12星座全体の運勢

「存分に自分をぬかるませる」 

大地が目覚め、うるおい始める時期とされる「雨水」に入る直前である2月17日には、しし座の27度(数えで28度)で満月を迎えていきます。 

寒さがゆるんだり、厳しくなったりと、もしかしたら一年のうちでもっとも大地の息づかいを意識させられる時期にもあたるタイミングですが、そんな今回の満月のテーマは「不思議なほどの気持ちの明るさを楽しむこと」。 

冬が終わると光あふれる春の日が訪れるように、多大なフラストレーションや深い暗闇の後には、必ずふわふわとした浮遊感や解放感を伴うような回復期がやってきます。今回のしし座満月の時期もまた、厳しい冬の終焉と本格的な春の到来とをつなぐ過渡期であり、寒さと乾燥で張りつめていた神経や身体の末端のこわばりをどれだけゆるめていけるかということが大切になっていきます。 

ちょうどこの時期に雪解けや霜解けで土壌がぬかるむことを、昔から「春泥」と呼んでいたように、積極的にアクビをしたり、特に上半身の緊張や指先のとどこおりをほぐしていくことで、存分に自分をぬかるませていくイメージで過ごしてみるといいかも知れません。 

涙や鼻水もどんとこい。春への始動は、まずは身体の中から。全身がアクビそのものであるかのような赤ちゃんになったつもりで、たっぷりとゆるんでしまうことを自分に許してあげてください。 
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魚座(うお座)

今季のうお座のキーワードは、「「超個体」として生きる」。

魚座のイラスト
春、気候が温暖になってくるとミチバチたちが活動を始めていきます。じつはかなり前から、温暖化など気候変動の影響に対するミチバチたちの反応やその数の減少が注目されてきましたが、このミツバチという生き物は、知れば知るほど不思議な生き物なのです。ここではごく簡単に、そんなミツバチの生態を俯瞰してみたいと思います。 
 
花が咲き始めると、働きバチが収穫をはじめ、女王バチは一つの巣に数万匹はいるとされる彼らのサポートを受けながら、まず働きバチ(すべてメス)のための受精卵を産みます。そして巣の中のハチが十分な数にまで増えたら、次に雄バチのための未受精卵、続いて次代の女王バチ候補の卵を王台に産んで、やがて仲間とともに古巣を後にし、適度に離れたところで新しい巣を造営するのだそうです。そして、その数日後には新しい女王バチが古巣で誕生し、旧女王バチに代わって産卵を開始する。これでミツバチのコロニーの複製が完了する訳です。 
 
こうしたミツバチの活動の実態の解明に寄与した生物学者のJ・タオツらは、ミツバチの巣全体を一匹の動物と見る「超個体(スーパーオーガニズム)」という説を提唱し、そこでは超個体を次世代に繋げていく女王バチを“生殖機能”に、大勢の働きバチをその個体を構成する“体細胞”にするのだと考えられており、これは規模感を人体に置き換えても、細胞間のコミュニケーションこそが、その賑やかさこそが生きていることを支えているのだという形で、同じことが言えるのだそうです。 
 
例えば、分子細胞学者の丸野内棣の『細胞は会話する』にも、やはりミツバチの活動を例に、そうした「超個体」の生態について次のように書かれています。 
 
ミツバチのコロニーの生活は移り変わる自然環境に集団で適応し、維持し、発展させています。ミツバチのコロニーの生活は数万の個体で構成されており、その個体の活動は周囲の状態や仲間の存在に適切に反応しています。ミツバチのコロニーの秩序は、食物の共同貯蔵や育児温度の制御に代表されるように、共同活動と競争によって成り立っています。その結果、コロニーは超個体として個々のミツバチの合計以上の生存をもたらすのです。」 
 
同様に、今期のうお座もまた、ひとつの「超個体」であると同時に、大いなる「超個体」の一部であり、いずれにせよそのコミュニケーションの活発さや賑やかさを通して、単なる個体やその集合以上の生きる喜びがもたらされるのだということを実感していくことができるかも知れません。 
 
 
参考:丸野内棣『細胞は会話する』(青土社) 
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<プロフィール>
慶應義塾大学哲学科卒。卒業後は某ベンチャーにて営業職を経て、現在西洋占星術師として活躍。英国占星術協会所属。古代哲学の研究を基礎とし、独自にカスタマイズした緻密かつ論理的なリーディングが持ち味。
文/SUGAR イラスト/チヤキ