選べる私、最高だ! MORE45周年 スペシャルインタビュー

「自分で納得して選びたい」
20代の女性たちと話していて、よく耳にする言葉です。自分らしさは、自分が選んできたものの集合体とも言えるから納得して選べれば満足度は上がるし、たとえ失敗しても諦めがつくというもの。では、どうしたら“選べる自分”になれるんだろう? 今回、MORE創刊45周年記念号の巻頭企画として、この疑問に向きあうことにしました。キラキラと輝いている人たちは、何をどう選んでいる? さまざまな分野で活躍する12人の言葉から、素敵な人たちが輝いているのは、特別な何かだけじゃない一歩を踏み出す勇気があるからだと気づかされます。選ぶためのヒントにあふれる、その言葉から、あなたも勇気をもらってください。そして一歩踏み出せば、心の中で言いたくなるはず。
「選べる私、最高だ!」と。
——MORE 編集長 中田貴子

助産師・性教育YouTuber シオリーヌ

プロフィール

SHIORINU
総合病院産婦人科、精神科児童思春期病棟に勤務したのち、YouTuberとして性教育の情報を発信。学校やイベントで講師も務める。著書に『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(イースト・プレス)など
性教育YouTuberのシオリーヌさん

自分が10代だった頃に、“いてほしかった大人”になる

ベージュのワンピースを着たシオリーヌさん
助産師になると決めたのは、高校3年の夏。両親との関係に悩んでいて、いろいろな家族のあり方に寄り添う産婦人科という場に興味がわいたんです。そこで働く中で、「性教育ってすごく大事だな」と実感。たくさんの若者に正しい知識を届けたいと思い、YouTubeチャンネルを立ち上げました。目指すのは、“自分が思春期の頃に、そばにいてほしかった大人”になること。10代の頃の私はひとりで悩みを抱え込みがちだったので、「当時こんな大人がいたら、私も相談できただろうな」と思える存在でいたいです。若い視聴者から「シオリーヌのおかげで自分の体を守れたよ」と言ってもらえたりすると、「やってきたことは間違っていなかったな」とうれしくなりますね。

臨床心理士 みたらし加奈

プロフィール

KANA MITARASHI
みたらし・かな●1993年生まれ。臨床心理士。NPO法人「mimosas(ミモザ)」副理事。SNSを通してメンタルヘルスの情報を発信。女性のパートナーとYouTubeチャンネルも更新中
臨床心理士のみたらし加奈さん

自分にフィットするかが大事! きらめき、ときめきだけでなく「モヤモヤ」にも気を向けて

水色のワンピースを着たみたらし加奈さん
テレビ局をやめて臨床心理士を目指した時。初めて同性パートナーとつきあい始めた時。たくさんの選択がありました。私は「ときめき」だけでなく、「モヤモヤ」も大事にしています。「選択」と聞くと、なんとなく挑戦的でパワフルなものを想像してしまう。でも、モヤモヤのようなネガティブな感情のほうが本質をとらえていることもあります。直感とは積み重ね。モヤモヤは今までの経験や知識が、“フィットしないかもよ?”と警告してくれているのかも。ネガティブになる自分を信じてあげることも、大事だと思います。そして、「選択」という言葉を重くとらえすぎないでほしいです。間違ったら、軌道修正すればいいだけ。やめることも後戻りすることも、立派な「選択」のひとつです

カメラマン・『STOCK』ディレクター 花盛友里

プロフィール

YURI HANAMORI
はなもり・ゆり●数多くのファッション誌や広告で活躍するカメラマンであり、2児の母。人気ランジェリーブランド『STOCK』をプロデュースするなど、マルチに活躍する
カメラマンの花盛友里さん

「あなただから頼みたい」と思ってもらえるよう努力と行動をすればもっと気持ちよく働けるはず

シルバーの指輪をつけた花盛友里さん
私の人生の最終目標は27歳の時に決めた、「お母さんの子供でよかった」といつか子供に言ってもらうこと。それを叶えるためにどんな家族でいたいか、どう仕事をしたいか、そう判断してきました。とはいえ出産時は仕事と育児の両立にかなり悩んで。でも今だから思えるのは、仕事は子供との時間を犠牲にしてまでしなくても、努力次第でまた戻れるもの。だから休む時間や子供と過ごす時間を確保できるように、そしてその選択をする自分に仕事を頼みたい、と思ってもらえるよう努力しました。すべての決断に共通するのはちゃんと自分で決める、ということ。そうすればたとえ後悔しても人のせいにせず、行動にも責任が出て“自分の”人生になると思います。

『Period.』CEO 寺尾彩加

プロフィール

AYAKA TERAO
てらお・あやか●新卒で入社したベンチャー企業在職時に、サニタリーショーツの開発・販売を手がける『Period.』を創業。フェムテック関連アイテムや女性の健康を応援する発信を続ける
『Period.』CEOの寺尾彩加さん

将来の自分の選択肢を増やしてあげるために、なにかしら始めてみることが大事

ツイードジャケットを着た寺尾彩加さん
『Period.』はサニタリーショーツなどを扱うブランドです。立ち上げ当時(2019年頃)の日本は生理のアイテムの選択肢が少なかったので「こんなに便利で女性の生活がポジティブになるアイテムをもっと知ってもらいたい!」と思い副業として始めました。この道一本に絞る時は当然迷いもありましたが、25歳の時だったので「今なら失敗しても経験になるし」と決断。その時も今も“どっちが自分にとって幸せか”を軸に判断しています。今の時代は私も行ったクラウドファンディングなどで資金も集められるし、SNSをうまく使えばいろいろな人とつながれる。やりたいことがまだ見つかっていなくても、自分の行動の手数を増やしておけば、たくさんの可能性が広がると思います!


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[シオリーヌ]撮影/山根悠太郎 取材・原文/板垣千春 構成・企画/福井小夜子(MORE) [みたらし加奈]撮影/山根悠太郎 取材・原文/東 美希 構成・企画/福井小夜子(MORE) [花盛友里]撮影/山崎英里 企画・原文/渡部遥奈(MORE) [寺尾彩加]撮影/山根悠太郎 企画・原文/渡部遥奈(MORE)