

ダスティン・ホフマンとトム・クルーズが主演した名作映画を舞台化。破産寸前の弟チャーリーを演じるのは、藤原竜也。自閉症で特殊な能力を持つ兄レイモンド役に、椎名桔平。芸達者なふたりが初共演、どんな化学反応を観ることができるのか期待大。◆ 7 /20~8 / 4  新国立劇場 中劇場(地方公演あり) ●ホリプロチケットセンター ☎03・3490・4949


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MORE2018年7月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック! 文/小泉咲子
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