「島ぜんぶでおーきな祭 – 第15回沖縄国際映画祭」 開催!

沖縄の社会課題の解決を目指すコンテストやクレカをレポート

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2023年4月15日、16日に沖縄の那覇で開催された、総合エンタテインメントの祭典「島ぜんぶでおーきな祭 - 第15回沖縄国際映画祭」。映画上映のみならず、音楽、お笑い、アート、ソーシャルビジネスコンテスト、レッドカーペットなど、多彩なコンテンツが開催されました。 
この記事では、その中の取り組みのひとつとして行われた、「島ラブ祭 ソーシャルビジネスコンテスト Powered by Yunus Social Business」を中心に紹介します。社会活動をしたい、自分で事業をやってみたい、副業で何かスタートしたいという人にとっては、ヒントになるかもしれませんよ。 

沖縄がソーシャルビジネスアイランドに

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4月15日(土)、那覇市の琉球新報ホールで行われたソーシャルビジネスコンテスト、「島ラブ祭 ソーシャルビジネスコンテスト Powered by Yunus Social Business」。 
これは地域の課題に対しビジネスでの解決を目指すプロジェクトで、「島ぜんぶでうむさんラブ(島ラブ)」という名称でスタートしました。活動を通じて社会や地域の課題に取り組む輪が自然と広がる沖縄を目指しています。 

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ソーシャルビジネスとは、貧困・教育・環境などの社会問題を解決することを目的としたビジネスモデル。この「島ぜんぶでうむさんラブ(島ラブ)」は、「島ぜんぶでおーきな祭 - 第15回沖縄国際映画祭」を運営してきた株式会社よしもとラフ&ピースが、沖縄にもっと笑顔が広がるように、沖縄がソーシャルビジネスアイランドになるようにと、ユヌス・ソーシャル・ビジネスの理念に基づきこれから起業に挑戦する方や事業を拡大したい方の支援を行っているプロジェクトです。 

社会や地域の課題に取り組むビジネスコンテスト

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ソーシャルビジネスへの熱意ある人たちが集まり、4ヶ月のアカデミーでメンターとビジネスの基礎などを学習しながら事業モデルを明確にしていきます。 その4ヶ月の学びをまとめて、自身の事業モデルを発表する場であり、会場にいる観客の投票によって最も魅力的な事業モデルであるグランプリを決めるのがこの「島ラブ祭 ソーシャルビジネスコンテスト Powered by Yunus Social Business」です。 
当日の司会はガレッジセールとよすみさんが務めました。 

参加者の事業モデル発表の模様をお届け

発表者は15組。各々が自身のやりたいことや志を事業モデルに込めて発表していきます。

その中からいくつかを紹介します。 

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「NPO法人たいようのえくぼ」の中村優香さん

沖縄の子育てに関するフリーペーパー作りに携わった経験から、沖縄の子育て情報(行政・企業・NPO・個人)を一箇所に集め、子育て・家事・仕事などの情報を、日々忙しいママ達が少しでも楽に得られるように、心がほっとするようなポータルサイトを創る事業計画について発表しました。 

外来魚の駆除と食料資源活用を提案した市川昌利さん

沖縄の河川に生息している多くの外来魚が在来魚を絶滅に追い込むことを危惧し、駆除について提案。 
人間が持ち込んだことが原因の外来魚が生態系を壊すおそれがあるため、責任を持って駆除することが今必要だと言います。そして、ただ駆除するだけでなく食料資源として活用する考えを発表しました。 

「看取り沖縄」の安里 裕子さん

高齢化社会に伴い、病院や施設で最期を迎えたいと希望しても入院できない“看取り難民”が出ると言われている現在。在宅での看取りが増える可能性があります。安里さんは、本人と家族が安心して最後を迎えられる沖縄になるための活動やサポート事業について発表しました。 

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ほかにも、女性が「自分らしい働き方」ができるようサポートするサービスや、保護犬猫処分ゼロに向けたサービス、農業支援など、たくさんの印象的な発表があり、会場にいた観客はどの案に投票するか頭を悩ませました。 

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今回、見事グランプリを受賞したのは、安里裕子さんの「看取り沖縄」 。 
「島ぜんぶでうむさんラブ賞」に決定。安里さんには、恒例の熟成泡盛が贈られました。 
 
発表のひとつひとつに熱意と想いがこもっていて、皆さん素晴らしかったです! 自分の発表後に舞台袖に入ると、仲間同士でハグしたり涙する人もいたそうです。優勝した安里さんも号泣。出場者の人生においても貴重な経験となるプロジェクトになったようです。 

買い物で沖縄の課題解決! 公式クレジットカードが誕生

沖縄の魅力を発信する総合エンタテインメントの祭典であると同時に、社会課題解決の取り組みにも力を注いできた「島ぜんぶでお〜きな祭」。 
今回、「あなたの買い物が沖縄の課題解決につながる」という点が特長の「島ぜんぶでお〜きな祭ファンカード」公式クレジットカードが誕生し、ガレッジセールの司会で発表会が開催されました。 

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1枚から発行可能な次世代型提携クレジットカード「Nudge (ナッジ)」を提供する金融ベンチャー企業の株式会社ナッジと共同しています。その代表取締役の沖田貴史氏が登場。「島ぜんぶでお〜きな祭」公式クレジットカードを使用することで、その利用額に付与されるポイントが、沖縄の社会課題解決の応援になる仕組みをつくったと解説しました。 

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ポイントが貯まるというのは他のクレジットカードでもよくありますが、使うのを忘れて失効してしまうことも。このカードは、ポイントがダイレクトに社会貢献になる仕組みです。 
会見に出席したよしもとラフ&ピースの和泉かな社長は、「沖縄に関わっていく中で、沖縄の子供たちの貧困や離島の貧困格差を実感している」と話しました。子供達の未来については、沖縄の中でも大きな社会課題にもなっているそうです。 
そのため、「島ぜんぶでお〜きな祭」公式クレジットカードは、貯めたポイントがダイレクトに県内の子供食堂の支援や子供達の遊びと学びの向上といった、沖縄の子供達の支援等に活用される仕組みになっています。 今後も支援先や特典は増えていく予定だそうです。 

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意外にも近年、若い世代のキャッシュレス化が進んでいないと沖田氏は言います。これにはクレジットカードを失くすことや使いすぎへの不安があるそうです。 

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「Nudge」のクレジットカードはアプリと連携し、使用した金額がすぐに確認できる、失くした時もアプリですぐに停止できるなど、スムーズな機能が付帯しているのも特徴。アプリから簡単に申し込め、独自審査と低い限度額設定にすることで発行も柔軟に行われるため、今の働き方にも合っていると沖田氏が説明しました。 

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ガレッジセールのゴリさんが、「“応援すること”とリンクしているのはじょうずな仕組み! みんなつくりたくなりますね」とコメント。 
川田さんも「使ったら沖縄の子供の笑顔につながるのは嬉しいです」と、地元ならではの目線で喜びのコメントを残しました。 
「Nudge」の「島ぜんぶでお〜きな祭」公式クレジットカードは、沖縄の社会課題に大きく寄与しそうです。 
「島ぜんぶでおーきな祭 - 第15回沖縄国際映画祭」が、映画祭はもちろん、沖縄全体を盛り上げていることがよくわかるイベントでした。

島ぜんぶでおーきな祭 -第15回沖縄国際映画祭-

取材・文/雨宮あゆ実