今までと、これからと。終わらせたくない、ロングロングインタビュー

大好きだからモデルとしてもっともっと成長するために──。7月27日に33歳を迎えたばかりの栞里が、ついに旅立つ時がきた。MOREで過ごした11年間分の軌跡と、これから始まる人生に想いをはせる。

【佐藤栞里インタビュー】モデルの仕事が大の画像_1

服・小物/すべてスタイリスト私物

ラストシューティングの地は、沖縄・恩納村。エメラルドブルーの海をバックに撮影を予定していた。しかし、天候はくもり。そんなあいにくの空模様を感じさせない、栞里の笑い声がビーチに響きわたる。「今日の海、ちょっと濁ってるけどそれもいい味!(笑)」。そう言いながら、子どものように海で遊ぶ彼女のおかげで、私たちの心は晴れていった。持ち前の優しさと、明るさ。どんな状況も楽しもうとするアティチュード。それは11年前からまったく変わらない。

モデルでいたいから大好きな場所を卒業する

2020年に、栞里は30歳を迎えた。この頃から、ぼんやりと脳裏に、モアモデルの“卒業”という文字が浮かび始めたという。

「私は、モデルでいる瞬間が大好きで、一日でも長くこの仕事をしていきたいと心から思っていて。そのためには、成長し続けていかなければならない。今あるこの場所を、安心できる幸せな環境を、不安だけど一度手放して。だからまた、11年前と同じようにポージングや表情のつくり方を見直しているところ。新しい環境でしっかりと、新たな自分に出会うための準備をするようになったんだ」

【佐藤栞里インタビュー】モデルの仕事が大の画像_2

一日でも長くモデルでいたい。だから変わり続けるんだ

そして、33歳の誕生日の翌日が発売日の、今号での卒業が決まる。

「MOREはずっといたい場所だったから、2020年に、47都道府県をめぐる連載が始まった時は、すごくうれしくて。『まだまだMOREにいられるじゃん!』って。それと同時に、この連載が終わる時期が、いい区切りなのかなとも思った。本音を言うと、編集部から『そろそろ卒業します?』なんて言われる日がくるのが怖かったというのもあるよ。どの雑誌もテレビも、その怖さと隣りあわせ。でも、卒業はいつか必ずくるでしょ。そのタイミングは自分でしっかり考えて決めないとって。MOREが大好きだからこそ、甘えてばかりじゃいられないから」

撮影/東 京祐 ヘア&メイク/川添カユミ(ilumini.) スタイリスト/石上美津江 取材・原文/海渡理恵 ※MORE2023年9・10月合併号掲載