広瀬すずの“選び方”

純粋無垢な輝きを持ちながらも、落ち着いていてしんの強さを秘めたまっすぐなまなざし。多くの作品に出演し縦横無尽に役柄を演じるその素顔は、意外にも「周りに導かれる人生」と語る。そんな広瀬すずさんが、お仕事やプライベートで自ら選択してきたこととは？

青い服を着て両手を顔にあてる広瀬すず
広瀬すず

ひろせ・すず●1998年6月19日生まれ、静岡県出身。2012年に雑誌『Seventeen』の専属モデルとして活動をスタートし女優デビュー。演技力が高い評価を受け数々の賞を受賞。主演を務める映画『水は海に向かって流れる』が2023年6月9日に公開予定

広瀬すずのオシゴト論

仕事をするうえで大切にしていることや、オフの日に何よりも優先する譲れないことまで。彼女自身の選択のセオリーを徹底的に根掘り葉掘り！

やってみないとわからない。悩んだら考えすぎずとにかく挑戦

お仕事をしていると、意見を求められることも多いのですが、やらない以上答えは出せないから「まずはやってみないと！」というのはずっと根本にあります。作品を選ぶ時もそう。自分の気持ちだけでなく、周りの意見も聞きながら、まずは挑戦してみます。とは言ってもみなさんが思うほど私は真面目でもなくて（笑）、「やってダメだったら逃げちゃおう」と思っているからこそ、挑戦できるのかもしれません。

導かれる人生も悪くない。流れに身を任せつつ譲れない部分は主張

この世界に入ったきっかけをひと言で表すなら、“勢いにのまれた”感じです（笑）。自ら選択したわけではないんです。でも最近つくづく思うのが、意外と人に導いてもらうのも悪くないってこと。ただちゃんと譲れない部分もあって。「普通の高校生活を送りたい！」というのもそのひとつでした。芸能活動をしていたけれども一般の高校を選択し、そこではありがたいことに“普通”に扱ってもらえて、学生生活をとっても楽しめました！ 高校時代にできた友人とはいまだに仲がよく、あの時の選択は正しかったなあ、と思います。

セットアップを着て椅子に座っている広瀬すず

シャツ￥28000・パンツ￥25000／Cycle by myob　リング￥203500／トムウッド プロジェクト　インナー・靴・ピアス／スタイリスト私物

自分で選択をするということはそれだけ責任を背負うことになる

自分に意志が生まれてからモチベーションにはっきり変化が

今まで導かれてお仕事をすることのほうが長かったので、意志を持ってお仕事に取り組むことでモチベーションに変化があると気がついたのは、実は最近のこと。それはお仕事に限らずすべてに共通することだと思います。自分が選び得た時間だからこそ、「この瞬間をすごく大切にしたい」と思えるんじゃないかな。作品の撮影中も同じで、自分が意志を持ち選ぶことで、演じること、その時間との向きあい方、取り組み方や気持ちなど、すべてがガラッと変わりました。

撮影／柴田フミコ　ヘア&メイク／奥平正芳　スタイリスト／Shohei Kashima（W）　取材・原文／道端舞子　※MORE2023年7月号掲載